3『本当だ!!!!疲れが取れていく!』
「シリーズ装備、ね……その『魂の欠片』とやらの入手難易度は?女神の指輪くらいなら絶対にやらないけど」
「あそこまでえぐくないですよぉ……んー、んー階層によって変わりますけど低層は1時間もあれば15個位だったかな?」
「…なるほど…。でも実際そのダンジョンとやらがあるか、確認したわけじゃないんだよね?」
「まあ、そうですね」
「じゃあ、明日確認をしようか。ちなみにそろそろ回復して、君に負けないようにトレーニングに勤しんでた奴らも護衛復帰出来るらしいよ。あとルイスたちもスキルレベル8になったって」
「ああ、じゃあそろそろ指輪狩りも復活なんですねえ」
「…僕の方はもう終わりが見えているからさっさと終わらせるよ」
良いなあ、こっちは終わりなき戦いだもんね。
まあ魂装備シリーズもなかなか終わりなき戦いだけれどもね。
何せあそこは普通の敵も強くて経験値も美味しい。
なので装備が揃ったころあいでは…次の装備帯の辺りになるなんてこともよくあるのだ…辛いよね。
「よお、いすず。今日はよろしくな!!」
「……よろしくお願いします。随分張り切ってますね、ヤシロさん」
「当たり前だ。今日は1日いすずに着いていくのが俺の目標だ」
数日ぶりに会うヤシロさんは全快ですと言わんばかりの状態で張り切って私について行く宣言をしてきたので……にょきにょきっといたずら心が込み上げてくる。
「……1日だけなんですかぁ?」
「…うっ…」
「あはは冗談ですよ………行きましょう『集中』『炸裂弾』『お宝の気配』…かっ!」
「あ、ちょっと待て!」
祝福の花を握りつぶして……駆け出す。
レベルや性能的には私より上なんですから…情けないこと言わないでくださいよねぇ?
あの後、確認をしたところ……『魂の試練』と書かれたダンジョンはあっさり見つかった。その入場も出来そうで……中には入らず私とシャードさんはルイスさんの所へ行った。
フィールドで狩り真っ最中のルイスさんの元へ。
そこでパーティで狩りをしていたルイスさんのPTに一時的に私とシャードさんが加入して
シャードさんとルイスさんが足を止めて話をしている間は、私が代わりに狩りをしてスキル経験値を稼いだ。
ルイスさんのパーティは幹部が1人、一般のメンバー2人の4人で構成されていて突然現れた私たちにも嫌な顔ひとつせず仲間に加えてくれた。
ルイスより殲滅早いしこのままいてくれても良いぜなんて軽口を叩きながら狩る後ろで、ルイスさんが地面に座り込んでなんか絶望のポーズをしていたなんてことは、私は知らない。
シャードさんが教えてもいいと判断したんだ。私はそれに任せる。
「3時間ですよ、っと」
「っしゃ、まだまだ行けるぜ!」
「休憩は、まあしましょう。2次転職するとやっぱり違いますか?」
「…いや、2次転職よりも心構えだな。俺たちは基本いつでも休めるからこんな連続でぶっ通さなかったからな……肉体よりも精神的にしんどかったので、そこを鍛え直した」
あら、廃人への1歩を踏み出したんですね。
心の中でようこそと言いながら座り込む。
「シャードは今まで何時間も狩り続けてて、狩りに明け暮れるあいつを無茶する馬鹿だと思ってたんだが……まあ、やりたいことは多いからな。持続力は大事だな」
自嘲をこぼすヤシロさんに苦笑を返しながら膝の上に毛布をかけると……それを見たヤシロさんがなぜか哀れんだ眼で「あんたも大変だな」と言った。
「何がですか?」
「それ。竜人は執着が強いから、番の肌を人目に晒したくないんだろ?大丈夫か、嫌なものは嫌って言って良いんだからな」
それ、と言って指さされたのは毛布。
なんのことかと思って
ああ、そういえばシャードさんも肌を出してるとか言ってたなあと思い出す。
「あー……これ違いますよ?毛布にはかけてるだけで疲労回復の効果があるのでこのクッキーと合わせて効率的に身体を回復させてるだけですよ」
「なんだと!!!」
「毛布とか、お風呂とか、甘味とか、疲れが癒されるものは大事ですよ。ポーションでHPが回復しても疲労は回復されませんから……ね…」
「本当だ!!!!疲れが取れていく!」
「………野外でそれはどうなんですか……」
聞いた瞬間、インベントリから取り出した寝袋に入り込んだヤシロさん。
手も足も使えなくなるそれは、どうかと思ったけれど本人が良いならまあいいかとオチをつけ、代わりに周囲の索敵を行う。




