#9 堂島隊 〜島根~
日田がテレビで堂島の存在を知った時、その堂島は既に、同じ「掃除店」の仲間3人と共に島根に降りたっていた。
「ぐっ……くーー、やっぱり長時間座った体勢だと体がバキバキになるなぁ!月島!」
堂島はたくましい体を勢いよくひねり、後ろに付いてきていた仲間達の中の月島と呼ばれていた男性に言う。
「堂島さんだけじゃ無いですかそれは。……おっと、来た来た」
月島と呼ばれた短い髪で金髪の男性は、ゲーム画面に視線を落としたまま、素っ気なく堂島に答える。
「………しっかし、東京と違って空気が上手いなぁ!やっぱり町中に沢山木があるからかな!?なぁ、けいご!」
堂島はそのまま月島の少し後ろで、月島に隠れるようにしてついてきてきた、少し猫背で右目が伸びた髪で隠れた青年に言う。
「……さぁ、町中についてる空気清浄機のおかげじゃ無いですかね」
けいごと呼ばれた青年は、下を向きながらボソッと興味無さげに答えた。
「………なぁ、お前ら。いくら仕事だからっつてもせっかく島根まで来たんだからさぁ……。もうちょっと楽しもうぜ?……なぁ、口田」
「は、はい!そうですよね!」
口田と呼ばれた背の低い青年は、小さな目をシパシパと瞬かせながら、あわあわとした様子で答える。
「………おい、お前ら。1番の新人が1番俺の問いかけに真面目に答えてくれたんだが。これについては何も思わんのか?」
「口田君。あまり真面目にこの人に付き合うと疲れますよ。適当で良いんです。適当で」
「あ、すいません。空気清浄機ありませんでしたわ」
「ちょっ……お前らぁ!!マジでっ!マジでそういう態度取るのはやめた方がいいと思うよ!!あーわかった!もう給料減らすから!うち結構お客さん来てるから!!お金節約できて良いわー!!」
「うちの店堂島さんが色んな人に来てもらいたいからって依頼金バカ見たいに下げたから、お客さんはたくさん来てますけどうちそんなに金ないんで。これ以上俺達の給料下げようがないですよ」
「そうだったぁぁ!!ちっくしょぉぉぉ!!!」
島根の町中にたくましい男の悲鳴が響き渡った。
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