勇者修行!
かくしてシリウスは復活を遂げた。
「あれ....今、死んだ母さんと会ってたよ....。まだ来ちゃダメだって....」
うん、それは多分本物だな。
「シリウスっ!よかった!」
ソフィアは起き上がったシリウスに抱きついたが、すぐに顔を赤くして突き飛ばした。
「べ、別に、恐くなんて無かったんだから!仲間がいなくなるのが、ほんのちょっと心配だっただけだし!?」
ツンデレかな?
「そうか、心配してくれたんだね。僕なんかのために、ありがとう」
「『僕なんか』って....ああ、もう、知らない!」
流れる涙を我慢出来ないほど嬉しいのは俺にもよくわかったよ、ソフィアの君?
順調に他の2人も抱きついて終了!
俺よりも純粋にハーレムしてるとは、なんとも言えないことではある。
「師匠!僕を魔王を倒せるまで鍛えてください!父の仇、魔王を倒せるだけの力をください」
突然改まって彼が頭を下げたのは、俺ではなく、バルバロス。
「はは、我が力に感動したか?よかろう、指導はしてやる。ただし、力は自分で手に入れるのだぞ?」
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シリウスの修行は、苛烈を極めた。
「カオスピさん、何かアドバイスはありますか?」
「カオスピじゃくて、アキヒサな。そうだなぁ、朝4時に起きて、生卵を5個飲んでからランニングしろ。 世界チャンピオンも遠くないぞ」
映画で見た、とは言わないでおく。
「生卵ですか....やってみます!」
本当にやるのか.....驚いたなぁ....。
そうして一週間、他のパーティメンバーも修行を重ね、その間に俺は竜王の部屋を直したり、竜王の娘のフレイアちゃんと交流をしたりした。
彼女はいわゆる思春期で、ちょっとめんどくさかった。
「遊んで欲しいのか、欲しく無いのかどっちなんだ!?」
「遊ぶって何!もうそんな年齢じゃないし!でも、まあ?付き合ってあげてもいいけど?」
別に年下好きじゃないけど、懐いてくるので、意外とかわいいやつである。
実際かわいいが。
「カオスピ、何でにやけてるの?」
でも機嫌損ねたハニーの方が面倒だっていうのは秘密。
「こっちの世界では知らんが、我が魔王城なら今のお前らごときでは攻略できんぞ。もっとチームワークを意識しろ!」
朝から晩まで、シリウスたちは修行続き。
魔法使いの子は、ハニーに何か教わっていたし、剣士の子にはMr.デリシャスを呼び寄せてやった。
回復役の子にはクリスタリアをつけてやった。
「こうステッキを素敵に、とうっ!てやるの」
「こうですか先輩、とうっ!」
夜になるとバルバロスとの実戦演習が行われていた。
暗闇の中でも相手と仲間を把握できるように、ということらしい。
はじめは慣れない様子で仲間の間での衝突、というか同士討ちの事故が多発したが、今となっては片目をつぶってでも空間を把握できるとか。
「今よシリウスっ!」
暗闇の中、魔法と剣がぶつかる瞬間の光が点滅し、反射する。
「貫け『聖なる雷』!」
振り下ろされた剣先から雷が轟き落ちる。
「ぐっ......」
大方は弾いたものの、さすがに全ては防ぎ切れず、バルバロスはここで止め、との合図を出した。
「よくやったぞお前たち。これで殆ど言うことは無い。明日、この世界の魔王城へ発つ。今日はよく寝るがいい」
シリウスたちにとって、旅の到着地となる魔王城。
今の彼らなら倒せそうな気がするのだが.....。
「魔王の討伐は僕たちの独力で行うつもりです。どうか手出しは無用でよろしくお願いします」




