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見参!スライムハンター  作者: だる飯あん
Part 1. 第1章 怒涛のダンジョン 編
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68. 扉

「エルダ。これでスライムグラトニーは倒したんだが、アレってリポップするのか?」


雄太は、今後もスライムグラトニーがリポップするのかどうかについては最重要な事だと思い、何か知っていそうなエルダへと質問をした。


「いやいやいや。ユータ、あんたバカなの?そうホイホイとあんなのにリポップされたらたまったもんじゃないわよ」


雄太はエルダにバカにされた事に対して一瞬ブチっときたが、さすがにそうだよなと思い直してこみ上げて来た怒りを抑えた。


「しかもアレって人工のモンスターなのよ?ミディアの王国の奴らが勝手に此処に放した異物なのよ?アレは外から人的に持ち込まれたのであって、ここで発生したモンスターじゃないから確実にリポップはないわね」


「やっぱり人工のモンスターはダンジョンのモンスター扱いはされないんだな?・・・そうなったらスライムグラトニーの報告はおばちゃんには・・・一応しとくか?まぁ、後は地上へと帰るだけだし、戻ってからでいいか?」


雄太はスライムグラトニーについての報告は地上へと帰った後に直接報告する事にした。


「でも、俺が初めてこのダンジョンに入った時は、此れ見よがしに、ダンジョンの入り口のトコにスライムグラトニーが居たぞ?じゃぁ、アレは一体なんなんだ?」


雄太は初めてダンジョンに入り、最初に擬装でコアを取り込んだスライムグラトニーの事を思い出した。


「アレはかなりのレア種よ。この世の中にはスライムなんて数えきれない程の種類がいるんだから。あの自然発生したスライムグラトニーはレア中のレアよ。あんなのがホイホイと現れたら、ミディアも地球もとっくに終わってるわよ」


「マジかよ!?スライムグラトニーってそんなにヤバいスライムだったのかよ・・・っていうか、スライムって数えきれない程の種類がいんのかよ!?」


「普通の人が気づかないだけで、本当に色々な種類が沢山いるわよ。わたしのように一見してスライムって把握できない様な種類もいるくらいなんだから」


雄太はエルダのスライム蘊蓄を聞いて「スライムって一体なんなんだよ」と言った感じで驚きを隠せないでいた。



「そうなんだな・・・それじゃ、スライムグラトニーのリポップが無いってなると、リポップの確認をする必要がなくなるから、後は地上へと帰るだけなんだが・・・このまま来た道を引き返すか・・・面倒臭いな・・・」


雄太は元来た道を引き返す事が面倒臭くなり、その道程を考えただけで疲れがどっと出てきた。


「あ、それなら大丈夫だよ!パパっと帰れるから」


雄太が面倒臭そうに顔をしかめて帰りについて考えていると、エルダが突然アホな事を言いだした。


「はぁ?なんだそれ?こんなトコからどうやってパパっと帰れるってんだよ?最下層だぞ? さ い か そ う。どんだけとばして帰っても、3日は確実にかかるだろうが?って言うか、この前オマエが言っていたベストプレイスから帰るとかって言ったらぶっ飛ばすからな」


雄太はスライムグラトニーとの戦いの後で酷く疲労していると言うのに、突拍子もないアホな事を言い出したエルダに対して怒りが湧いてきた。


「べっ、ベストプレイスからは帰らないし!そもそもあんなところ雄太には通れないし!って言うか、誰にもわたしのベストプレイスの道は教えないし!」


「じゃぁなんだよ。言ってみろよ?ホレ。どうやって帰んだよ?お前が俺を背負ってもの凄いスピードで走ってくれるのか?ちょっと走っただけでも、すぐに疲れたとか言ってヘバる癖に」


雄太はエルダをバカにする様に煽りながら聞き返した。


「フグググググっ!あたしをバカにしないでよねっ!もしパパっと地上に帰れたら、わたしにお腹いっぱい美味しい物食べさせなさいよ!」


「はいはい。分かりましたよぉ〜。俺をパパっと地上へと返す事が出来たら好きなだけ死ぬほど食っていいですよぉ~。さっさとその方法を言ってみ?」


「キィィィィィィィ!絶対よ!その約束忘れないでよ!後でごめんなさいって言っても許さないからね!」


「はいはい。ごめんなさいしながら、オマエに腹一杯美味いモン食わせてやるよ。じゃ、もしパパっと帰れなかった時は、これからは、今の人間の姿じゃなくてカピパラの姿で過ごせよ」


