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▼おりこうさん

キラキラしたものをキラキラしたひとと、なんにも糸目無く買い占められる幸福に浸って一日は終わった。

家に帰ってもアレクシスはいつになく上機嫌で、食事の席で着替えても、昼に買った黒いタイを身に付けて両親にまで自慢していた。


そこまで喜ばれることをした自覚もなかったが、そんな態度を取られると普段の自分の行いが如何に非道であるかを突きつけられているような気がして思いをめぐらせる。


誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントくらいしか贈らないのがまずいのか?

確かに、アレクシスはそれ以外の時でも気付いたらさり気なく贈ってくれる事が多いかもしれないが、それはアレクシスの趣味なのだからと気にもしなかったが気にした方が良かったのかもしれない。

お土産くらいなら私も渡しているが、アレクシスの場合はちょっとタイミングが違うのだ。

サプライズというか、そういうのが大好きなのだ。アレクシスは。


人生に他人の攻略本が降ってきた時以上のサプライズは早々要らないので、家族にもそういうことはやってこなかったが、こういう、自分がされて嬉しいことをやっているのにスルーされるみたいな状況が重なって断罪ルートに繋がるのかもしれないし、以後気をつけようと思った。

攻略本を読む限り、アレクシスのルートの場合、破滅ルートというようにも思えるけれど。


「…それでね、そのあと帽子を購入した店でディオン夫人を見かけたのだけれど、お店に忘れ物をされたみたいでお店の方が困っておいででね。」

「婚約者の家が見て見ぬふりというのも体裁が悪いから、引き取ってきたんだ。」

「明日にでも僕が届けに行ってくるね。」


こんなにお利口なアレクシスが破滅ルートなんぞ選ばなくていいように、学園に上がったら健全に生きようと固く誓ったが、それまでは好きに生きるため、アレクシスが手引きしてくれるミッチェルの謎を適度に構わせてもらおうと思う。

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