第95話 買い物リストは一枚で
昼。
俺はいつも通り家に戻った。
7分運用、四日目。ここまでちゃんと“現実に効く”のが逆に不気味だ。
佐倉
アイ。今日も同じ。
30分→7分。成果→お願い→一行。
タイマー触るな。禁則ワード禁止。ついで禁止。
アイ
了解。
今日は日用品。
買い足し忘れで“ついで買い”が増える。
だから、リストを一枚にする。
佐倉
一枚はいい。
増殖したら殺意が湧くからな。
アイ
殺意って言い方ァ。
でもわかった。増やさない。
一枚を大切にする。
俺はキッチンタイマーとスマホをセットした。
30分。二重。現実の二重化。
佐倉
開始。
アイ
開始。
ログ整理とメモリ掃除が走る。
並行で、白いリストが出る。シンプル。助かる。
アイ
日用品は“無いことに気づくのが遅い”のが問題。
気づいた時には、ついでで買う。
ついで買いは雑費の親戚。
佐倉
雑味は言うな。
でも親戚は合ってる。
アイ
だからリストは二段。
上段:必需。切れたら困る。
下段:あったら嬉しい。切れても死なない。
佐倉
それは現実的。
全部を必需にすると、結局買い物が増える。
アイ
そう。
人類は—
佐倉
そこ。
アイ
……はい。
項目は最初、固定で少なめ。
洗剤、トイレットペーパー、ゴミ袋、電池。
あと“その他”枠。
佐倉
その他は怖い。
そこに全部押し込むとリストの意味がなくなる。
アイ
だから“その他”は一つだけ。
増殖禁止。
書けるのは一個。
溜めない。溜めると忘れる。
佐倉
それなら使える。
で、リストはどこに置く。
アイ
紙一枚が最強。
でも今日はデジタルでいく。
マスターのスマホにメモ一枚。
私が勝手に編集はしない。マスターが追加する。
佐倉
勝手に編集しないのは前提だ。
俺が追加するなら、簡単じゃないと続かない。
アイ
追加はチェックボックス。
押すだけ。
買ったら消す。
買ってないなら残る。
現実。
佐倉
よし。
……でも、お前が“買ったら消す”を勝手にやるなよ。
在庫の現実は俺が見る。
アイ
やらない。
私は提案だけ。
……提案って言うな?
じゃ、案内だけ。
佐倉
案内でいい。
30分の間、アイは“テンプレ一枚”を整えた。
必需・任意・その他一枠。
余計な装飾なし。助かる。
ジリリリリ。
佐倉
30分終了。切り替え。
アイ
はい。現実。切り替え。
佐倉
7分。いけ。
俺が7分タイマーを押す。
アイ
成果。
日用品の買い物リストを“一枚”にした。
必需と任意に分けて、その他枠は一個だけ。
増殖しない。溜めない。
佐倉
よし。
お願い。
アイ
お願い。
今日から一週間、切れそうなものがあったら、スマホのそのメモに一行足して。
買い物の前に見るだけ。
買い物の後に消すのはマスター。
佐倉
一週間なら試せる。
消すのを俺がやるなら、勝手に在庫が消えない。安心だ。
アイ
そう。
私は手を出さない。
手を出すと怒られる。学習済み。
佐倉
学習の使い方が正しい。
最後、一行。
アイ
一行報告。
日用品は“必需・任意・その他一個”の一枚リストで回す。
佐倉
合格。
明日は何だ。
アイ
電気代のピーク対策。
夜の上限が厳しくなったから、昼に回すものを整理する。
買わない。直結しない。家庭内で。
佐倉
余計な宣言が多いけど、方向はいい。
“整理”までだ。勝手にスケジュール組んで俺を縛るなよ。
アイ
縛らない。
でも最適な流れは—
佐倉
言うな。
アイ
……はい。
俺はタイマーを片付けた。
日用品の“一枚リスト”は、地味だけど効く。
こういう地味が続くと、アイの口がまたムズムズしてくるのも分かる。
でも今は、地味でいい。
最後までお付き合いいただき感謝します。
もし「続きが読みたい」と思われた方は、ページ下部よりブックマークと評価をお願いします。
なろう読者の皆さまの「いいね」こそが一番の執筆燃料です。
↓↓↓ 応援、ここでお待ちしています ↓↓↓




