第五十四話 See you again-11
ーー次の日ーー
ナーベルク帝国 帝国兵総合病院 "零華"
ワンダビー
「あっアキレイ様……
おはよう……ございます。」
病室のベッドで横たわるワンダビーは
息苦しそうにしながらも
アキレイに笑いかけた。
アキレイ
「よう。
調子はどうだ?ワン。」
ワンダビー
「ゴホッゴホッ……はい!元気ですよ!!」
ワンダビーは身体を起こそうとした。
アキレイ
「よせ。横になってろ。」
ワンダビー
「すみません……。
昨日は楽しかったです。
アキレイ様……ありがとうございます。」
アキレイ
「ぁあ。俺のデートコースだ。」
ワンダビー
「……あはは。
デート……ですか………
僕……男の子ですよ?」
アキレイ
「大人になったら
好きな女と行くといい。」
ワンダビー
「でも、僕は……
抱き締める事も……
一緒に………歩く事も出来ません……」
アキレイ
「そんな必要はない。
魔進があれば
抱き締める事も、歩く事もしなくていいんだ。」
ワンダビー
「でも………
僕は……僕は……」
ワンダビーの瞳から
涙が溢れ出す。
すすり泣く声が病室にこだました。
アキレイ
「ワン………」
ワンダビー
「え……」
アキレイはワンダビーを
片手でグッと抱きしめた。
アキレイ
「抱き締めるってのは
片手でも出来る。
足も俺が作ってやる。
だから心配するな。
俺がそばにいてやるから。」
ワンダビー
「アキレイ……様……
あったかいです……ね。」
アキレイ
「そうだ……あったかいだろ?
いつか、お前も誰かを抱きしめるんだ。」
ワンダビー
「来ますかね……そんな日……」
アキレイ
「来るさ。それまでは俺がいてやる。」
ワンダビー
「ありがとう……ございます。」
ワンダビーは弱々しくも
アキレイに笑って見せた。
アキレイ
「そうだ!!今日は開発中の移動用飛行魔進の
設計図を持ってきた。」
ワンダビー
「設計図……ですか?」
アキレイ
「乗ってきた亜那魂蛇ってのがあるだろ?
それを少し改良したくてな」
アキレイは大きな設計図を広げた。
ワンダビー
「凄いですね!!」
アキレイ
「そうだろ?今の技術じゃ
まだ難しいが後、数年もすれば
実用化出来る。」
ワンダビー
「乗りたいなぁ………」
アキレイ
「一番に乗せてやるさ!」
それから二人は夜遅くまで
亜那魂蛇の改良型について語り合った。




