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絶望をはねのけろ!

「ぶはっ!」ザガンの口から血を吐いた。


ドロドロとあふれ出る血。


(馬鹿なこの俺が!)


動かない体!あふれ出る血すらぬぐえない。


「俺の勝ちだザガン!」


放浪人は声を上げる。


「ほざけ!この程度たいしたことねえ」


ザガンは悲鳴を上げる体を無理に動かし始める。


「ぐぼぉ」足に力を入れただけでも血が噴き出す。


それでも立ち上がってくる。


「マスターあの人かなり異常です」


ログは恐怖を感じた。


「けっポンコツは黙ってな!」


「ポッポンコツ」


ログは落ち込んだ。


「俺はまだ負けてねーんだよ!」


ザガンは祭壇を力の限り殴った。


すると聖杯の隣にバラバラになっていたグリフォンが


再生し始める。急速な再生!みるみる再生していく。


「…妙だなここに来た時ザガンは怪我をしていた


それにイドルを捕えたグリフォンがバラバラになっている


一体何があった」


放浪人がイドルを見る。彼は未だに気絶していた。


放浪人は首を振り悩みを払拭する。


今は奴を倒すことに集中しなけらばならない


放浪人は走り出す


(グリフォンが何かする前に決着つけてやる)


ザガンは焦って上を向いた!


(まだか!何をやっている早くしやがれ)


グリフォンの体はまだ不完全な状態


羽はボロボロで爪もくちばしも再生していない


「もういい!さっさと俺様の所にこい!」


叫ぶザガンに呼応するかのように


グリフォンは祭壇の階段を転げ落ちていた。


グシャグシャとあたりに透明な液体がついている


そしてザガンの目の前に横たわるように落ちてきた。


「あいつ何をする気だ!」


するとザガンは目の前転がるグリフォンの


胴体に手を突っ込んだ。


「ギャピーー!」液体を混じりの叫び


「ご苦労さんだ。俺の元に帰ってきな!」


そしてグリフォンからドクドクと鼓動する


球体を取り出した。


放浪人は警戒して動きを止める!


「放浪人!おまえがここまでやるとは大したもんだと


褒めてやる!だがお前は俺を怒らしちまった!」


するとザガンは鼓動する球体を飲み込んだ!


「ククククク……グオオオオ!」


体をおさえ苦しみ始めるザガン!


「最高の痛みだ!笑いがこみ上げてくるぜ!ハハハハ」


突然黒い突風が吹き荒れる!


近くにある物が吹き飛ぶ突風!


放浪人は地面に踏ん張り耐え抜いた!


「異質な魔法を感知!あの風はこの世界の物ではありません!」


ザガンの体からボロボロの翼が生え始める。


白めが黒くなり獣のような縦に割れた赤い瞳孔!


「体を変えられるなんてな」


風はおさまりザガンは放浪人を見た。


「ククククク。カシバシと同じように体に取り込んだが


なかなかうまくいくもんだなまっ少々中途半端な出来だがな」


変わった自分の体を見て笑う。


「さて第二ラウンドと行こうかダンナ」


放浪人は構えたしかし焦りはない


冷静だった。


「たかがボロイ翼が生えた鳥人間に俺が負けるとでも」


「言ってくれるねえ」


お互い力を入れ突っ込もうとした時だった。


祭壇の後ろのドアが開いた。


そこには角が折れて全身から血を吹き出している


ミノタウロスの姿。


「あいつまだ生きてたのか」


放浪人は驚愕した。


「おいおい。ちゃんと倒してくれないとダメじゃねーか困るぜ!」


ザガンはニヤリと笑いミノタウロスに


「おいカシバシ!放浪人とまた戦いな!


俺様は見物してるからよ」


と命令を下した…がミノタウロスは斧を構えたまま動かない


「おい何やってるんだ!早く奴を」


「だまれ!ザガン!」


ミノタウロスは怒鳴り声を上げる。


「よくも俺を操ったな!」


斧を振り上げザガンに襲い掛かってくる。


「覚悟しろ!裏切者め!」


「っち。洗脳が解けやがったか。なら仕方ねえ」


ザガンはミノタウロスより先に一瞬で懐に飛び込む


「ボロボロだがしかたねえ!力を返してもらうぜ」


すると先ほどのグリフォンと同じように腹部に腕を差し込んだ!


