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幼稚記憶霧
日曜日、わたしは家でぼーっとしていた。
その時、悠歩とわたしの幼い頃の記憶を思い出した。
「……さりなちゃあん、たすけて……」
男子にいじわるされてなく君。
すぐ涙を流す、本当にか弱い君。
母性本能をくすぐられてしまうよ……
母性本能がなきゃ、君を見捨てていたかもしれないという、昔の思い出。
「ゆうほ。だいじょうぶ?」
そう言っていつもなぐさめてたね。
たまには、
「ゆうほに何をするの!」
そう言って男子を殴ってたりしてたよね。
……悠歩が殴るとこを止めようとしていた
時もあったね。
「やめてさりなちゃあん!」
今思うと本当に君が可愛いよ。
ね……ね……悠歩。
あなたを守った記憶は忘れやしない。
役目を終えたのかな、そう思うと悲しいけど、記憶をたどって思った。
成長してるんだね……
バカになんてしてない。信じられなくってさ……
記憶の結界で涙が出そうよ……
成長がほほえましい。ほほえみながら
想う。
悠歩、これからも……よろしくとは言えるのかな。今の状況。