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見参!スライムハンター  作者: だる飯あん
Part 1. 第2章 追憶のレジスタンス 編
80/290

80. VSフード 1

雄太の笑みを見た赤フードは、両手を広げて肩を竦めながら「フン」と軽く鼻を鳴らした。


「この状況と人数を前にしてもヨユーかよ?流石は”最弱”ダンジョン踏破者サマサマだな、オイ」


後ろにいた黒フードは、あえて「最弱」と言う言葉を強調して雄太へと伝えた。


「”最弱”ダンジョンの踏破者様は、俺らと楽しくオハナシアイがしたいらしいぜ。クックックックック」


次いで、白フードも黒フードと同じ様に、“最弱”と言う言葉を強調しながら雄太を馬鹿にする様に口を開いた。


「貴様・・・」


白フードの近くにいた鬼人は、主を馬鹿にされた事で、白フードを威殺す様に睨みつけた。


「おぉぉ。怖いねぇ・・・それにしてもアレはダメだな。全くもってけしからん」


「あぁ。最弱ダンジョン踏破者様にはマジでもったいねぇわ」


後ろの白フードと黒フードは、フードの奥から微かに覗かせている目で、エルダの身体中を舐め回す様に視姦した。


白フードと黒フードにイヤらしく見られて嫌な感じがしたエルダは、鬼達の横から、3角を描く様に立っている、雄太と鬼達の間へとゆっくりと移動しながら雄太へと向かって近づいて行った。


「おいおい。連れネェなぁ」


「オマエがジロジロと視姦してっからだろぉが。クックックック」


「イヤイヤ、それはオマエだろ?」


「オマエら。目的を履き違えるなよ。先ずは例のモノを頂いた後だ。その後はオマエラの好きにしていいぞ」


赤フードは、白フードと黒フードを諭す様に本来の目的を告げた。


「だってさ」


「って事でぇ〜ー」


黒フードは、言葉を発しながら、身体の横でダランと垂れている両掌へと瞬時に炎を発現させ、


「ー今すぐ死ねや!」


言葉を言い終えると同時に大鬼へと向けて、下手で左右の腕を順に上へと向かって振り抜いた。


ドォォォン!


黒フードがアンダースローで投げつけた炎の球は、後ろを向いて無防備に立っていた大鬼の背中へと着弾し、炎は着弾したと同時に盛大に爆発を起こしながら大鬼の身体を燃えあがらせた。


「先ずはひっとりぃぃぃ」


「不意打ちとか、ヒデーなオマエ。クックックック。鬼畜かよ」


白フードは黒フードの大鬼への不意打ちに対し、楽しそうにイヤらしく笑った。


しかし、爆発して燃え盛っている大鬼に対し、アワアワと狼狽ているエルダとは違い、雄太と鬼人は眉一つ動かさずに赤フードや他の者達へと意識を向けていた。


「オマエもあぁなりたくなかったら、さっさとアレを寄越せ。オマエが持っていると言う事は分かっている。オマエの部屋には“何も”無かったからな」


ギリッ


「オマエラ・・・俺の部屋に」


雄太は赤フードの言葉を聞いて、軽く奥歯を噛み締めた。


「あぁ。マジで“何も無い”部屋だったから、楽に探す事ができたぜ。まぁ、目当てのモノは無かったがな」


「本当、無駄足だったな。“何も無くて”ぶふぅ〜」


「イヤ、ホントソレな。ビックリするくらい“何も無かった”な。クックックック」


赤フードが雄太へと放った言葉に対し、白フードと黒フードは、雄太の何も無い部屋を馬鹿にするかの様に笑った。


「オマエラ。昨日、ハロワのダイバーを襲っただろ?」


「あぁ、アレな。知らん、知らん。って言うか、なんでオマエにわざわざ情報をやんなきゃならねぇんだ?オマエ馬鹿なの?」


「ぶふぅ〜」


白フードは自分達がやりましたよ、と言わんばかりの答えを雄太へと返し、それを聞いた黒フードは、口元へと腕を当てながら笑いが吹き出してくるのを堪えていた。


「そうか・・・じゃぁ、遠慮は無しだな」


雄太は赤フードへと視線を合わせながら、背後にいる鬼達へと向けて端的に命令した。


「オマエラ、殺っていいぞ」


「「御意!」」


雄太の合図と共に、鬼人は瞬時に白フードの元へと移動し、フードを左手で掴んで下へと向けて引っ張り、同時に右の膝蹴りを白フードの顔面へと叩き込んで蹴り上げた。


「シッ!」


ドガッ!


「ぐばぁ!」


鬼人の膝蹴りにより、顔面を蹴られた白フードの鼻や口から鮮血が飛び散る。


白フードの顔面を蹴り上げた鬼人は、一度蹴り上げた後も、その手からフードを手離さず、フードを掴んで白フードの頭を下げさせている状態で、何度も何度も連続して膝で白フードの顔面を蹴り上げた。


ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!


