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ユーギガノス  作者: やませさん
地下世界アストラル編
63/262

第62話 龍老樹の扉

ーーー〈地下階段通路〉ーーー

 

 1階の中央広間の左側の端に、地下に続く階段通路の出入口。3人は地下階段の出入口を潜り、コツコツと足音を響かせ、降る……。


 湿気が漂う為か、天井から雫が、ピチャッと冷たい音を立て、滴る。


 一歩、一歩、足音を響かせると、壁に掛けられている松明から、青炎が自動的に点される。

 地面には魔界軍の兵士の無数の足跡が乱暴に残り、禁忌の地は踏み荒されている状態だ……。

 

「魔界軍の指令は倒したが、まずは龍老樹(ドラグーン)の安否確認からだ。長年、放っておいたから、どうなっているか心配だ……。その次は屋上の広間に設置されている奴らの通信魔力水晶から、魔界(むこう)側に偽の任務完了のメッセージ報告を通信し、コチラとの因縁を断たせる」


 ムジカは説明。

 ゼブラとヴァンは聞いているのか、聞いていないのか……、顔を反らし、沈黙。


(まぁ、いいか……)と、ムジカは首を軽く振り、納得するしかない。

 

ーーーそして最深部にたどり着いた……。


 巨大な扉が威圧を漂わせ、灰色の塵を充満させ、3人の前にそびえる。


 かつて魔界軍の兵士が入ってきた跡か、扉の辺りに鎧の白骨死体が散らばり、周辺には植物の太ツタがガッチリと無数に絡まっている。


「久しいな、この場所は……。しかし、ここまで戻ってくる時間に、無駄な血を流してしまった……」


 ムジカは辺りに散らばる白骨死体を眺め、名残惜しい様子で呟く。

 地下世界アストラルが、塔を放棄した同時に、龍老樹(ドラグーン)の扉は自己封印し、閉ざした。


「この先に、龍老樹(ドラグーン)が……」


 ゼブラは巨大な扉を目を向ける。


「そうだ。この先に龍老樹(ドラグーン)が安置されている。しかし、部外者が中に入ろうとすると、扉からリサの魔力に命を吸収される。再び中に入るには……、ゼブラ、ユーギガノスの剣に選ばれし者であるお前なら、頼む……」


 ムジカは言う。

 龍老樹(ドラグーン)は、自身に危機が迫れば、あらゆるレベルの魔族、人間を消滅させる程の威力を持つ聖属性の自動守護壁(オートプロテクト)を展開している。

 かつての地下世界アストラルの血族ですら、魔界軍の侵攻により、入る事が不可能になった······。

 ユーギガノスの剣に選ばれし者のゼブラなら、龍老樹(ドラグーン)の自動守護壁(オートプロテクト)が受け入れるかもしれないからだ。


「わかった······」


 と、セブラはコクりと頷き、返事。

 少しも迷う余裕はない······。もし、駄目ならゼブラは龍老樹(ドラグーン)の自動守護壁(オートプロテクト)に吸収され、白骨死体になり、一か八かである。


(頼む、開いてくれ······)

 

 ムジカはドキドキとした鼓動を鳴らし、緊迫感を張らし、セブラを見守る。

 額から冷たい汗、セブラの命運はいかに······。


「ーーーーッ!!」


 セブラが龍老樹(ドラグーン)の門に触れた瞬間、門から黄金の光を輝かせ、黄金の粒子が全域に降り注ぎ、心地のよい雰囲気に包まれる······。


ーーーー待っていたぞ、我が子孫よ······。

             

 すると、全域に謎の声が響き渡る······。

 声質は老人の男性······。しかし、初めて聞く声だが、不思議と聞き覚えのある声だった。一体、どうしてだろう······。

 

「今、声が······」


 セブラは思わず驚きの声を上げる。


「どうしたセブラ?」


 セブラの声に、ムジカは尋ねる。


「声だと?、俺には何も聞こえないぞ。寝ボケているのか?」 


 ムジカは言う。


「えっ?······。そんな、確かに聞こえたんだ。ヴァン、お前も聞こえただろう?」


 セブラはヴァンに向き、尋ねる。


「知らん。俺はそこまで危なくない」


 と、ヴァンに冷たく返される。

 ワケの分からん声が聞こえると言う事は、色々とヤバい奴を意味している。


「誰が危ない奴だっ?、誰がっ?」 


 セブラはムキに反論。

 コイツに聞いたのが間違いだった······。  


「止さんか。さっさと行くぞ······」 


 ムジカは仲裁。

 これ以上、いざこざになると大事な所をワシ掴みにされ、止められる。


(おかしいなぁ······。確かに聞こえたんだだが······)


 セブラは納得出来ない様子で頭をポリポリ掻く。

 どうやら、謎の声はセブラだけしか聞こえないのだろうか······。


ーーーーそして3人は封印が解かれた門を潜り、龍老樹(ドラグーン)の部屋に入るのである······。      

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