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森を抜け!歩き出せ!

森に鹿に似た大きな角を持つ生き物が地面に生える植物を食べていた。

その時!突拍子もなく木の上から獰猛な鳥が大きな鉤爪で鹿の胴体を掴み上げた!

鹿はその爪から逃れようと暴れるが鳥は気にせず空を舞い高度を上げていく

そしてある程度の高さになり鹿も死を感じ取り諦め動かなくなると残酷にもその体を

鋭く尖る木の枝に放り投げた。

鹿の胴体の真ん中は木の枝を貫通苦しみもがきながらも枝から脱出しようとするも木の枝から

とめどなく血が滴り落ちそして数秒後に絶命した。これが自然の厳しさ!

鳥は死んだことを確認すると穴が開いた鹿の胴体をつつき内臓や肉を食し始めた。

そんな油断したのも束の間突拍子もなく炎の塊が渦を巻きながら鳥めがけて向かってきた。

鳥は炎に驚き慌てて翼をばたつかせ空を飛ぼうとするも既に遅く炎が羽に命中してあっという間に

羽が燃え尽き飛ぶことも出来ずに木から落ちてしまった。

地面に落ちた鳥は体をばたつかせ体制を整えようと奮起するも今度は体をとんでもない力で

押さえつけられた。

ギリギリと万力に押しつぶされるような力で締め上げられ、翼が折れ全身からバキバキっと

悲鳴を上げ体から骨が突き出てくる!鳥はカラ柄体を揺らし押さえつけられた力を跳ね除け

よろめきながらも火がついていない木の上まで移動していくと飛び上がった。

するとそのタイミングを待っていたかのように


「今だ!放浪人!」ディアの叫び声が響く


それと同時に木の上から鳥目掛け放浪人が降ってくると


「もらった!」


鳥の脳天を踵で蹴り地面に叩き落とした。

地面に落ちた鳥は砂ぼこりをまき散らしながら白目になり絶命。


「うまくいったな」


地面に着地した放浪人にボロックが駆け寄った。


「ああ。助かった」

「なあにお前の手の変わりを務めると約束したからな!それに俺の筋肉で弱らせるのは造作もない」


筋肉アピールしたボロックはディアに蹴られた。


「なにいってんだ。炎で鳥を落としたあたしのおかげだろうが!」

「た、確かにそうだが。俺の筋肉パワーで奴を弱らせて…」

「余計な攻撃をしてなかったら追い打ちで炎で動きを封じてたんだよ!ったく」


怒るディアを放浪人は肩をすくめた。


「まっいずれにしてもうまくいった。感謝する」

『これも皆さんのおかげですね』


クライアバル王国を目指しながら放浪人はディア達に協力してもらい順調に討伐クエストをこなしていた。


「気にするな同志」


ボロックは親指をたてキランと歯を光らせ。


「これぐらいたいしたことねえよ」


照れくさそうにする頬をかくディア。


放浪人は絶命している鳥にログを近づけクエスト確認をする。


「大ガマドリ討伐クエスト完了しました。報酬は100ローです」

「最後の獲物は上出来だな」


ログはクレジットと表示しその下には300ローと記されていた。


「本当にこれだけでいいのか」


ボロックが訪ねると


「問題ない」


放浪人は包帯を巻いた手を振った。どうやら骨がボロボロになったらしい


「おまえの手大丈夫なのか」


ディアは心配そうに巻かれた包帯を見つめる。


「なにほっとけば治るだろ」

「いやクライアバル王国についたらちゃんと治療させるからな」


放浪人の気楽な発言にあきれながらのため息。

すると焼け焦げた木が前に倒れ太陽の光が差し込み三人を照らし出す。


「あれをみろよ」


ディアが指さしたその先。

草原の向こうに城のような大きな建物と塀が見えた。そうついに森を抜けたのだ。

目の前の草原に放浪人は立ち尽くし目の前にある城壁とその後ろにある城のような建物を眺めた。


「あれがクライアバル王国か」

「ああ!自然の国クライアバル王国さ」


ディアは放浪人に笑いかける。


「クライアバル王国の案内はまかせな。詳しいからな」

「ああ。頼む」


そういい放浪人とディアは手をたたく。


「うむ。では放浪人、我が妹よここまでだな」


ボロックはその場で立ち止まり別れの挨拶。


「そうか。戻るんだったな助かったよ」

『食料を恵んで下さりありがとうございます。ボロックさん』

「さっさと帰れ。くそ兄貴」


放浪人、ログ、ディアはそれぞれ別れを告げ倒れた木の上を伝いながら森の出口から草原を歩き出した。


「あれだけでいいのか挨拶」

「ああ、いいよ。あいつなんて」


放浪人がディアに訪ねると振り向きもせず不機嫌そうに歩いていく。


『ディアさん不機嫌そうですねマスター』

「だな。結局盗賊を辞めるという言葉は一度も聞けてないからな」

『やめるんでしょうかボロックさん』

「ディアとボロック、いまさら家族内の事情に口出すことではない」


すると放浪人たちの後ろから大声。


「放浪人お前のおかげで目が覚めた。俺向き合うぞ!女性と!」


ボロックの声で放浪人は振り向き手を振った。


「それとディア!」

「あっ?」


自分に声をかけられてディアは止まり不満げな顔をしながら振り向く。


「近いうち必ず復学できるようにするからな!お兄ちゃんがんばる!」


手を振るボロックをみてディアは


「お兄ちゃんーー!絶対守れ……てねーー!」


と少しかわいらしく手を振り返した。


「ディアさん…あんな顔できるのですね」


ログがつぶやくと放浪人はログを手で塞ぎ


「野暮はいうな」


首を横に振った。

ボロックは背を向け。


「愛しの妹よお兄ちゃん頑張るからな!」


叫び森で先ほど倒した鳥を肩に抱えすごい速さで森の方に消えていった。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


ボロックが通り過ぎた木の上。

オオトカゲが木に突き刺さり体液を流しながら絶命している。

その隣の木の枝に立ちながら放浪人達を眺めているザガン。


(あそこはクライアバル王国か)


ザガンはオオトカゲの足を掴むとそのまま胴体から引き離しその肉を口に運んだ。


(ククク!少し様子を見さしてもらうぜ!だんな)


口からオオトカゲの血を流しながらザガンは上機嫌に笑った。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


ボロックを見送った放浪人はクライアバル王国に足を向けた。

そういよいよ砂漠を抜け森を抜け次の町に差し掛かる。

新たな場所に放浪人は胸をおどらせた。


「ところでなんで俺と腕組んでんだ」

「今日は機嫌がいいから許せ!」

「歩きにくい…」


放浪人と腕を組み上機嫌に笑うディアに対して若干照れくさそうに歩く放浪人であった。




第2章 完   三章に続く!

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