第34話 激戦につぐ、激戦…。
「ーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスは紅戦鬼の圧力に力負けし、数メートルの距離に後退。
鬼神化使いのゼブラですら、上位魔族では全てのパワーが違うらしい…。
世界中を探せば、魔族に勝つ人間は数多く存在するが、今のゼブラでは力量不足、そして若い。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は左の長爪を伸ばし、体勢を崩した鬼神化フェニックスを近距離からガシッと掴み上げる。
「クソッ、コノッ………!!」
片手で掴み上げられた鬼神化フェニックスはジタバタと暴れるが、しっかり掴まれ、逃げられない。
このまま握り潰されるのか、早く脱出しなければ、ヤバイ…。
「ーーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は持ち上げる鬼神化フェニックスを地面にドンッと3回、叩きつける。
後ろに振り向き、片手で掴む鬼神化フェニックスを数十メートル後方に投げ飛ばす。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼に十メートルの距離を投げ飛ばされ、鬼神化フェニックスは空中で身体をクルッと回転し、地面に着地。
しかし、ダメージを負い、打ち付けられる痛みが全身に走り、フラつかせる。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は突っ込み、右の長爪を鬼神化フェニックスに振るう。
「ーーーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスはギリギリに察知し、右側、数メートルに跳び、避ける。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は大口を開き、口中から黒曜の1発の炎球を鬼神化フェニックスに放つ。
(ヤバイ…。体勢が間に合わないっ!!)
鬼神化フェニックスは足元をツルッと滑らせ、体勢を後ろに崩す。
「白虎氷結斬ッ!!」
鬼神化フェニックスの後方から、ムサシは氷刀を振るい、黒の炎球に狙いを定め、1発の氷の円月の斬撃波を放つ。
氷の円月の斬撃波は鬼神化フェニックスの横を通過し、黒の炎球に直撃させ、消滅させる。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は雄叫びを響かせ、鬼神化フェニックスに向かい、突っ込む。
「ーーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスの横を通過し、ムサシは突っ込み、氷刀を振るう。
中間距離から紅戦鬼の横腹を一気に斬り抜け、氷撃を与える。
与えられた氷撃に、紅戦鬼の横腹は凍結し、無数の氷棘が痛々しく隆起する。
「効かぬわっ!!」
紅戦鬼はムサシに方に振り向き、右の長爪を振るい、叩き込む。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼の爪撃を、ムサシは右側に跳び避ける。
しかし、爪撃を叩きつける衝撃波に十メートルの距離まで吹っ飛び、ムサシは1回2回と身体を横に回転し、地面に転ぶ。
「ーーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は雄叫びを響かせ、左爪を掲げ、倒れているムサシに突っ込む。
「ーーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスは光速のスピードで紅戦鬼にの前に移動し、中間距離から炎剣を振るう。
「ーーーーーーーッ!!」
紅戦鬼の爪撃に、鬼神化フェニックスは力負けし、後方で倒れているムサシの所まで吹っ飛び、一回、二回、三回と、全身を地面に叩きつけられ、転び倒れる。
「なかなかな倒れ様だな…」
ムサシは軽口を吐き、フラフラになりながら立ち上がり、氷刀を構える。
「そりゃどーも…」
鬼神化フェニックスは立ち上がり、炎剣をドシッと構える…。
強い、第1形態のガープとは強さがあまりにも違い、ダメージを与えても、自動的にスピード回復し、キリがない。
「さっきまでの威勢はどうした?…。俺を倒すのではなかったのか?…」
紅戦鬼は不敵な様子で二人を睨み、大口から黒炎の息を吐く…。
黒の熱圧が全身から漂わせ、一辺の地面の草々を焼き、黒煙を吹きたてる。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
息を切らし、赤面のムサシは氷刀を構える。
胸は爪撃によるバツ字の傷が刻まれ、打ち身の痛みが全身に走り、動くのが精一杯だ。
(クソッ…。ヤバイな…)
隣の鬼神化フェニックスは、ムサシを気にかけ、漂わせる炎圧を弱める。
「クククククッ……」
紅戦鬼は両爪を掲げ、ジワジワと歩き進む…。
状況は、絶体絶命のピンチである。
「ーーーーーーッ!!」
ーーその時、全域に冷たい風が渦を巻き、一辺の草々が一斉に氷結化。
一体、誰が…。ムサシは氷属性だが、冷風を渦を巻かせる程の技術は無いし、動ける余裕がない。
「ーーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は違和感を覚え、足元に目を移した…。
足元には氷棘が一斉に張りつき、パキパキと冷たい音を響かせ、凍結していた。
ジタバタと足を動かすが、ビクともしない…。
「ムダだ…。その氷には、俺の意思が強く込められている。いくら暴れようと、壊れんよ…」
紅戦鬼の後方、十数メートルから、ムジカが両手を地面に押し立て、詠唱し、氷と冷風を一辺に漂わせていた。
上半身は裸、全身には包帯がグルグルと巻かれ、荒い処置具合が事の忙しさを物語る。
完全には回復しておらず、微かに傷口から血が滴っている。
「ムジカさんっ!?」
鬼神化フェニックスは、十数メートル先のムジカを心配な様子を浮かべる。
「ゼブラ、ムサシッ、ありったけの大技を奴に食らわせろっ!!」
ムジカは必死に声を上げる。
「ムジカさんは何て?」
ムサシは尋ねる。
生身のムサシでは、遠い距離から言い放つムジカの声が、聞こえないのだ…。
「ありったけの大技を与えろだとよ…」
鬼神化フェニックスは炎の鎧を翼部、胸部に激しく漂わせ、炎剣の刃に数メートルの炎を燃やし、炎剣を造形化させ、上段に構える。
鬼神化状態では、遠い距離からの声が聞き取れ、視力もハンパない…。
「承知した…」
ムサシは全身に氷圧を漂わせ、円月の刃を造形化させた氷刀を脇に構える。
斬撃波を放てるのは一度だけ、失敗は絶対に許されない…。
「孔雀鳳凰剣ッ!!」
「白虎氷結斬ッ!!」
鬼神化フェニックスとムサシは同時に炎剣と氷刀を振るい、紅と氷の斬撃波を紅戦鬼に狙いを定め、一直線に放つ。
「ーーーーーーッ!!」
紅と氷の斬撃波が紅戦鬼に直撃し、多大のダメージを与え、悲鳴をあげる。
紅戦鬼の背中がパカッと割れ、詠唱陣が描かれた金の核水晶が割れ目から露出し、姿を現した。
金の核水晶が露出した訳、多大なダメージを与えられた事により、肉体維持が不可能になり、防御を放棄し、自動回復に専念する為、金の核水晶が外に露出してしまった。
「やはりな……。間に合えっ…」
ムジカは両手を掲げ、詠唱。
金の核水晶が露出している時間は10秒、いや、もっと少ない…。
一方では、金の核水晶がパキパキと音を響かせ、肉体再生の作業の最中である。
もし、奴が完全に回復してしまえば、敗北…。




