堂島隊対スカルヘッド・1
(………「俺が死んだ……」とか……勝手に思ってんじゃ……ねぇだろうな………?勝手に……殺すんじゃねーぞ………)
「!南沢さん!!」
無線機から、南沢の声が聞こえた。幸い、どうやらまだ息があったらしい。
しかし無線機から聞こえた声は酷く弱々しく、1つ1つの言葉の間には長い間隔が空いている。
時折聞こえるフゥー、ヒュー、という呼吸音も、南沢の状態の深刻さを物語っていた。
(南沢……、それで、無事なのか………。いや、動けるか?)
堂島が南沢に尋ねる。
(………はっきり言うと……難しいすね……。横腹にデカイ穴開けられました……。血が止まらねぇんで………俺はもうちょいで………死ぬと思います)
「………そんな……」
(………そんな落ち込んだ声出してんじゃ……ねぇぞ口田ぁ……。くそ……たたじゃ死なねぇよ……。堂島さん………、聞いてください。………どうやら俺達は思ったより危険な場所に居るらしい……。)
(?、どういうことだ?)
(地面からいきなり白い………牙みてぇなもんが………飛び出してきやがった。それに横腹にでけぇ……風穴開けられた……。……多分……スカルヘッドの野郎の能力だ………。ここら辺一体の地中に………そういうやつが所々仕掛けてあるはずだ………。気ぃつけてくれや………)
(………わかった、報告感謝する)
(………はっ、すいませんねぇ………盾役の俺が真っ先に死んじまって………)
その声は、今までより一段と弱々しく、どこか泣きそうな、そんな声。
口田は南沢にとって、「誰も守れず、真っ先に死んでしまうこと」が一番の恐怖だと言っていた話を思い出した。
今は、まさにそれだ。
南沢は、今間違いなく、恐怖の中に沈んで行っているのだ。
「あの………大丈夫ですから………!」
(………ああ……?)
「僕は……!南沢さんが居なくても死にませんから!!絶対!五体満足でスカルヘッドをぶった押して見せます!!」
口田には、そんな事はできない。
自分が死ぬより、人が死んでしまうことを心配する。
そんな無口で、目付きが悪くて……しかし後輩の質問にはキッチリ答え、とても優しい先輩を。
恐怖の中で死なせるなんて………そんな事は、口田には出来なかった。
堂島とも、月島とも違う。
まだ掃除人成り立ての、ヒョッコだとしても。
言わずには居られなかった。
(………はっ、ははっ………)
無線機の向こうの声は、笑っていた。
(………はっ、まぁ……頑張れや。………堂島さん達もぉ……口田がここまで言ったんだ、気合い……れて……くださ……い……よ)
そこまで言った時、完全に南沢の声は、聞こえなくなった。
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