手札が持つ価値と意義、その未来について
『右手には数多の持ち札 左手には一つの札 右手と左手を交互に見つめ 首をかしげる 複雑な手札が織りなすその意義を 少なさ故のその意味を 札とは価値そのものにあらず 未来を創る手段である』
人はこの世界に生まれ、生きるためにあらゆるものを必要とする。必要とし求めるが故に人は資源を確保し、手段を増やし、能力を向上させる。移り変わりやすく不確実に満ちるこの世界で生き残るために人は知恵を繋いだ。その知恵の上に社会は成り立っている。
あなたはこのような経験をしたことはないだろうか。ある教科を学んだ。最初は何を言っているのか分からなかったが、時間をかけて習熟するうちに分かる内容が増え、出来ることが多くなった。学んだ知識を組み合わせることで、解けそうにない問題を解けるようになった。
手札が増えるということは見える世界、出来ること、受け取り渡すことが出来る恩恵が増えるということでもある。それはとても素晴らしいことで、多くの人が手札を得るために人生をかける。得た手札を使い、更なる手札を獲得する。この循環の中を人は生きている。
手札の多さとは選択肢の多さでもある。人は選択肢が多ければ多いほど考えることが増え、迷いが生じる。手札とは人に可能性という未来を与えてくれる重要な資源であり、同時に巨大な重力を持つひとつの星でもある。ひとはその星を拾い集め、自分という世界に彩りを加える。
生きるなかで夜空に光る星が少ない人もいる。両手にある手札は驚くほど少なく、見える景色はあまりにも狭い。その世界の在り様にあなたはショックを受けるかもしれない。そんなときは大きく深呼吸をしよう。夜空に光る星が少ないということはひとつ一つの星をはっきり、じっくりと見ることが出来るということ。満点の星空から個々の星を見ることが難しいように、あなたが今見ている星は確かにあなたが持っているものだ。星が少ないということは、輪郭がぼやけないということでもある。多くの星でぼやけてしまうこの世界において、あなたが持つその星はかけがえのない未来を生み出す源泉になり得る。
手札とは人生をより豊かに意義あるものにしてくれる。そういうものであってほしいと心の底から信じている。たくさんある手札も、驚くほど少ない手札も、その全てが未来を創る手札であることに変わりはない。そうやって人はこの世界を創り生きてきた。そして、これからもこの流れは変わらない。人がひとである。それは無限の可能性を秘めている。
手札という星を胸に懸命にこの世界を生きるあなたに敬意を。あなたが持つ手札は無限の可能性を秘めた尊いもの。その手札がどうかあなたが生きる世界を優しく温めてくれますように。今日もあなたという火が世界に確かに灯っている。




