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Side:橘八重
3連続同じ地形だった事にガックリ来そうだが、それはともかくとして移動を開始。
同じ場所に居続けるのも良くないし、このまま進んでみてからだろう。
そう考えた俺は墨の流れる方向へと進んで行く。
当然ながら周りを警戒し、危険を避けられるようにしながら進む。
すると、早速この場所のモンスターが見えた。
それは太さが直径50センチ、長さが8メートルはあろうかという芋虫だ。
どう見ても嫌な予感しかしない。
「これだけバカげた大きさの芋虫が居るなら、それの成虫も居るんじゃないの?
何だか嫌な予感が膨れて来るんだけど………頼むから思い過ごしであってほしい。
10メートルを超える蛾とか見たくない」
本当にそんなモ〇ラみたいなのが出て来る恐れがあるのが嫌すぎる。
子供の頃は虫に何とも思わないが、成長すると虫は嫌になるんだよ。
小学校の高学年ともなれば、もう駄目だ。それまでと違って手で触るのは難しい。
だって汚いし。
それに毒の事も考えたら、迂闊に触るなんて論外でしかない。
「幸い、大きさと重さで碌に動けないようだし、近づかないで通り過ぎるのが一番いいな。
そもそも転がって来ただけで死ぬかもしれない」
押しつぶされて死ぬなんて絶対に嫌だし、現実はトマトが潰れるように死ぬ。
決して平たくペラペラになった後、膨らんで復活したりしない。
あの表現ってト〇とジ〇リーで見た事があるけど、アレが一番古いのかな?
詳しくは知らないけど、轢かれてペラペラは古くからある表現だとは思う。
「下らない事を考えてたな。
現実はト〇とジ〇リーじゃないっての。
ペラペラにはならないで潰れて死ぬのが当たり前だろうに」
俺は頭を左右に振ると、思考を切り替えて慎重に進んで行く。
すると、芋虫の口から何かが飛んでくるのが見えたので慌てて避ける。
横っ飛びした後にすぐに立ち上がったから分かったが、何かの糸だった。
白いから分かるんだが、ネバネバしていて気持ち悪い。
「糸なんだろうけど、糸っていうより大きなきし麺だな? それが束になる感じで飛んできてるのか。
で、飛ばしたら引っ込められないと………何やってんだ、あの芋虫は」
思わず呆れてしまったが、俺はそのまま移動しようとして気づいた。
あの糸、消えてなくね?
「あの糸って変だぞ、何故消えないんだ? 普通は敵の出した物って消えるだろ。
アップルシューターのリンゴだって消えたんだし」
そう思った俺は金属バットで糸を持ち上げてみる。
すると芋虫が引っ張って来たので、金属バットを糸から離した。
あくまでも粘液のような物がついているだけで、外せないような物でもないらしい。
そして芋虫が勢いよく体を捻ったからか、糸はあらぬ方向へと飛んでいく。
ベチャァッ!!!
何と左の方を飛んでいたデカい蛾に当たってしまい、蛾は地面に転落。
そして芋虫は勢いよく、自分の方へ手繰り寄せるように引っ張った。
10メートルぐらいの大きさの蛾が引っ張られてるのも凄いが、蛾は粘着物質を外せないらしく暴れるだけとなっている。
ドスン! ドタン!! ドゴン! ズドン!!
