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エピローグ

 大阪ミナミの、とある場所にある、喫茶「可憐」。

「マイド、オオキニ」

 カレンのたどたどしい大阪弁が、店内に響いていた。

 悟とカレンが、大阪へ帰ってきてから、三日になる。

 志保は、死に損ねた翌日に、匿名で犯行声明と犯行終結声明を出した。

 同時に、人類への警告も忘れなかった。

 そのせいで、今、テレビや新聞、ネットなどでは、大紛糾している。

 あいも変わらず、ほとんどが無意味な論争ばかりだ。

 二人は、三日間たっぷりと東京を満喫した。

 一緒になってから、初めての旅行だった。

 ディズニーランドにもいった。

 つまらなさそうにするかという悟の思惑に相違して、カレンは大はしゃぎだった。

 長く店を休んでいたというのに、開けた途端、大盛況だった。

 連日、カレンのファンが訪れる。

 思う存分暴れられて機嫌の良いカレンに、ますますファンは熱狂した。

「サトル、出かけるわよ」

 もう寝ようかと思ったとき、カレンが意気揚々と言った。

「どこへ?」

「決まってるじゃない。狩りによ」

「おいおい、帰ってから、まだ三日しか経ってへんぞ。東京で、さんざん暴れてきたやないか」

 悟が、呆れた声を出す。

「そrはそれ、これはこれよ」

「まったく」

「男がいちいち細かいことを…」

「気にするなってやろ」

 カレンにみなまで言わさず、悟が後を引き取った。

「ねえちゃん、可愛らしい顔して、なかなかやるやないけ」

 ひと癖もふた癖もあろうかというヤクザが、顔を引き攣らせながら、カレンを睨め付けていた。

 路上には、お仲間が、数人転がっている。

「わたしが、容姿端麗なのは知ってるわ。だけど、あんたなんかに言われると、美貌を冒とくされたみたいで、素直に喜べないわね」

 カレンが、嘲笑を浮かべながら言った。

「やれやれ」

 悟は、心の内で呟きながらも、暖かい目で、カレンを見つめていた。


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