10『いいですよ』
「ゴーレムさん、3次転職も担当しているんですか?」
『ああ。我は転職関連のアイテムを作ることと、転職の手伝いをするのが仕事ゆえな。雷帝も我の作り上げた個体の一つだ』
「おー。じゃあシャードさんのベル君もですか?」
『それは深淵のやつだな。生体はあやつの方が得意ゆえ、我は機械や道具…指輪なども作っておるぞ』
転職、指輪といえば…女神の指輪か。あれもゴーレムさんの作品だったのか。
羽を出して私の周りを飛ぶ雷帝を見つつ…ふむ、と考える。
「指輪って作るの大変なんですか?」
転職のキーアイテムともなれば作成が困難なのだろうか?
だから、全然掘り当てられないのかなという純粋な好奇心だった。
だが私の予測とは違い…帰ってきた答えは真逆のものだった。
『そんなでもないぞ。過去数百年、産まれた人間の数だけ指輪は作り続けておるぞ。むしろ雷帝のような分身体の方が作るのは大変だな。転職者も増えてきたし今後は忙しくなりそうだな』
忙しい、と言いながら楽しげなゴーレムさんの発言にちょっと待てと言いたい。
数百年分の、人間の数だけ作っている…?
あのマップに、それだけの数の指輪が埋まっているとはとても思えない。
口元に指を当てて、ふむと考え込む。
マップに埋まっている最大個数などの上限があるのだろうか。
もう少し難易度を落としてもいいんじゃないかと思えるほどの、あの採掘難易度。
私みたいな高レベルが出向けばそこそこ掘れるけれど…それでも全人口分なんて、とても無理だ。
『そうだ、使徒よ。少し使いを頼まれてくれぬか』
「ん?いいですよ?」
『せめて内容は聞かぬか?まあ我としては助かるがの。今月分の指輪を、海の女神に届けるついでに女神の様子を見て欲しいのだ。最近管理者たちの会話にも出てこんので心配でな。もし余裕があったら花でも持って行ってくれると嬉しい、彼女は華やかで美しいが、海の中には花が咲かないから…きっと喜んでくれるだろう』
即答したため少し呆れられたようだが……1000個を超える指輪が急に目の前に出てきて、慌ててインベントリにしまってキョロキョロと辺りを見回す。
人はいないようだったが……4桁の数の女神の指輪を持っているのはさすがにプレッシャーが重い。
「わかりました。先触れは頼んでもいいですか?」
『うむ、迎えをよこすよう頼んでおこう。ちなみに報酬としては少ないが指輪を15個持っていくが良い……使徒たちは今後使うであろう?』
さらにそれとは別に15個の指輪を出されて……たしかに今後指輪はいくつあっても困らないので受け取っておく。
そんな感じで私の3次転職はおまけでお使いを頼まれたがあっさりと始まった。
ここからは分身を育てていく。
分身と1日過ごせば1ポイントが貯まり、2000ポイントが貯まれば転職が可能となる。
わあ、5年半だね☆
もちろん5年半の期間を縮めることもできる。
分身には1日1個だけ『学習』アイテムをあげることができる。
あげられるアイテムはそれこそ岩からポーションまでなんでも分身体に使うことができるが……基本的に手に入りやすいアイテムは全て1ポイントにしかならない。
この時点で手段を選ばなければ3年かからないほどまで期間を短縮することができるが、当然1ポイント以外のアイテムは存在する。




