第四十六章 ピンクの悪魔かブラックホール
「ところで聞きますけど、近くに他の悪魔さんはいますか?」
とアンナがベルフェゴールに膝枕しながら聞く。
「大体の場所は知ってるから、呼ぶ?」
「ぜひ!」
「うーんと、あっちへ2kmくらいの所かな。」
と、何やら黒い球を指さしながら言う。あれ?あれじゃないことを祈りたい。
「もしや、あの黒い球じゃないですよね...」
「あれだよ、あれが暴食のベルちゃん。周囲のものをとりあえず食べてる。ちなみに一番近い生き物の方へ移動するよ。」
ダイ〇ンかアイツは!行きたくねぇよぉ~!食われたくねぇよ~!
「では移動しよう。」
「「嫌です。」」
「嫌だぁ!」
やっぱり皆行きたくないらしい、うん、多数決で行かないということに。
「あ、アンナちゃんは置いていってね。情報料として。」
「はーい!(喜)」
卑怯だぞ!こっちへ来て俺たちと一緒に戦え!
「行くぞ。」
俺とタノとサルラはロードさんに首根っこをつかまれ(魔法で)、あの黒い球体へと連行された。ちなみにサルラは最後までむなしく抵抗してた。
「作戦を立てよう。僕が料理をするからその間に時間を稼いでほしい。」
「了解。確か一番近い生き物を追うんだっけか、囮は誰にするんだ?」
「セイがいいんじゃない?」
「ちなみに俺の身体は一定以上の衝撃が加わると粉になるからそのまま吸い込まれる。」
とたんにサルラが青ざめていく、ざまぁみやがれ。
「嫌よあたし!」
「「拒否権はない。」」
サルラが一瞬で逃げだす!まあサルラの背中に俺の身体の粉をくっつけておいたから逃げられないけど。
「いやぁぁ!」
「逃がすかボケこらぁ!」
と、頭一発殴った後に胴体を担ぎながらなんとか連れ戻した。
「ところでロードさんは何をやるんですか?」
「あいつの周りを取り巻いている結界をはがす。はがれて攻撃が通るようになったら畳みかける。」
やっぱりロードさんは頼りになるぜ!
「じゃあここで僕は料理する、囮頼むよ、サルラ。」
「うう...(泣)」
「ちなみに食われた瞬間に消滅すると思うから気をつけろ。」
「言わないでよそういうこと!」
ああ、可哀そうなサルラ...因果応報だぜ、やったね!
「ああ、こうなったらもうヤケよ!わぁぁぁぁ!」
おお、黒い球体へと立ち向かってゆくお前の姿は勇敢だったよ。
「あれ?向かってこないわね。」
なぬっ!囮ができていないのか!
「少々バインドで止めておいた、まあもって3分だと思うが。」
「10分で簡単な料理は作れます、残りはサルラが頑張ってくれ。」
俺は危ないので避難しております。
「バインドが切れた!死ぬ気で走れ!」
「ぴゃぁぁぁ!」
はやいなあいつ、100m11秒台くらいか?
「ぜー、ぜー、も、もう無理...」
6分くらい逃げ回ったがついに終わりの時が来たようだな。サルラがどうなろうと知ったこっちゃないけど。




