大好きなお兄ちゃん〜光視点〜
クラウドは、妹の光にお礼をするために実家へと帰ることになったのだった。
私の名前は、雲河原 光、ピチピチの18歳です。
私はお父さんの連れ子で、お父さんがお兄ちゃんのお母さんと再婚して兄妹になった。
私とお兄ちゃんが始めて出会ったのは、私が小学校1年生の時。
「初めまして。神です。よろしくね光ちゃん。」
「……。」
初めてお兄ちゃんと会った時は、このお兄ちゃんが私のお兄ちゃんなの? って不思議な感じだったな。
「ほら、光、しっかり挨拶して。」
「光です。じ、ん、おにい、ちゃん。」
大好きなパパから言われて、私は初めてお兄ちゃんに挨拶した。
「うん。よろしくね。」
お兄ちゃんは、私の頭に手を乗せて、優しく撫でてくれて、嬉しかったのを今でも覚えてる。
「光ちゃんは、本当に可愛いわね。」
「……。」
この女の人は誰? 疑問と寂しい気持ちで、この頃は泣いてばかりだったな。
「光ちゃん、しっかりご飯食べてね。」
「……。」
「どうしたの光ちゃん? ママの言うこと分かるよね?」
「ママじゃない。光のママはどこ?」
「……光ちゃん。」
「何で、ママがいないの?」
あの頃は、本当にお母さんに悪いことを言ったと反省してる。
お母さん、本当に苦しそうな顔をしてた。
それから少しして、私はお父さんから、私のお母さんが病気で天国に逝ってしまったことを聞かされた。
「お父さんの嘘つき! ママ直ぐに帰ってくるって言ってたじゃん!」
「……光。」
「パパなんて嫌い! 大っ嫌い!」
私は、裸足で家を飛び出してひたすら走った。
雨が降り始めてしまい、私は公園にあったドーム型の遊具の中に入った。
私はママがもう居なくなってしまった悲しみと一人でいることの寂しさで、膝を抱えて泣き続きた。
辺りは真っ暗になり、雨音は更に激しさを増していた。
「うぅ〜。」
私は心細くなり、身動きが取れなかった。
その時間は、本当に長く、何時間、何日にも感じた。
「光ちゃん。」
優しい声が、私の耳から私の身体の中に入り込む。
私が声のする方へ目を向けると、シャツが雨でびっしょりになり、身体に張り付いた姿のお兄ちゃんの姿があった。
「じん、お兄ちゃん。」
「無事で良かった。」
お兄ちゃんの顔は、本当に私を見つけられて良かったと安堵している表情だった。
「お兄ちゃ〜ん。ぐすっぐす、うぅ〜。」
私はお兄ちゃんに飛び付き、泣き続けた。
お兄ちゃんに見つけて貰えて、凄い嬉しかった。
その後、私はお兄ちゃんの大きな背中におんぶされて、無事に家まで帰ることが出来た。
「光!?」
「光ちゃn!?」
「しーー。泣き疲れて寝ちゃったみたい。今はゆっくり休ませてあげよう。」
「すーすー。」
「ありがとう神君。」
「そのまま寝かせると風邪をひいちゃうから、私が光ちゃんの身体を拭いて寝かせてくるわね。」
私が次の日の朝、目を覚ますと、私の横にはお兄ちゃんが一緒に寝てくれていた。
「じんお兄ちゃん、ありがとね、」
私は寝ているお兄ちゃんのほっぺに、私の唇を優しく当てた。
このことがきっかけで、私は今の家に溶け込むことが出来たんだと思う。
それと、私の初恋はこの時から続いている。
お兄ちゃんは、高校を卒業してから警察学校へ入ってしまい、その後は寮生活を経て、アパートで一人暮らしをしている。
小さかった私は、それが不満で何度もお兄ちゃんに連絡して、早く家に帰って来てとお願いしていた。
そんな私のお願いをお兄ちゃんは聞いてくれて、休みの度に家に帰ってきて私の相手をしてくれた。
一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たりしてくれていたけど、私が中学校に上がったくらいから、一緒にお風呂に入ったり、寝てくれなくなってしまった。