散々に蛾が暴れるものの、どんどんと引っ張られてしまい、近くまで来た蛾に対して口を開く芋虫。
目が無いのか見えていないのか、目の前の蛾に大して最大に口を開くと呑み込み始める。
凄い光景だが、何故か目を離せない。
「怪獣大決戦と言うべきか、それとも自然の神秘と言うべきか。
異界の中だけど悩む光景だな?」
必死に呑み込もうとする芋虫と、そうはさせじと抵抗する蛾。
その戦いは芋虫に軍配が上がった。
羽を折りたたむように丸呑みにされた蛾は、だんだんと溶かされていって消えていく。
ただし溶かす速度がかなり早かったので、捕まって呑み込まれたら最後、簡単に溶かされて死ぬだろう。
「ここは色々な意味で危険だ。
とにかく敵を倒さなくていいから、早く次の地形へと移動してしまおう。
こんな所に居たところで、怪獣大決戦を見るだけになるしな。
さすがに、あんなデカイのに近づいて戦いたくはない」
俺は見届けたのでさっさと移動し、すぐに発見した色の変わった場所から次の地形へと進む。
そして次の地形だが………
「また平原とかどうなってんだ? 流石に色々とおかしい。
幾らなんでもこんな確率あるか? 誰かが意図的に操作してるとしか思えないぞ」
そんな事は無いと思うが、幾らなんでも4回連続というのは明らかにおかしい。
作為的な物を感じるほどだ。
とはいえ、誰ならばそんな事が出来るんだと言われれば、何も言えないんだけどさ。
それでも誰かの作為だと言いたくもなる。
4つ目の平原を移動していると、不思議な事に土で出来た人型が出て来た。
これって最初の土人形と同じか? そう思ったものの、向かってきた瞬間に気づく。
明らかに動きが早い。
「これ同じ土人形じゃない、流石にこの速さはあり得ないだろ!」
ガン!
SPを1だけ込めた攻撃は全く相手にもされず、完全に無視された。
おそらく当たっても何の意味も無いと分かっていたんだろう。
俺は慌てて後ろに跳びつつSPを10篭めて盾で防ぐが、ポリカーボネートの盾はあっさりと壊された。
それでも後ろに跳んでいたので無事だったが、そうしていなければ腕が吹っ飛んでいたかもしれない。
ここまで来ると、当たり前のように盾が壊されるな。
それでも訓練はしてきてるんだ、かわしながらでも戦えるはず。
そう思いながら立ち上がり、そして金属バットを構えるも、相手は関係なく一気に攻めて来る。
すぐに右足でミドルキックに来たが、俺はそれをバックステップで回避。
そして前に出て殴る。
ガァン!!
SPを10込めて殴ったにもかかわらず、相手は飛ぶ事も倒れる事も無く立ったままだ。
見た目は土人形の癖に、いったい何で出来るんだと言いたくなる。
気にせず今度は左足でローキックに来たが、これは後ろに跳んで距離を開ける。
一旦仕切り直しとし、再び構えるものの、相手は関係なく突っ込んでくる。
今度は右手で殴りかかって来たので、外側である左にかわし、隙を見て足に20SPを込めて殴りつけた。
ドガァン!!
流石に20SPの威力は高かったのだが、なんとか破壊できたという程度にしかならなかった。
おそらくSD濃度が全くない武器の所為で、過剰にSPを込めても威力が上がらないんだろう。
これ以上はSPも使えないし、SDを使って戦うしかないな。
俺は片足を壊して倒れた土人形の頭に、20SDを込めた金属バットでフルスイング。
見事に頭を壊して倒す事が出来た。
しっかし、強かったなぁ……
「倒して得られたSDは347? そりゃ強いわ。
金属バットで戦うような相手じゃない。
ここまで来ると金属バットやポリカーボネートの盾なんて、大して役にも立たないな」
10SPを込めても破壊されるんじゃ、どう足掻いても無理だ。
それに20SPも込めなきゃ壊せない時点で論外に過ぎる。
それでも俺は進むけど、SDを篭められる人じゃなきゃ帰るべきだろう。
俺は墨の流れの方向へと進みつつ、出て来た土人形は20SDを込めて確実に倒していく。
足を壊すのに20SD、そして頭を壊すのに20SDの計40SD掛かるものの、倒せば347なので差し引き300超えのプラスだ。
なら十分だろう。
ここは稼げるものの、この装備で稼ぐのはキツい。
まるで手足を縛られている気分になってくる。
それでもこの次を見たら帰ろうという思いで俺は進んで行く。
実際に次の地形を見たら本当に帰るつもりなので、間違ってはいない。
流石に5連続なら前代未聞のはずなので、ここまできたら5連続を見ておきたいし記録にとっておきたいんだ。
何らかの役には立つと思うから。




