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第33話:受験シーズン到来!ヴィーザルの靴で滑らないぞ!



【翌朝・ダンジョン前広場】



ソラ:

 うわぁ……すごい!

 一晩でこんなに集まるなんて!



ティアグラ:

 ふん。素晴らしい「汚さ」だ。



 人間の汗と脂が染み込んだ、



 極上の摩擦グリップ素材たちよ。



【コメント欄】

: 汚さ褒めるなw

: 確かに臭そうw

: 俺の安全靴(5年モノ)届けたぞ

: フェンちゃんのためなら!

: 頑張れー

: 視聴者参加型楽しい



ルナ:

 よし、やるわよ!

 スキル発動——『鑑定アプレイザル』!



 ——シュババババッ!



 ルナが高速で靴を左右に仕分けていく。



ルナ:

 これは……郵便屋さんの革靴!


 10年履き潰されてる! 採用!


 こっちは……工事現場の地下足袋!


 滑り止めSランク! 採用!





 ——広場の物陰…


 その作業を、柱の影から覗く男がいた。


 手には、


  ドス黒く光る液体


   が塗られた


    靴を持っている。



氷室(インカムの声):

 いい? カイト。


  その


   「特製潤滑オイル」


     を染み込ませた靴を混ぜなさい。



  それを素材に使えば、


    あのワンコロは一生滑り続けるわ



カイト:

 へへっ、了解っす。



 エグいっすねぇ氷室さん。



カイト:

 (ほらよっと……!)




 (っ・-・)⊃ ⌒ο ポイッ。




 オイルまみれの靴が、

    採用ボックスに投げ入れられた。




カイト:

 (へっ、大成功! ちょろいぜ!)






ティアグラ:

 ん?



 ( ̄^ ̄)ゞ——ピタリ。



 ティアグラの手が止まった。



ティアグラ:

 ……臭うな。( •́ฅ•̀ )クッサ



ソラ:

 え? 



 そりゃ臭いますよ。



 古靴ですから。



ティアグラ:

 違う。



 「努力の汗」



 ではない……



 「不純な悪意」の臭いだ。



 私の神聖な素材の中に、

       ゴミが混ざっている。



 ティアグラが指を鳴らす。



 ——パチン( ・д・)⊂彡☆))Д´)ウッ…




ティアグラ:

 不潔な物は消毒だ。

 ——汚物焼却イグニス・フレア



 ボッ!!!(炎炎炎)



すると、採用ボックスの中から、カイトが投げ入れた靴だけがピンポイントで発火した。しかも、まだカイトの残り香(魔力)を追尾して——ドォォォォン!!火柱が、物陰のカイトに向かって走った。



カイト:

 ぎゃあああああ!!



 あちちちちち!!



 ドカーン!

  ( ∩ ˙-˙ )=͟͟͞͞⊃



カイト:

 燃える! ケツが燃えるぅぅぅ!

 お助けアレ〜


 カイトは火のついたロケットのように、

  ダンジョンの彼方へ走り去っていった。


       ε=ε=ε=ε=┏(゜ロ゜;)┛


ソラ:

 あ、流れ星★彡



【コメント欄】

: 今カイトいなかった?w

: 燃えてたぞw

: 妨害工作失敗www

: ざまぁwww




ティアグラ:

 さて、邪魔者は消えた。


 始めるぞ。

  錬成開始クリエイト


 ——カッ!


 革が、

    ゴムが、

       人々の想いが、

            一つに溶け合う!



 ——ギュイイイイイイイン!!



 光が収束し、そこに現れたのは……


 ピンク色の、


      プニプニした、


       ——4つのブーツだった。



 底面には、可愛い肉球のエンボス加工。



ソラ:

 か、可愛い〜!

 これが……!



ティアグラ:

 完成だ。


 名付けて


   【神器:肉球エア・ヴィーザル】


 あらゆる床で()()滑らん!!!



ソラ:

 これ、受験生が絶対欲しがるやっだ!


 さあフェン!

 履いてみて!



フェンリル:

 クゥーン?(これなに?)


 ——スポッ  ×4


 ……ギュッ。



フェンリル:

 !

 ワンッ!(滑らない!)



 ……ギュッ、ギュッ。



 これで第一志望も合格だ!



【コメント欄】

: 縁起がいい!

:合格必須

:ご利益すぐる

: これを読んだ君は滑らない!

: 88888888



フェンリル:

 ワフッ!(最高!)


 ドォォォン!!


 フェンリルがソラに飛びつく。


 今度は足が滑らないので、

        全力のタックルだーー!



ソラ:

 ぐえっ。


 お、重い……幸せ……。




【荒井中注エージェント・事務所】


氷室:

 ……チッ。

 使えない男ね、カイト。

 単なるお笑い要員じゃない。

 氷室はギリリと歯噛みする。



 だが、


 その目にはどす黒い炎が宿っていた。



氷室:

 いいわ。

 小細工はもう終わり。




 次は……逃げられない!

 潰してあげるわ。




 氷室の手元には、




 ——企画書



 『ダンジョン〔季節外れの〕水泳大会』



 の文字が躍っていた。



(第33話 完)

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