43 王国暦407年 拝啓、かつて勇者の幼馴染だったリリーへ
拝啓、かつて勇者の幼馴染だったリリーへ。
いきなりの手紙で驚いた。まだ昔の手紙残ってたんだな。
不安にさせた日々は今でも本当に悪かったと思ってる。本当にごめん。
俺もあの時は本当にもうだめだと思ったんだ。でもそれでも良いと思った。リリーが幸せに生きられる世界を守れるなら、それでも良いって。
爆発の瞬間に女神に掬いあげられて女神の庭で眠り続けて、気が付いたら二年も経ってた。俺も驚いた。
時間はかかっちゃったけど、でも、ちゃんと約束は守っただろう?
リリー。かつての俺の幼馴染、そして最愛の妻。
魔王討伐の褒賞として叙爵された俺に付き合って王都での生活を送ってくれて、ありがとう。
あんなに待たせたのに俺と結婚してくれて、ありがとう。
窮屈な貴族の妻なんてものをこなしてくれて、ありがとう。
俺の子供を産み育ててくれて、ありがとう。
俺を待っていてくれて、ありがとう。
俺と一緒に生きてくれて、ありがとう。
あわただしい生活だったけど、これからは王都の家と爵位は子供たちに任せて、この街で二人でのんびり暮らそう。ここでは勇者としての俺じゃなく、ただのククとしてリリーと共に過ごしていきたい。リリーと居られることが、俺はとても幸せなんだ。
リリー、これまでも、これからも、ずっと愛してる。
元勇者、今はリリーの夫のククより。妻リリーへ、感謝と愛をこめて。