「ぐぉ!おのれザガン約束を破りやがって!」


ミノタウロスは苦しそうな表情をしながら


自分の腹部に手を差し込むザガンの体に


掴みかかる。


「なに言ってやがる。約束は守ったぜ


ボロックとまともに戦える力が欲しいという願いをな」


「では何故団を抜けた!」


「あん?何故か?簡単だぜそれは」


ザガンは手に力を入れると


「てめえが小物で飽きたからだよ」


腕を引っ張り腹部から球体を取り出した。


「うごああああ」


ミノタウロスの穴が空いた腹部から透明な液体が


流れはじめた。


するとどんどんミノタウロスの体は空気が抜けたように


しぼんでいく。角も体毛も抜け落ち徐々に人間の顔が見えてくる。


「あれはカシバシ団の頭領カシバシです」


ログがいち早く反応してみせた。


「誰だかわからないが人間だったんだな」


ミノタウロスの体を失っていくカシバシは


かなりやせ細りその場泡を吹いてで倒れた。


ザガンは笑いながら足元に転がるカシバシを掴みかかる。


「クククよく見ておけ放浪人!絶望って奴をよ!」


そのまま球体を飲み込んだ。


そしてまたも先ほどと同様の黒い風!


ザガンの体はみるみるミノタウロスと同じく体が大きくなり


毛深くなっていく!その姿はもう人間から遠く離れれた存在!


「ハハハハハハ!」


地面が揺らぐほどの振動が伝わる。


声も人間ではない獣。


「よう放浪人!随分と小さくなったな縮んだのか」


「……」


放浪人は何もこたえなかった。ニタリと鋭い牙が見える口で笑う。


「絶対的な力の差に絶望したみたいだな無理もない」


ズシンズシンと音をたて細くなったカシバシをぶら下げ


放浪人に近づいてくる。


「最後のチャンスをやろう。俺様につけ」


目の前に立ち止まり見下す表情で笑う。


「生贄のことならよ。こいつを使って代用してやる


この姿なら魔力もかなり増幅している足りない材料は補えばいい」


目の前にダランと泡を吹きながら微かに息をするカシバシを


見せつけた。辛うじてまだ生きているようだ。


「放浪人お前にはこの世界とは違う力がある無論


俺様ほどではないが。その力があれば違う世界の奴らも蹂躙できるぜ」


「違う世界だと」


放浪人が口を開くとニタリと笑う


「ほう。興味あるみたいだな。そうさ俺様はここで違う世界に行く


扉を作っていたのさ。まぁ厳密には空間だけどな」


「どういうことですか」


ログが反応する。


「そもそも違う世界に行く方法は魔法や魔術の力ではない


生物の魂の力なんだよ」


「魂の力…」


「魂もないガラクタに話しても理解できないかもしれないがな」


ザガンがログを罵倒すると逆になった聖杯を指さした。


「あれは魂の力を吸収する道具さ。あそこに


血を違う物質に変換させその中に魂を流しこんでいるのさ」


「どうやってその答えにたどりついたのですか」


「俺は勉強家なのさ。さて無駄話はこの辺にしようや


時間はそんなにないんでな」


放浪人の胸に鋭い爪を置き止まる。


「ここで死か、俺様につくかどっちだ」


「まるで…悪魔だな」


ぶつぶつとこたえる放浪人に爪をねじりこみ


「聞こえねえな。ハッキリこたえろよ!」


睨みつける。


「お前は人じゃなくなった時点でもう俺に負けている」


「あ?なにをばか…」


ドゴっ放浪人はザガンの腹部に拳を差し込んだ!


一瞬のことでザガンはカシバシを手からこぼれ落とし


宙に舞う。


「てめえ!いったい何を!」


咄嗟に攻撃しようと爪を振り下ろすザガンだが


放浪人の裏拳で迎撃され粉々に砕け散った。


「何故だ!あの時よりも力が増している!」


すかさず放浪人の拳が連続して飛んでくる


「とおおおりゃぁぁぁ」


連続パンチの応酬。一発一発が確実に部位を破壊していく。


「まだだ!」ザガンは最後の力を振り絞ると


翼を広げ放浪人の拳を躱すと聖杯の上まで飛んで見せた。


「未完成だがここに俺の魔力を注ぎこめば!」


「させるか!」放浪人は階段をかけザガンに飛び込んだ!


やはり向かってきたかと言わんばかりにザガンの目線は


聖杯から放浪人に向かい手を出した!

はじめて一日で1000pv届きました。


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