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▼ハート型ウイルス

まずもって、何作かやったことのあるRPGのキャラクターたちの好感度は、普通のことを言っておけば下がることも上がることも無く、真っ当な事を言っておけば誰かしらの好感度が上がりこそすれ、下がることは無かったから、当たり障りなく生きていこうと決めていたのだが、攻略本を読む限りこの世界はそれでは生きていけないように思えた。

まぁ、主人公が自分ではないし、更に言うなら悪役令嬢なのだから良い子ではいられないとは思ったが、主人公でさえ真っ当な事を言っても好感度が下がるキャラクターがいるだなんて、乙女ゲームというのはゾウシノフカイモノデアル。


その中でも勝手に好感度が下がりまくる悪役令嬢の婚約者を存在から切り捨てるべく、私は今から恥を捨てる。


×××


「おとぅさま、ありしあ、おとぅさまとけっこんすゆ♥」


攻略本によれば、6歳からの婚約者とあった。

先手を打てたと思う。突然の娘の発言に目を大きくさせた両親は、すぐに目を細めてデレデレと私を撫で回し始める。


「そぉか〜♥アリシアちゃんはパパと結婚するか〜♥」

「アリシアちゃん、パパが大好きなのね〜♥」

「でもパパはママと結婚しているからな〜♥」

「まぁ、どうしましょう♥」


うふふあははと会話し始めた中に若干戸惑いつつ否定はしなかった。

どうかこのまま、いつまでも優しい世界で生きていくために、婚約者ルートは消しておかなければいけない。


「アリシアちゃんがお嫁に行きたくないなら、いつまでもおうちにいたらいいんだよ。」


の宣言を聞く為に待つ。


「アリシアちゃんがお嫁に行きたくないなら、」


はい、いただきました!


「最高のお婿さんを探さないといけないね♥」

「…え?」

「そうすれば、アリシアちゃんはおうちを出なくていいし、パパとママとずっと一緒にいられるしね♥」


アレクシスの婿入り先も探さなきゃかな?パパったら、まだアレクシスには早いわ!


あははうふふと和やかに会話を進めながら、父が貴族の子息たちの素行調査を執事に滑らかに伝えるのを見て、なるほど、と地雷を踏み抜いた感触に震えた。婚約者には会いたくない。

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