そんなお兄ちゃんとは、最近では年に数回しか会えていない。
しかし、そんな私に幸運が訪れた。
友達に誘われて始めたNM。
NMを、お兄ちゃんがやっているかどうか知らなかったけど、もしお兄ちゃんに会えたら、お兄ちゃんが私を見て気付いてくれるように、容姿はそのままで登録した。
そんなNMの世界で、私はお兄ちゃんと運命的に出会えた。
やっぱり私とお兄ちゃんは、運命の赤い糸で結ばれているんだね。
そして、今日はお兄ちゃんが私にお礼をするために帰って来る日。
今日は気合を入れて、髪型や服装もバッチリ決めた。
ちょっと、スカートの丈が短い気もするけど。
「準備よし!」
ガチャッ
「ただいま〜。」
あっお兄ちゃんだ。
「おかえりなさい。」
ゲーム世界のお兄ちゃんもカッコイイけど、現実のお兄ちゃんはもっとカッコイイよ。
「久しぶり。あれ、父さんと母さんは?」
「二人は、お兄ちゃんが帰ってくるから、みんなで美味しいものを食べようって張り切って買い出しに行ったよ。」
父さんと母さんは、私がお兄ちゃんを大好きなのを知っているので、気を遣ってくれたのもあるけどね。
「そうなのか? 楽しみだな。」
「そうだね。」
「それより、この間のお礼は何が良いんだ?」
「デートしよ。お兄ちゃん。」
「デート? 」
「だって、最近一緒に出掛けてないでしょ? デートがしたいの。」
「デートは、交際している男女が出掛けることを言うんじゃなかったか?」
「い・い・の! ほら、行こう。」
私は強引にお兄ちゃんの手を握って、デートへ連れ出した。
私がお兄ちゃんを連れて来たのは、私がお兄ちゃんに見つけてもらった公園。
「……。」
お兄ちゃんは、この公園のこと覚えているのかな。
「……公園?」
「お兄ちゃん、隠れんぼしよ。」
「隠れんぼ? ……この歳で隠れんぼ。」
「私が隠れるから、私を見つけてねお兄ちゃん。……隠れるの見ちゃダメだからね。」
「はいはい。(高校生になって、隠れんぼって、まだまだ光は子供だな。)。」
「1、2、3……もういいかい?」
「もういいよ。」
お兄ちゃんは、私を見つけられるかな。
「光見っけ!」
「はやっ!? お兄ちゃん、私が隠れるの見てたんでしょ?」
「見なくても、この公園で光が隠れるところなんて、ここだけだろ。」
「お兄ちゃん。」
「懐かしいな。小さい光が家を飛び出した時は、本当に焦ったよ。」
お兄ちゃん、ちゃんと覚えててくれたんだ。
「あの時、お兄ちゃんが来てくれて本当に嬉しかった。
「あの後、俺は風邪引いたけどな。」
「雨でずぶ濡れだったもんね。私の看病で直ぐに良くなったでしょ?」
「そうだな。それより、まだ隠れんぼするのか?」
「もうお終い、買い物に行こう。」
「そうだな。」
あれ、お兄ちゃんの顔が赤いけど、どうかしたのかな?
「どうしたのお兄ちゃん?」
「光、早く立ってくれないか。」
ん? あっ!?
私は直ぐに立ち上がって、スカートの裾を抑えた。
「……見たよね?」
「見て、なくない。」
うぅ〜、恥ずかしい。こうなったら。
私はお兄ちゃんの腕にしがみつき、恥ずかしさを誤魔化す。
「おい。……胸当たってるんだけど。」
「嬉しい癖に〜照れてるの?」
「照れるだろ。光は可愛いんだから、悪い男が寄らない様に気をつけないとな。」
「……。」
お兄ちゃんにいたずらしたつもりが、逆に私の方が顔が熱くなっちゃった。
買い物中に、露店のアクセサリー屋さんで私は足を止めた。
あのペアリング可愛いな。
お兄ちゃんとお揃いで付けたいな。
「どれが欲しいんだ?」
私の口から、お兄ちゃんにペアリングが欲しいって言ったら、引かれちゃうかな。
「美男美女のカップルだね。このペアリングなんてどうだ。うちの一番人気だよ。」
おお! 露店のおじさんナイスだよぉ!
