吸血鬼のアヤマチ
子供達は満月をじっと見ている、満月が雲で隠れると子供達の背中から白い羽根と黒い羽根が生えて空に飛び立つ、子供達が雲の中に消えて満月が雲から出てくると月が真紅に染まり赤い光を放つ、足下に目をやると綺麗な花は赤い光を吸収し更に輝きを増させた、さっきよりも花の香りがする。
もう一度顔を上げると子供達が目の前まで来ていてチカが手を差し伸べて何か言っている。
「..................だよ」
何を言っているのかわからない。
「..................だよ」
同じ事を言っているようだがわからない。
聞き取れないままどんどん子供達が遠くに行ってしまう、手を、手を握れば離れない、ミシアは手を出して掴もうとするが足りない、届かないのがわかっていたように高く跳んだ。
差し伸べられた手をギュッと握り他の子達に荒く声をかける、行っちゃダメ!
羽根を生やしたチカが悲しそうに飛んでいってしまう。
手を握っているはずなのにチカは空に消えて行ってしまう。
手で握っていたのは右手に大事に着けているチカが作ってくれたブレスレットだった...。
そこで目を覚ました、実際にはシフルとルミに起こされた、あまりにも苦しそうにしていたから起こされたらしい、正直起こされて良かったと思う、あの夢の先に足を踏み入れると一生後悔するような気がしたから。
チカはまだ起きていないようだ、シフルとルミには見られたが苦しそうな顔をしている所を見せて余計な心配はしてほしくない。
ふと頭に血だらけの子供の姿が過ぎる、なんだろう頭痛も激しい。
不安になってシフルに聞く
「ミカはどこ?」
「ミカは図書館で本を読んでると思うよ」
「他の子達も?」
「え?」
「だから...リクやルナ達も?」
「...お姉ちゃん、それ誰の事?僕は知らないよ」
きょとんとした顔でシフルもルミもミシアの顔をじっと見ている。
ああ、そうか、そうだリクやルナを知っているのはチカだけだった、チカが一番最初だもんね...。
実際10人もいない
それは自分のせいで
だから自分より大切で
守って上げなきゃまた同じ事が起こるから。
チカが起きてきた、シフルとルミは嬉しそうに笑っている、笑っている顔が何とも言えないくらいに可愛らしい。
そういえばチカには迷惑をかけっぱなしね、またチカの言う事を聞いてあげないとね。
「シフル、ルミ、チカの看病一緒にしてくれてありがとう、チカは2人と遊んでていいわよ...でも無理は禁物よ」
感謝の気持ちと一言残してミシアは部屋を出ていきどこかに行ってしまった。
はしゃぐ事しか考えていないチカにルミが釘を刺す
「はしゃいじゃダメだよ?」
がっかりしながらもはしゃいでいるチカの顔が面白くて二人共笑ってしまう
気になったの急にルミが聞いた
「ねえチカちゃんリクって誰なの?ルナって子知ってる?」
その問いかけをした途端にはしゃいでいたチカの顔が見る見る内に青ざめていく
「え...?な、なんでルミちゃんが...リクやルナの事知ってるの?」
はしゃいでいたさっきとは比べ物にならないくらいおどおどしている。
「お姉ちゃんがね言ってたの、チカちゃんなら知ってるかな〜と思ったんだけどなぁ...チカちゃん知らない?」
ルミはあきらかにチカの表情が変わったのを気にもとめていない、一方でシフルはチカの隠し事がチカの反応ですぐにわかった。
「あはは、ちょっとわかんないや!ごめんねルミちゃん!」
「そっかぁチカちゃんも分からないかぁ」
すんなり諦めてくれてホッとするがシフルがこちらを睨んでいる、精一杯の笑顔をしてもまだ睨んでいる。
間はあったがチカはシフルに観念したように話し出した。
「ごめんね、嘘...ついちゃダメだよね。
リクとルナ、どっちも知ってるよ。
元々は家族だったんだでもあのときにお姉ちゃんが...」




