第33話 第2形態、紅戦鬼(ルビーオーガ)
「お前なんかに、負けねぇよ…」
鬼神化フェニックスは全身に炎圧を漂わせ、不敵な笑みでガープを睨み、炎剣を構える。
自身の殺気は、戦う理由であるユリアを思い浮かべ、意識している。
鬼神の恐怖は、とうの昔に捨ててきた…。
「義勇軍、そして皆の為に負ける訳にはいかぬ…」
ムサシは全身に氷圧を漂わせ、クールな瞳でガープを睨み、氷刀を横に構える。
ムサシはムジカが認める義勇軍最強の戦士、彼女には、兵士達、民達の期待が厚い。
だから負けられない…。
それが、二人の戦う理由だ…。
「この俺の殺気に対抗する人間は、キサマらが初めてだ…」
二人の殺気に、ガープは不敵の笑みを浮かべる。
(………………?)
ガープの不敵な笑みに、鬼神化フェニックスとムサシは戦闘体勢に移り、警戒。
「本当の姿を見せてやる…。俺はキサマらを全力を持って立ち向かい、叩き潰すっ!!」
ガープは剣を鞘に納め、身を屈め、詠唱。
足元には円径10メートルの紫の詠唱陣が広がり、全身をブルブルと震わせる…。
ガープの全身は紅に染まり、両脚、胸部、両肩、両腕の筋肉が肥大し、体格変異。
後頭には金色の長髪のタテガミ、額には2本の角、顔形は凄み。両瞳は紅一色に光らせる。
大口には白銀の長牙が禍々しく生え並び、両手には長爪が生え、上半身が重い為、立ち方は前屈みであり、全身5メートルの全身から紫炎の熱圧を広げ、桁違いの魔力を物語る。
(…………………)
鬼神化フェニックスとムサシは、言葉を失う。
第2形態だと…。ムジカですら、見た事や、聞いた事や、感じた事が無い領域だ。
一言で例えると、ヤバイ雰囲気である…。
「何年振りか…。この姿は…」
第2形態、紅戦鬼に体格変異したガープは大口から黒息を吐き、濁った声を響かせる。
(何て殺気だ…。パワーの違いがハッキリと感じてくる…)
鬼神化フェニックスは全身に炎圧を漂わせ、炎剣を構え、奴のビリビリとした気迫に圧されないように、炎の殺気で対抗。
「ーーーーーッ!!」
紅戦鬼は鬼神化フェニックスに突っ込み、中間距離から右の長爪を振るう。
「ーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスはギリギリに察知し、炎剣で受け止めるが、パワー負けし、後方に吹っ飛ぶ。
何てスピードだ…。
変異したのは体格だけではなく、能力までもアップしている。
「ゼブラッ!!」
ムサシは全身に氷圧を漂わせ、氷刀を横に構え、紅戦鬼に突っ込み、奴の左側の数メートルの距離から狙いを定め、氷の円月の斬撃波を3発放つ。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は右の長爪を振るい、3発の氷の円月の斬撃波をパキンと、叩き潰す。
叩き潰した3発の氷の円月の斬撃波が目眩ましとなり、ムサシの姿を見失う。
「白虎氷結斬ッ!!」
紅戦鬼の左側にムサシは一瞬で移動し、数メートルの鋭い氷の円月刀を造形化し、近距離から振るう。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼はムサシに向け、右の長爪を振るい、ムサシの氷の円月刀を破壊。
「何っ!!」
自慢の技を軽々と破壊され、ムサシは驚いた声を響かせ、破壊された反動により、数メートル後退。
1形態を苦しめた戦術が、通用しない…。
「ーーーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は突っ込み、両長爪を振るい、ムサシの全身に斬撃を与え、吹っ飛ばす。
「ーーーーーーーッ!!」