「いや、俺達はカップルじゃなくて。」
「こらこら、お兄さん、そんなこと言ってちゃ彼女が泣いちゃいますよ。オマケしてあげるからこのペアリング買って行きなよ。」
「確かに、デザインはいいな。光、ペアリングだけどいいか?」
「勿論!!」
あっ!? 嬉しすぎて即答しちゃった。
「毎度あり!」
露店のおじさんどうもありがとう。
「いやぁ、あの露店のおじさん、商売上手だな。」
「そ、そだね〜」
私は指に嵌まる指輪を見つめて、顔がにやけてしまう。
「ありがとうお兄ちゃん。一生外さないから!」
「おいおい。 そんなんじゃ彼氏が悲しむぞ。」
「彼氏? いないよ?」
「はぁ? いやいや光に彼氏がいないとかあり得ないだろ?」
「本当に居ないよ? ……告白はされるけどね。」
「いい男が居ないのか?」
「うん。それに私、好きな人がいるから。」
「そ、そうなのか?」
「うん。」
「そっか。兄ちゃんも会ってみたいな。」
お兄ちゃんは会えないかな。
「「おかえり〜。」」
「「ただいま〜。」」
家に帰ると、お父さんとお母さんは帰って来ていた。
「これ美味いな。」
「それは光が作ったのよ。」
「そうなのか。光は料理が上手だな。いいお嫁さんになれるな。」
えへへ、これでもお兄ちゃんに美味しいって言ってもらいたくて、料理頑張って覚えたんだよ。
「そうだな。神も毎日美味しいご飯が食べられるな。」
「ん?」
「だって、神と光は結婚するんだろ?」
「ぶーー!? 何言ってんだよ父さん。」
「え? 結婚しないのか?」
「俺ら、兄妹だぞ。」
「血は繋がっていないから、安心しろ。」
「二人が結婚したら、お母さんも安心ね。」
流石、お父さんとお母さん。グイグイ攻めるね。
「親の発言とは思えない。」
「何言ってるんだ。神はもう30歳になるし、光も来年は高校を卒業するんだから、丁度いいじゃないか。」
「そうよね。早く孫の顔も見たいし。」
「はいはい。」
お兄ちゃん、誰か好きな人でも居るのかな?
「それじゃあ、またな光。」
「うん。お兄ちゃん、またゲームの中で会える?」
「勿論。」
「やったね。やる時は、ちゃんと連絡してよね。」
「分かったよ。」
「バイバイお兄ちゃん。」
手を振る私の手には、キラリと光る指輪が輝いていたのだった。
今回のおまけ
クラウド:シャイン。この間、装備を作ってくれたお礼だ。
シャイン:この髪飾り可愛いぃ〜! ありがとう、クラウド。付けてみて良い?
クラウド:勿論。
シャイン:ど、どうかな?
クラウド:バッチリだよ。とっても可愛いよ。
シャイン:えへへへへ。
スカイ:シャインさん、僕からのお礼は、魔女っ子帽子です。
シャイン:ありがとうスカイさん。
クラウド:おぉ〜似合うな〜やっぱ魔法使いはこの三角帽子だよな。
ヴァン:シャインさん! 私からは、パワードリンクです!
シャイン:パワードリンク? あ、ありがとうございます。
ヴァン:さぁさぁ飲んでみて下さい! パワーアップ出来ますよ!
シャイン:ちょっと、色が危なそうなんですけど、大丈夫なんですか?
ヴァン:グイグイっと!
クラウド:パワードリンクって、そんな色してたっけ?
ヴァン:げっ!?
シャイン:『惚れ薬』飲んだ相手を一定時間虜にする。所有者ヴァン、未使用。
ヴァン:ノオォーー!
クラウド:シャイン貸してくれ。
シャイン:はい。お兄ちゃん。
クラウド:レセプション仕事お疲れ様。栄養ドリンクだ。疲れを癒すといい。
レセプション:気が利すな! ごくごくごく。
ヴァン:な、なんてことを!? アレ高かったんだぞ!
レセプション:ヴァン。
ヴァン:は、離せクソジジイ!
レセプション:何を照れている。早く宿に行くぞ。
ヴァン:いやだーー!
クラウド:反省しろ。




