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ばくやく令嬢しか勝たん  作者: 御堂 騎士
第12章 彼女たちは、どう生きるか
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555.天使とドラゴン

 キャサリンが、海水浴に行くかどうかの議論を終わらせる発言をする。

「サッサとこの地を離れましょう。

 ここに来てから、信じられないほど次々と新たな敵が現れて、戦いっぱなしだったじゃないですか。

 グズグズしていたら、また次の敵が現れるかも知れませんわ」

 彼女は、水着が何処からか出てきて海水浴になるのを警戒していた。


「そうですね。

 ジュラルミン市長の行方が知れないのも、不気味ですし」


「何だよ、アジサイ。

 お前から見たら、ジュラルミンなんか脅威でも何でもないだろ。

 水着姿を見られるのが嫌だからって、無理やりこじつけんなよ」

 マキナは、不満そうだ。


 アジサイは、今度は鼻で笑い飛ばす。

「残念だったわね。

 水着が無いんだから、水着姿も見せられないわ」


 マキナが食い下がる。

「水着が無ければ、下着で泳げば良いじゃなーい」


「何よ、その気色悪い喋り方」


「マリー・アントワネットの言葉を真似てみたんだよ。

 お前、こういうの好きだろ?」


「下らない」

 アジサイが、マキナの頭をパカーンとはたいた。


「マキナ。『パンが無ければ、ケーキを食べれば良いじゃなーい』っていうのは、マリー・アントワネットの言葉じゃ無いらしいぞ」

 ライトが、つまらない指摘をする。



 下着姿で泳がされてはたまらないと、キャサリンが一言差しはさむ。

「今さら私たちの水着姿なんか見ても、仕方ないでしょう。

 確か、こちらに着陸した後に守護天使カルデラ様が、神々しい裸体をご披露されたと思います。

 それに比べたら、私たちの体なんて見ても価値を感じられないと思いますわ」


 カルデラが赤くなって否定する。

「キャサリンさん。何てことを……

 あれは、アジサイさんに無理やり脱がされただけで、披露したわけではありません!」


 アナが付け加える。

「あの時は皆さん酔いつぶれていましたから、見たのは私たちだけだと思いますよ。

 それに、ライトさんやマキナさんは、それより後から合流していますし」


 パトリックたちは興奮気味だ。

「えっ、あの時酔いつぶれていなければ、そんな凄いものが見られたのか?」


「無理やり脱がされたー?」

 女性に対して免疫のないエドワードは、鼻血を出してしまい、イケメンが台無しだ。


 マキナが、アジサイに突っかかる。

「おいアジサイ、そんなことが出来るなら、もう一回やってくれよ。

 俺様も守護天使のヌードが見てみたいぜ」


 カルデラの顔が真っ赤っかだ。

 両手で体を隠しつつ、うずくまっている。

「アジサイさん。そんなこと許されませんからね」


「しないわよ。天使の裸なんか、見たくも無いし」


 カルデラは、少し安心した表情になってマキナの方を向く。

「マキナさん。あなたもこの世界の守護天使に向かって、無礼すぎます。

 そんな態度を続けるようなら、天罰を与えますよ」


 マキナは、いつにない強気のカルデラに少し困惑している。

 それを見て、アクアが文句をつける。

「おい、雑魚天使!

 貴様の方こそ無礼ではないか。

 マキナ様は、伝説の龍王なのだぞ」


「私は天使としては雑魚かも知れませんが、この世界を守る高邁こうまいな任務を背負った天使なんですよ。

 この世界に住む者たちは、あまねく私に感謝すべきです」


 アクアが鼻で笑い飛ばす。

「俺たちドラゴンにとっては、世界を貴様ら天使が統べようと、悪魔が統べようと、何の意味もない。

 守護など必要ないのだ。

 古来よりドラゴンは、ドラゴンとして生きてきたからな。

 俗世を何が支配しようとも、全く関係無いのだ」


「関係なくないでしょ。

 龍王って言っても、スケベなチビ助じゃないですか。

 思いっきり俗世と関係しているから、天罰を与えると言ってるんです」


「その天罰うんぬんが、生意気なんだよ。

 それ以上マキナ様を愚弄するなら、貴様を灰にしてやっても良いんだぞ」


 アクアにすごまれて、カルデラはアジサイの陰に隠れる。

「私の天罰が生意気なら、アジサイさんはどうなんですか?

 私より先に、彼女がマキナさんを馬鹿にするのをどうにかしたらどうですか?」


「い、いや、それは……」

 アジサイにギロッと睨まれて、アクアは言葉に詰まる。


 それを見て、カルデラは勝ち誇った様子だ。

「アイさん。あなたはどうなんですか?

 龍王に裸を見せろとか言われたら嫌でしょ?」


「いえ。私は、龍王様から言われたら、すぐにでもお見せしますよ」


「「えええーっ?」」

 にこやかに答えるアイに、皆驚きの声を上げた。


 そして、マキナは上機嫌だ。

「よし、アイ。

 じゃあ、早速裸を見せてくれよ」


「はい、分かりました」

 スタスタと歩きだす。

 アイは、ボーイッシュな美人だ。

 男たちは、ポカーンと口を開けている。


「ええーっ?」

 エドワードは、また鼻血が出るのを警戒して、ハンカチを顔に当てる。

 だが、視線はしっかりアイを追っている。


 アイは、エドワードの前を大きく通り越して歩き続ける。

 速度を上げて、皆から離れていく。

 どこまで行くのだろうと、皆が思い始めたところで立ち止まる。


 アイは、突然ファイアドラゴンに変身した。

 そして、空に舞い上がった。

「龍王様あー。

 私の雄姿をとくとご覧くださーい」

 アイは、宙返りやきりもみ急降下など、曲芸飛行を見せつける。

 最後に、村の時計台の周りをグルグルと小さく回って戻ってきた。


 人の姿に戻ると、手を振りながら走ってくる。

「どうですかー?

 私の裸のすばらしさ、分かってもらえましたかー?」


「い、いや、俺様が見たかったのは……」

 マキナは、言いよどむ。

 みんな(特に女性陣が)、アイの肩を叩いて凄い凄いと褒めちぎっている中で文句は言えなかった。


 キャサリンは、思う。

(確かに、ドラゴンは服を着ていない。

 オールヌードといって良いわ。

 でも、ドラゴンになっている間、今着ているあの服は何処に消えていたのかしら?)

次回更新は、4月28日(火)の予定です。

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― 新着の感想 ―
GURPSのコクーンワールドルールなら(笑) 超好色(-20CP)、『(人間用)人間以外の異種族にも性的魅力を感じる。配偶者がいた場合でも意志力判定に失敗すれば浮気もする。』という精神的特徴なら、ドラ…
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