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王子と報告会

アルトリウス執務室。


「では、第一回報告会」


中央に座るアルトリウスと


「パチパチパチー」


拍手で盛り上げる魔法使いの男・エリヤ。


「第一回って、今後もあるのか……」


慎也は、眉間に皺を寄せる。



「で、偽物よ。妹との冒険はどうだった?」


「そ、その、王女様は妖精のように可愛らしく「おい、ショタ一号と二号。報告しろ」


慎也の声は強引にアルトリウス遮られ



「報告いたします。偽物さんは、マリナ王女の手作りサンドイッチを食べました」



「続いて、王女様の部屋に招かれました」



中性的な顔立ちの双子が報告。



「こ、こいつらいつの間……ぐえっ」



アルトリウスに襟元を掴まれ



「貴様……よくも妹を、穢してくれたな」



剣を突きつけられる。



「オ、オレは誘われただけで……違うんです。本当に」


何もありません、と慎也は必死に命乞い。


「そこで本を渡され、びーえるマンガを描いて欲しいと言われていました」


髪が外に跳ねた双子の片割れが報告。


「アルマ、カルマ。よく頑張りました」


「けっ、いつまでも子供扱いしやがって」


髪が外に跳ねて口の悪い方が、アルマ。


「はい、これもエリヤ先生の教えのおかげです」


穏やかで真面目そうなのが、カルマ。


「すみません、アルトリウス様の命令で透明の魔法を使ってマリナ様と貴方の様子を監視させていました」


エリヤから、事情が説明される。


「……」


アルトリウスは手を話すと



「貴様、あの本を読んだのか?」



「ゴホッ、ゴホッ……は、はい」



咳き込みながら、慎也は頷く。


最近、騎士達の訓練を見に行っては何かを夢中で書いている。

見せて欲しいと頼んでも「兄様はダメです」と言って逃げるように去っていく。



「心配した余は、マリナが出かけている間に忍び込んでその本を読んだ」



「……最低ですね」



慎也のツッコミを無視して、アルトリウスは話を続ける。



「あの本、男しか出てこないのだ」



しかも恋愛もののようだ、と深刻な表情。


「だが、貴様には自ら打ち明けたのだろう」


アルトリウスは溜息をつくと


「兄としては複雑だが、仲良くしてくれるとありがたい」


「は、はぁ……」


ふざけた王子だと思っていたが、妹思いの兄貴だった。


用意された客室へと向かう途中


「ああ、向こうで行方不明とかになってなきゃいいけど」


母さん心配してるだろうな、と慎也は呟く。


「おそらく、時間はそんなにたっていないでしょう。一ヶ月後に貴方が戻っても、げーむとやらを買った帰り道に戻されていると思いますよ」


穏やかな口調で、エリヤが言った。



「それを聞いたら、ちょっと安心しました」


懐から取り出したラブメモ・ヒストリー。


(説明書でも読んで、気分でも紛らわせるか……)



「よかったら、それを貸してもらえませんか?」



こちらの技術でなんとか出来るか試してみましょう、とエリヤ。



「前に東の国に言った時、似たようなの見たことがあります」


画面に映った緑髪の少女に、デレデレと男が話しかけていた。



「ま、まさかこの世界にギャルゲーが……」



王女様が腐女子だったくらいだ、希望はある。



「エリヤ先生、ヨーコちゃんをよろしくお願いします!!」


ラブメモ・ヒストリーのディスクを掲げ、慎也は深々と頭を下げた。













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