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観光!砂漠の都市サラーガ

砂漠の小さな都市サラーガ。


砂漠の中心にあり、さほど大きくない街の面積にもかかわらず

水や食料品売り場、宿泊所、役所などインフラ整備が整っており非常に綺麗な町並み

美味しい料理や珍しい粗品など置いてある露店が立ち並び

屈強な体つきをした男と柵がひかれ警備体制が万全で盗賊や魔物などの被害はほとんどない。

地獄のように過酷な砂漠から嘘のような一変した街に旅人からは砂漠のオアシスと呼ばれている。


放浪人とサーナはキラリと光る警備の横を難なく通りこの街に足を踏み入れた。


「割と賑わってるな」


露店や店に人が多く客寄せや食材を運んでいる光景をみて放浪人は感心した。

その言葉にサーナも首を縦に振り同意する


「そうね。わたしも学園の授業で写真を見たことあるけど実際こうなってたんだ」


観光名所でパンフレットや授業などで町並みを目にしていたのだろうが

実際の賑わいを肌で感じサーナは少々気押されしていた。


「来たのは初めてなのか?」

「そもそもここまで旅をしたのが初めて」


サーナは腕についているバンドを操作し地図を確認し始めた。

表示されている地図には入り組んだ道に事細かい店の名前と青く光る丸いマーク。


「サラーガは、都市にテレポートできる施設があるはずだから

わたしとシショウはそこからセインエイツに帰るわ。あんたは?」


放浪人は顎に手をやり少し考えそして


「テレポートの施設まで案内してくれ」とサーナに頼んだ。


「ふーん。別にいいけど…じゃあさっさと行きましょ」


その言葉にサーナは頷くと表示されている地図をタップし印をつけるとそこに向かって歩き出した。


露店が立ち並び人通りが多い道。

そこは呼び込み合戦の地!隣の店は親の仇!

どこを歩いても似たような…イヤ美味しそうな匂いが立ち込める!


「ヘイそこのにーちゃん、ねーちゃん」

「くってーいけよ!くってーいけよ!おいしい熊うさぎの串焼きくっていけよ」

「なにいってるマタドラゴンの鼻汁を使ったコーヒーがうまいに決まってる!」

「フン!わたしの最重虫のアイスは至高だぞ」


我が店に来いと誘導するかのような個性ある客寄せ!


「うまそうだ」


無論、素通りできない放浪人の口からよだれ滴り落ちていた。


「ちょっとやめてよ。そんな情けない顔で歩くの!食べたきゃ自分で買えばいいじゃない」


その姿をみて思わずサーナは呆れ混じりに文句をいう。


「金がない」


放浪人はズボンのポケットを裏返しにして答えると


流石に「ええ…」とドン引きしたサーナ。わかるー


「あんた放浪じゃなくて浮浪じゃないの」

「グヌヌ」


放浪人情けない。

無一文で世界で転移させる神様もそうだが


そんな放浪人を哀れに思ったのかサーナはため息をつき懐から真新しい革の財布を取り出した。


「貸しにして上げるわ。絶対後で返しなさいよね!」

「救世主!」


放浪人は頭を下げるとさっそく露店に向かっていった。


「全くわたしは露店に寄らずにさっさと帰りたいのにね、シショウ」


ぶつくさ文句を言うサーナだが


「よっ!そこのお似合いのカップルさんこの守りのネックレス買わない」


と店員に声をかけられ


(まっまあ少しくらいならいいかな)


即断でつられて店にむかうのであった。


あれから…

露店を堪能中のサーナと放浪人だが気がつけば頭上に上っていたお日様は西の方に落ちていた。


少しずつ日がおちるにつれて薄暗くなっていく街。客波もまばらになり始めた。

そして放浪人とサーナはというと


「うおん!うまいうまいぞ!どんどん口に入る!まるで口の中で消化されるみたいだ!」

「これがーデートかぁーふへへー」


……未だに露店を満喫していた。


放浪人はひたすら店側から出された食べ物を脳内実況しながら口に運び

サーナもかなりおだてられ浮かれながら商品を買い漁っていた。


そんな二人を見かねてシショウは


「愚か者!愚か者!愚か者!目を覚まさぬか!」と鳴き声を上げると

優しくサーナの頭を小突き翼をはためかせ上空に飛んでいった。


「いた。なによシショウ…」


唐突にきた頭の痛さに我に返ったサーナは日が暮れている空を見上げ慌てて

腕のバンドで時間を確認した。


「しまったーーーー!」


サーナの顔青ざめは叫びながらドラマンド串とかいう歪な物を食べている

放浪人の首根っこを掴み走った。


「俺はまるで犬だな」


串を食べながらやれやれのポーズをとりながら引っ張られる放浪人であった。


黄色い建物が立ち並ぶ中まるで神殿のような白い建物。

館内に受付が手前にあり。奥には舞台のような段が設けられていた

入り口の横には謎の文字。恐らくテレポートと記されている。

そうここはサーナが言っていた他の都市にテレポートできる場所。

一瞬で違う所都市に飛ばしてくれる優れた場所!


サーナは放浪人の共に館内に入ると飛び乗る勢いで窓口に声をかけた。


「すいません!セインエイツまで送ってほしいんですけど!」

「本日の営業は終了しましたよ」


サーナが言葉を発すると受付嬢はロボットのようにテンプレート笑顔で即座に応える。


「ええ!そんなこと言わずにパパっと送ってよ」


受付のテーブルに身を乗り出しながら懇願するサーナ。もちろん受付嬢は困り顔。


「と申されてもテレポートを行う術者がもう帰ってしまいまして」

「そんなー明日から学校始まるのに」


サーナは受付でガクリとうなだれた。

そんなサーナを見かねて放浪人も受付のテーブルに腕を置くと


「学生ってのはなんていうか特別っていうだろ。自由に豊かでだからなんとかしてくれないか」


よくわからない言葉で説得にしゃしゃり出る。

そんな駄々をこねる二人を見かねてがっしりとした体の警備員が

「もう閉店だ!明日にこい」と放浪人の肩に手を置いた。


放浪人は警備員の右手を掴みねじり背中に回すアームロック!


「がああああああああ!」


警備員は激痛で叫び声!「腕がぁ」と小さな声が聞こえる

その様子に一同騒然!


「それ以上はだめ。いけない」


慌てた受付嬢に声をかけられ放浪人は手を止めた。


「しょうがない。行きましょ」

「すまんな」


そういってサーナの言葉で放浪人は警備員の手を放し


「あーいかんなーこれは」と言いながら二人は施設から出って行った。


嵐が過ぎ去ったようにあたりがシン静まりかえる。

警備員は痛んだ腕を押さえながらその場で啞然とするしかなかった。


(あの女学生の目…止める気なかった!)


受付嬢はあの時見たサーナの冷たい瞳に恐怖した。

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