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モモンガ・リリの変なレンジャー魔法  作者: HILLA
サンリカ国 ウスリー・コモウェルの街
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56.遭遇イベント

お腹も空いてきたので、花の形をしたカラフルな揚げドーナツを購入し、昨日昼食を食べた川辺にやってきた。ルカくんにカケラをもらい、口に運ぶ。


うんうん、これは中がモチっとしておりますな。こっちは外がカリッとしていて、もう1つは粉砂糖がかかったフワ生地ですか。


うん、懐かしい味がするよ。こっちには無いはずなのにな。私、ここの四川坦々麺が好きだったんだよね。イートインの時は坦々麺一択だったよ。イエローさん、今日の夜は坦々麺をお願いします。


「あ! いたよ! 母ちゃん、こっちこっち!」


おや? もしや、ここで食事をすると、もれなくおっちゃん家族に遭遇するっていうイベントが起こるんですかい?


飛び跳ねるような駆け足で、焦茶色の髪と瞳の子供達がやってきた。


「「こんにちは」」


「こんにちは。君達は昨日会った子達だね。今日もお父さんと一緒かい?」


「うん、今日は父ちゃんと母ちゃんと一緒なの」


妹ちゃん、名前はマリールちゃんだったかな? 眩しい笑顔だね。兄ちゃんもご機嫌さんだ。


「本当にお前達は、はぁ。少しは落ち着いてくれ。母ちゃんは病み上がりなんだ。ゆっくり歩いてくれ」


「まぁ、あなた。私は元気だから問題ないわ。ピーグル達と一緒に走れるわよ」


「元気なのは分かっているが、寝たきりだったんだ。体力が戻るまでは、徐々に動くようにした方がいいだろ」


「もう。朝から言っているでしょ。寝たきりだったのが嘘みたいに体が軽いのよ。一回走ってみせましょうか?」


ふふ。元気な母ちゃんだな。


そりゃ、こんなに明るい母ちゃんが病気になったら、みんな落ち込んじゃうよね。病気とは無縁そうに見えるもんね。おっちゃんもだけど、子供達のダメージは大きかったんだろうなって想像できるよ。治ってよかったよ、本当に。


「お母さんが病気だと聞いていましたが、元気になられたんですね。ご快復おめでとうございます」


「ああ、元——


「そうなの! お花の神様が治してくれたの!」


「朝起きたら家中ピカピカになってて、四角い箱に見たことない料理が詰まってて、母ちゃんが元気になってんだ」


見たことない料理が四角い箱に詰まっていた? 四角い箱ってわざわざ言うくらいだから、籠のお弁当箱じゃないってことだよね。なんだ? イエローさん、何を作ったんだ?


『(和洋中のおせちあるね)』


おっっせち!? おせち作ったの!? しかも和洋中って、マジで子供の心を分かってる!


和食だけのおせちって、子供の頃は好んで食べる料理少なかったのよ。大人になって日本酒飲むようになってから、美味しさが分かったけどね。


それにしても、おせち……1年の始まりに祈願する食事……


お祝いだからいっか。それに、料理を作る人を休ませる意味もあったはずだから、病み上がりの母ちゃんにはピッタリな食事だよね。


「それで、母ちゃんにモモンガちゃんを触らせてあげたくて探してたんだ」


ふふふ。快気祝いに触らせてあげるよ。モモンガの知名度を上げて、モモンガ好きを増やさないといけないっていう使命が、さっき追加されたからね。


ルカくんの膝から肩に移動し、ピーグルくんの腕にジャンプした。


「飛んだ!」


「兄ちゃん、いいな! わたしも!」


「腕を出したら、リリはジャンプしてくれるよ」


ルカくん、ナイスアドバイスだよ。これで、私が飛び移りまくっても怪しまれないね。ありがとう。


早速、マリールちゃんの腕に移動しちゃう。ほらほらー、キャッキャ喜べー。


「この子がモモンガなのね。私も初めて見たわ」


「母ちゃんも腕出してみて」


「来てくれるかしら」


そうっと差し出してくる母ちゃんの腕にも、もちろん飛び移るよ。肩に乗って、尻尾で頬を撫でるサービスもしてあげよう。闘病生活お疲れ様。快復、おめでとう。


「可愛いわね。モモンガって森に行けば出会えるのかしら?」


「飼いたくなったのか?」


「ええ、本当に可愛いもの」


ありがとう。でもね、その話題はちょっと禁句かな。ルカくんの顔が曇っちゃったからね。


私を欲しいって言われたらどうしようって、不安になったんだと思う。いつもなら何とも思わないだろうけど、今日はハゲが私を取り上げようとした事件があったからさ。少しナイーブになっちゃってるのよ。


撫でてくる母ちゃんの手から抜け出して、ルカくんの足に降り立った。グルグルと体を回りながら駆け上がり、肩に乗って頬擦りをする。クスクスと笑いながら、ルカくんからも顔を擦り寄せてくる。


「ふふ、やっぱり飼い主さんが1番なのね。本当に可愛いわ」


「父ちゃん、わたしも飼いたい」


「俺も」


「そうは言ってもだなぁ。森かぁ。浅い場所なら俺でも行けるか」


「リスでよろしければ、見かけた場所を説明できますよ。ただ警戒心が強いですので、リリみたいに懐いてくれるかどうかは」


苦笑いになるよね。気持ち分かるー。


ってか、私もリスさんは会ったけど、私以外のモモンガを見かけてないな。どこが生息地ってググ先生に書いてたっけ?


ん? あれだ。写真見ただけで読んでなかったな。えへ。


「ルカラウカ。さっきのレインボー玉で、みんなで遊んでおいで。追いかけっこをしても大丈夫だよ」


「うん、分かった」


ハツラツと立ち上がったルカくんだったが、ピーグルくん達に向いたあたりから、視線を彷徨わせ始めた。モジモジしている。


「あの、その、一緒に遊ぼう!」


かわ、可愛い! 勇気を出して誘うルカくんにキュン死させられる。


そかそか。ビアナちゃんとパニカくんは、向こうから距離を詰めてきてくれたからね。ルカくんから誘うって慣れていなくて緊張したんだね。一歩踏み出して偉いよ。頑張ったね。


「うん、一緒に遊ぼう。俺、ピーグル」


「わたし、マリール」


「僕はルカラウカ」


子供達の自己紹介が尊い。君達は仲良くなれるよ。みんな優しい子だからね。思い合える友人になっておくれ。






リアクション・読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。

本当にゆっくりになりますが、更新は続けていきます。

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