ムサシは10メートル以上の後方に吹っ飛び、一回、二回と転び、地面に叩きつけられる。
与えられたダメージは凄まじく、胸部には紅の爪跡が刻まれ、熱い痛みが全身を走らせる。
「まずは一人だ…………」
紅戦鬼は大口を開き、口中から黒光を輝かせ、ムサシに狙いを定める。
(マズイ…。今のダメージでは、避けられん…)
ムサシはフラフラに立ち上がる。
胴着は土で汚れ、斬撃のダメージが全身に響かせ、マトモに動けない…。
今のムサシは的であり、奴からヤバイ技が来るのは確かであり、喰らえば死ぬ…。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼はムサシに狙いを定め、大口から黒曜の光線一直線に放つ。
「ーーーーーーッ!!」
ムサシは死を覚悟し、瞳を閉じる。
「孔雀鳳凰剣ッ!!」
鬼神化フェニックスは光速のスピードで移動し、ムサシの前に立ち、孔雀鳳凰剣の炎剣を降り下ろし、紅戦鬼の黒曜の光線を一刀両断し、分断した。
分断された黒曜の光線は、一辺の地面を破壊し、炎上し、黒煙を広げる…。
「ゼブラ……………」
ムサシは両頬を紅に染め、鬼神化フェニックスの背中を呆然と眺める。
「大丈夫か?……」
鬼神化フェニックスは振り向き、ダメージを負ったムサシを見下ろし、左手を差し伸べる。
「お前に心配されなくとも、大丈夫だっ…」
鬼神化フェニックスの差し伸べる手に、ムサシは顔を紅く染め、パチンと振り払い、立ち上がる。
素直になれない気持ちが、ムサシの胸をドクンと脈を打ち、締め付け、ゼブラの顔が頭の中に浮かび上がる。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は咆哮をビリビリと響かせ、地面一辺の草々を揺らす…。
「ーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスは全身に炎圧を漂わせ、紅戦鬼に突っ込む。
「ーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は左の長爪に降り下ろし、地面に叩きつけ、詠唱。
地面が一直線に割れ、地面の割れ目から黒曜の尖柱が地面から流れ込み、鬼神化フェニックスに向かい、一斉流撃。
「ーーーーーーッ!!」
前方から一直線に流れ込む黒曜の尖柱に、鬼神化フェニックスは察知し、1つ1つの流撃を潜り抜け、炎圧を漂わせ、一気に駆け走る。
「ーーーーーッ!!」
紅戦鬼は大口を開き、口中から黒い炎光を輝かせ、鬼神化フェニックスを中間距離から狙いを定め、2発の黒の炎珠を口から放つ。
「ーーーーーッ!!」
駆け走る鬼神化フェニックスは中間距離から炎剣を振るい、2発の炎の斬撃波を放ち、2発の黒の炎珠を爆滅させる。
爆滅により、衝撃波が広がり、一辺の地面に熱風が吹きつけ、草々に火の粉が降りかかる。
「孔雀鳳凰剣ッ!!」
紅戦鬼の左側、数メートルの距離に移動し、鬼神化フェニックスは翼部、胸部に炎の鎧を身に漂わせ、2メートルの炎刃を具現化させ、炎剣を振るう。
「ーーーーーーーッ!!」
紅戦鬼は鬼神化フェニックスに向け、右の長爪を振るい、孔雀鳳凰剣と激しくぶつかり合う。
孔雀鳳凰剣の剣撃と、紅戦鬼の爪撃のぶつかり合う衝撃に、黒と紅の雷流がバチバチと一辺に広がる。
「ーーーーーーッ!!」
鬼神化フェニックスは紅の咆哮を響かせ、炎剣をグイグイと押し込む。
「グググググッ……………」
紅戦鬼は対抗し、鬼神化フェニックスをグイグイと押し込む。
対抗し合う衝撃が激しさを増し、紅と黒の雷流がバチバチとした渇いた音を響かせ、20メートル周域に広がり、熱風が吹き荒れ、渦を巻く…。