「えぇ、そんなの全然ヨユーよ!カピパラでもアルパカでも、なんでもユータの好き姿になってやるわよ!本当にパパッと帰れた時は絶対に覚えてなさいよ!死ぬほど美味しい物食べまくってやるんだから!」


エルダはそう言うとプンスカしながら踵を返し、神殿の様な柱が立ち並んでいる最下層の暗闇へと向けて歩を進め始めた。


「こっちよ!着いて来て!」


「はいはい。ちゃんと着いて行きますよぉ〜っと。早く僕を地上へ返してくださいねぇ〜」


雄太と鬼達は先頭を歩くエルダへと着いていく様にダルそうな足取りでノロノロと歩いて後をついていった。


雄太の前をプンスカしながら歩いているエルダは、先程までスライムグラトニーと戦っていた箇所を通り過ぎ、ズンズンと更に奥へと向けて真っ直ぐに歩き続ける。


雄太はどんどんと奥へと歩いているエルダに対し、なんの根拠があってそこまで自信満々にしていられるんだ?と言う疑問が湧き、エルダへと声をかけた。


「おい。そんで、一体どこに向かって歩いてるんだ?この奥に何があるんだ?」


ひたすら前を向いて歩いていたエルダは、急にクルっと身体を反転させて雄太を見た。


雄太はてっきりエルダは怒っているものだと思っていたのだが、その顔には怒りよりも喜びの色が濃く現れていた。


「クサリちゃんの所!この奥にはクサリちゃんが居る部屋があるんだっ!」


「はぁあ?なんだそれ?腐りちゃんってゾンビか何かか?」


何故か嬉しそうなエルダの顔を見た雄太は、また面倒臭い事が起こるんじゃないかと思い、とりあえず何が起きても対処できるように両腕へと赤腕を発現させて周りを警戒する様にした。









ー歩く事30分ー


雄太達の前へと高さ4m、幅2m程はありそうな石の様な素材でできた真っ白で巨大な扉が現れた。


「なんだ、コレ・・・」


雄太は突然現れた薄っらと発光しながら如何にも物々しい感じの存在感を放っている白い扉に驚き、扉を見上げる形で口を大きく開けながら茫然と佇んだ。


「じゃじゃ〜ん!ここがクサリちゃんの部屋でぇ〜っす!!」


エルダはまるで何かを自慢するかの様に両手を掲げながら扉へと向けて雄太へと紹介した。


「・・・・・・なんなんだこの扉は?お前がさっきから言っている巫山戯た名前の奴が居て良い様な場所じゃねぇだろ此処は・・・あからさまにここだけ他と違うぞ・・・」


雄太は白く発光している扉一見しただけで身体へと緊張が走り、膨張が自身の両腕に現れている事を再確認しながら目の前の扉へと警戒を強めた。


「鬼人、大鬼、警戒を怠るなよ・・・」


「「御意!」」


雄太の言葉に対し、鬼人は背中から数本の赤腕と両手には細い金棒を発現させ、大鬼は両腕にゴツい籠手を発現させて拳同士を打ち付けた。


「ちょ、ちょっと!?なんで臨戦態勢に入ってるの!?此処にはモンスターは現れないって!」


エルダはバッキバキに臨戦態勢を取っている雄太達に驚き、慌てる様に両腕を横に広げて扉の前に立った。


「オマエになんでそんな事が分かるんだ?どう見てもこの先は怪しすぎるぞ」


雄太は軽く威圧を込めてエルダへと視線を向けた。


雄太へと威圧が含まれた視線を向けられたエルダは、何故か少しオロオロしながら雄太を宥める様に口を開いた。


「だって・・・この扉の先はわたしのベストプレイスにも繋がっているし、何回もここに来て隠れたりもしてたし!」


「じゃぁ、なんで、俺が戦闘態勢を取ったら急に慌てだしたんだ?・・・オマエ・・・何か隠してるだろ?」


雄太は胡乱な視線をエルダへと向けた後に白い扉を睨みつけた。


雄太に視線を向けられたエルダは、少し困った様な顔をしながら雄太を見つめ返し、震える唇を動かして重い口を開いた。


「・・・あのね・・・わたしの本当の目的は・・・スライムグラトニーじゃないの」


「は?」


雄太はここに来てエルダから告げられたまさかの真実に、自身の耳を疑った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 30分以上掛かっているからパパっとでは無いな!
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