6、sideアイリス・ペンドラゴンの婚約破棄
つおい
「なんて醜い姿なの………」
「ペンドラゴン家の恥部だわ………」
「いくらなんでもできるからと言ってあの見た目ではな………」
「すいません………すいません………すいま…………すいません………すいません…………すいません…すいません…… すいません………すいません………すいま…………すいません………すいません…………すいません…すいません……」
「謝れば済む問題ではないのよ!!」
「アウッッッーーー!!!??」
………奴隷になる前の記憶は数年前に遡る、走馬灯の様に頭を巡るそれは、蔑称と嘲笑から始まる、実の母に謝罪を嵐のようにぶつけるが………許されない、許されるわけがない、顔を殴られる。
「ペンドラゴン家始まって以来ッッッーー、一番の神童が聞いてッッッーーあきれッッーーるわッッッーー!!」
「ごめッッッーーなさッッッいーーすいまッッッせんッッッーーガハッッ」
「ふざけないでよッッッーーー醜いッッッーーばけッッッものッッッーー!!」
「ガハッッーーゴフッッーースッッみッッまッッガハッッーー」
言葉で責められ、罵倒の言葉尻の最後は言葉だけでは済まず顔を殴られる、何度も……何度も何度も何度も何度も何度も、私は謝罪することすらできず、謝罪は短い悲鳴へと変換される……
今まで死ぬ気で頑張ってきた、ダンスの稽古、礼儀作法、勉学、ありとあらゆることで一番を取れるよう頑張ってきた、確かに辛かったが、苦ではなかった、結果を出せば母様や父上が褒めてくれた、なんでも好きなもの買ってくれたり、何処へでも連れってくれた、血反吐を吐いて、手足が折れようが、出来るまで頑張りさえすれば私は幸せになれる、ずっとずっと、幸せになれる………とそう思っていた。
体から歯車や鉱石が生えてくる奇病に罹る前までは………その瞬間態度は一変した………全員手のひらを返すように罵倒、嘲笑、蔑称………私の最後の希望は婚約者のアルフレッドだけだ………彼だけは態度をかえなかった………会いたい………早く彼に会いたい………。
「ハァッッーーハァッッーーーハァッーー、あんたの顔を見てるとむかつくわ!!!、とっとと消えなさい!!」
「ッッッーーガハッッーーー??!!!!」
母は私を殴っても少しも機嫌は治らず、むしろイライラが増しているような気さえしてくる、トドメとして床に這いつくばっている私の腹に蹴りを入れてそのまま二階の窓から叩き落とされる、瞬時に受け身をとるも衝撃を吸収できるわけもなく……短い悲鳴をあげて
、その場に蹲る………。
「……………うぅぅぅぅぅッッッーーーー」
体というのは正直なもので母という脅威から遠かったと思ったら、気が抜けて涙が流れ始める………嗚咽を漏らしながら泣き続ける私。
「何をそんなに悲しんでいるのかな、アイリス」
「ア、ーーアルフレッド!!、来てくれた………の……ね?、だ、誰なのその横の女性は……」
「僕の新しい婚約者さ」
「ーーーえッッッッ?」
「すっっごーい、アル様のいう通りものすっごく醜い化け物ね〜」
「………え?、私……との……婚約……は?」
「そんなもの破棄に決まってるだろう、マーガレット」
「アッッ♡ダメです、アル様♡、こんな所でアンッッッ♡、化け物も見ておられます♡」
「見せつけてやればいいじゃないか、君は気持ちよくなることだけを考えていればいいんだよ……」
「…………そっか……ここが地獄か……」
アルフレッドとマーガレットとやらの男女の愛し合いが目の前で始まる、ねっとりとした触れ合いを見せつけられ、私は真実にたどり着いた。
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「よし、ここが俺の家だ、俺の名前はエクティスウォーカー、ヨロシクな…………えーーと……」
「アイ…リスペ……ンドラゴン……」
「そっか、じゃあ改めてよろしくな『アイ』」
「ア………い?」
「アイリスペンドラゴンなんて長いからな、今日からお前の名前はアイだ、どうせその名前お前を奴隷に売った奴らがつけた名前なんだろ?、ならそんな名前呼ぶのもあんまりいい気分しないし」
家族に痛めつけられたせいか、それとも痩せすぎてなのか、体に生えてる歯車や鉱石のせいなのか………それともその全てが原因なのか、たどたどしい喋り方なのが痛々しい。
「ありがとうございます…………」
どうやらこの子の名前はアイリスペンドラゴンというらしい、めんどくさいのでアイというニックネームをつける。
「うーーーん、取り敢えず風呂入るか、ひどい格好だ………」
「「あ、エクス帰ってきてたんだ〜♡、ってその子誰?」」
「あ、二人ともちょうど良いところに来てくれた、この子を洗うのを手伝ってあげてくれないか?、男の俺にやられるのは極力嫌だと思うんだよ」
「「いいよ、エクスの頼みなら聞くにきまってるよ♡」」
「………ついでに二人も洗ってこいよ、ご褒美として可愛がってやる」
「「すぐ済ませてくるね♡」」
取り敢えず体を洗わせようとしたところに、二人が家に帰ってきたのでこれ幸いとアイの風呂を手伝ってもらう事にした。
「よし、アイ、君は家事洗濯料理できるんだよな?」
「…は……い…」
「それじゃあ、俺は2階で楽しんでるから夕飯できたら呼びにきてくれ、夕飯は四人分を用意してくれ、それじゃあ行こうか」
「「はい♡」」
その後2階で二人と愛し合う。
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「………夕飯………用意できました………」
「お、そうか、モギーとメリーも食ってけよ」
「「ハァッッ♡、ハァッッ♡、ハァッッ♡、ちょっと休んでからいくね」」
「よし、じゃあ先に飯食おうぜアイ」
「………は……い………」
リビングに移動すると食欲をかき立てられる豪華な食事が所狭しと並んでいる。
「うん、何やってんだよお前?」
「………え?……食事は取らない……ほうが………よろしいですか……?」
「じゃなくて、なんで床で食ってだよ、ほらテーブルに乗せて食え」
「………え?」
「知り合いに床で食べてたら気分悪いだろうが」
「………あり……が……とう……ございます……ご主人様……」
「エクスで良いよ、ご主人様って呼ばれるとなんだかむず痒い」
「………呼び捨てはできません………ですので………せめて……エクスさん……でよろしいでしょうか?」
「………硬いな〜、まぁ………そのくらいなら俺も大丈夫だしな……じゃあそれでよろしく」
「……は……い……エクスさん……」
つおい