終いには、鬼人が連続して膝蹴りをした事によって、手に掴んでるフードが鬼人の蹴りの威力に耐えきれずに破けてしまい、白フードは鬼人の膝蹴りによって盛大に後ろへと吹き飛び、顔面を血だらけにしながら仰向けになって地面へと倒れた。


ドザァっ


見るも無残な血だらけで潰れた顔となった白フードは、ビクビクと身体を痙攣させており、虫の息の状態となっている。


そして、鬼人が白フードへと攻撃を仕掛けたと同時に、仁王立ちしながら燃え盛っていた大鬼は、鬼人と同様に瞬時に黒フードの元へと詰め寄り、その巨体でもって黒フードの身体へと抱きついた。


黒フードは、大鬼の太い両腕でもって、ミシミシと骨が軋む様な嫌な音を響かせながら身体を締め上げられ、燃え盛っている大鬼と接触した事によって、黒フードの身体は炎によって包まれた。


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!離せっ!熱っ!離せぇぇぇぇぇええええ!あづぅぎぃぃぃぃぃぃぃいいい!」


大鬼の腕力によってギリギリとゆっくりと炎の中で締め上げられた黒フードは、その身を燃やしながら大鬼の腕の中で気絶し、大鬼は燃えている黒フードの身体を周りにいる他のフードの1人へと向かって投げつけた。


「フンっ!」


大鬼に燃えている黒フードを投げつけられた他のフードは、飛んでくる黒フードの身体をサっと軽く躱し、掌から水を出して燃える黒フードを鎮火した。


バジュァァァァァァァ!


黒フードを投げた後、大鬼は身体についたホコリを払うかの様に、パンパンと身体を叩いていとも簡単に炎を消し去った。


「それで、今から、オマエラが色々と俺に教えてくれるって事で良いんだよな?言っとくが、オマエラ全員、ここから真面な姿で帰れると思うなよ?先に手ぇ出したのはオマエラだからな」


雄太は、自分の部屋へと勝手に侵入された事に対してブチギレており、背負っていた黒いバックパックを背中から手元へと手繰り寄せて地面に置き、しゃがみながらゆっくりと両腕をバックパックの中へと突っ込んだ。


「オイオイ。大口を叩いておいて、今更許してもらおうなんて思ってないよな?」


赤フードは、雄太がバックパックの中から何かを取り出そうとしていると勘違いし、周りのフード達もクスクスとかすかに笑いを漏らしていた。


「冗談言うな。オマエらは、勝手に人様の部屋へと無断で侵入したんだ。先ずは、それの償いが先だ。今後、そう言う事ができない様にしっかりと教育してやるんだ、よっ!」


バックパックの中へと両腕を突っ込んだ雄太は、立ち上がりながらバックパックに突っ込んでいる腕を前へと伸ばして眼前へと持ち上げ、バックパックを左右へと無理やり広げて裂くかの様に、外へと向けて勢いよく両腕を左右へと開いた。


「な!?」


雄太によって左右へと裂かれた黒いバックパックは、みるみると形を変えながら雄太の両腕へと纏わりついていき、薄く透けた、赤黒いプルプルとした赤腕へと姿を変えた。


「オマエラくらい、これで十分だ」


バックパックから、いきなり腕へと纏わり付く赤黒く透けているナニかへと変わったと言う、訳の分からない現象を見ているフード達は、まるで、未知なる理解不能なモノを見ているかの様に身体を硬直させた。


「って言うか、隙だらけだぞ?」


雄太がフード達へと言葉を発した頃には、赤腕から伸びた右拳によって、赤フードの左後ろにいた一人が脇腹を横から殴られて体をくの字に曲げながら横方向へと吹き飛んでおり、同時に雄太の後ろへと位置していた一人は、伸びた左腕によって顔面を正面から殴られて、積んであるセメントの袋の山へと吹き飛んで行った。


「な、なんなんだオマエのソレは!?」


瞬時に2人のフードを沈黙させた雄太の赤腕に対し、赤フードは驚愕し、思わず大声を張り上げた。


「なんでオマエにわざわざ情報をやんなきゃならねぇんだ?オマエ馬鹿なの?」


雄太は笑みを浮かべながら、先ほど白フードに言われた言葉をそっくりそのまま赤フードへと告げた。


「って事で、さっさとオハナシ合いをしようか」


雄太は、両腕からニョロニョロと伸びながら身体の横で滞空している赤腕と共に、ゆっくりと赤フードの下へと近づいて行った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お話に勢いがあるところ。 [気になる点] エルダの勢いがありすぎてやや食傷気味 [一言] 今日の雄太さんはかっこいいですね。
[良い点] 面白い! [一言] 毎日楽しみにしてます。更新頑張ってください。
[一言] 情報を抜いたら殺した方が良いね。
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