第47話 マリー対ゼブラ
「やってられないよっ!!」
ゼブラは勝負の逃げ場を探す為、辺りを眺める。
ーーーしかし……。
「ーーーーーッ!!」
広地一帯にはマリーの使い魔コウモリ達が包囲し、戦線逃亡は不可能である。
彼女は意地でもゼブラを逃がさないつもりであり、勝負する気マンマンである。
(ハァ、面倒臭いな……)
ゼブラは嫌々な表情を浮かべ、剣を構える。
こんな外見アウトな露出狂に勝負を仕掛けられたら、ある意味怖いし、面倒臭い。
「もっとヤル気を出しなさいな……。でないと……」
マリーは剣を掲げ、命令。
一匹のコウモリはゼブラに狙いを定め、一直線に突っ込む。
「ーーーーーーッ!!」
ゼブラはギリギリに察知し、回避。
ーーーーすると。
「ーーーーーーッ!!」
ーーーゼブラの後方からだった。
一匹のコウモリは一瞬の噛撃で1本、2本と樹木を貫き、ドスッと音を響かせ、倒壊。
倒壊した二本の樹木の表面には黒の風穴が開き、樹木自体に栄養が無くなり、カラカラに枯渇し、根元から細脆く抜けて倒れていた。
「私のコウモリは、あらゆる養分を吸収し、エネルギーに変える………」
マリーは剣を掲げる。
「勝負に勝たないと、逃げられないわよ。少しでも、逃げる素振りをみせれば、アナタもソノ木みたいになるわよフフフフフ……」
と、マリーは妖艶な笑い声をあげ、枯れて倒れた二本の樹木に目を向ける。
吸血鬼女性にとって、コウモリは使い魔、主人の属性や能力によって、特性が違ってくる。
マリーのコウモリの能力は、接収。養分が流れるモノを吸収し、魔力に変える。
「こーゆー奴、なんか苦手だが、やるしかない……」
ゼブラはマリーの姿に困惑しつつ、鬼神化フェニックスに変身。
「そうこなくっちゃね……。ハァッ!!」
刃に紫光の輝きを放ち、マリーは斬りかかる。
「孔雀鳳凰剣ッ!!」
鬼神化フェニックスは紅炎のスピードで突っ込み、中間距離から炎剣を振るう。
刃の炎の長さは3メートル、直撃すればダメージは大きい。
ーーーー刃が激しくぶつかり合い、光を輝かせる。
「ぐあっ!!」
マリーの剣圧に負けたのか、鬼神化フェニックスは10メートルの距離を、一回、二回と地面に後転し、叩きつけられる。
「コウモリの能力は私の能力、アナタの魔力を剣撃ごと接収して、そのまま返させてもらったわ」
マリーは剣を掲げ、説明。
鬼神化フェニックスの孔雀鳳凰剣を衝撃をマリーの能力で吸収し、接収した力で剣を押し込み、カウンターの一撃を与えた。
「まだだっ!!」
鬼神化フェニックスは立ち上がり、炎剣をドシッと、構える。
「試してあげるっ!!」
マリーは刃に紫光を輝かせ、斬りかかる。
ーーー剣には接収の能力が宿っている。
「ーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスは右側十数メートルの距離を跳び、マリーの剣を回避し、空を切らす。
ーーーマリーは体勢を立て直し、鬼神化フェニックスに目を向ける。
「ーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスは炎剣を振るい、3発の炎の斬撃を放つ。
「接収ッ!!」
マリーは剣を振るい、3発の炎の斬新を吸収。
彼女の剣には3発分の炎の斬撃の魔力が吸収され、紫の炎が燃え盛る。
「ーーーーーッ!!」
マリーの左側から10メートルの距離から、鬼神化フェニックスが体勢を低く構え、突っ込む。
3発の炎の斬撃を放った同時に、移動したのだ。
「そこっ!!」
マリーは剣を振るい、紫炎の斬撃を放つ。
「ーーーーーーッ!!」
駆け走る鬼神化フェニックスは右にギリギリ傾けて回避し、そして至近距離から炎剣を振るう。
ーーーーーギィン。
互いの刃がぶつかり、つばぜり合い。
「ーーーーーーッ!!」
そして互いに離れ、中間距離で相対。
「ーーーーーーッ!!」
マリーは突っ込み、剣を振るう。
「ーーーーーッ!!」
ーーー鬼神化フェニックスはジャンプし、マリーの頭上を跳び越える。
そして着地し、体勢をドシッと立て直す……。
「私のコウモリよっ!!」
マリーは後方の鬼神化フェニックスに狙いを定め、牙を晒した4匹のコウモリを一直線に突っ込ませる。
「灼熱剣っ!!」
鬼神化フェニックスは振り向き、詠唱し、刃身を紅一色の灼熱に染まらせる……。
紅一色に染まった灼熱の剣を振るい、襲いかかる4匹のコウモリ達を斬り伏せる。
ーーー灼熱に斬り伏せられたコウモリは次々と地面に落ち、消滅……。
コウモリ一匹一匹の接収の威力は低くく、鬼神化のパワーには負ける。
「なら、これらどうかしらっ?。死の嵐ッ!!」
マリーは剣を掲げ、使い魔コウモリ達に命令。
ーーーコウモリ達は牙を晒し、鬼神化フェニックスに飛びかかり、一斉包囲。
数は100匹、つまり100匹分の接収の威力が鬼神化フェニックスに降りかかるのである。
マトモに100匹分の接収を浴びれば、魔力と全身の養分を一瞬で吸い取られ、終わりだ。
「ーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスは無数のコウモリに包囲され、黒い竜巻と化した。
鬼神化フェニックスの姿は見えなくなり、安否不明である……。
「他愛もないわね……。少しは骨が立つと思っていたけど残念ね、他を探しましょう……」
マリーは残念な様子を浮かべ、鬼神化フェニックスを閉じ込める黒い竜巻を眺める。
死の嵐に捕まれば悲鳴をあげる暇もなく、吸い取られ、終わった頃にはカラカラの枯渇死体の出来上がりだ。




