第四十七話 いっぱい(目に映るすべてのものを)食べる君が好き
しかたねぇ。
「借りるぞ!タノ!」
「り、了解!」
俺はあの黒い球体に向けて自らの身体を爆破させてヘイトを買う。
「こっちだぜ、食いしん坊。」
「...」
あれ~?目向きもしねえぞあいつ!なら俺のなけなしの間食を出すか。(泣)
「ほーれ!ここにうまそうな肉があるぞぉ!」
と俺がタノ特製のチャーシューの切れ端をかざすとたちまち振り向く!(球体だからよくわからんけど)
「そぉーら喰らえ!」
とサルラの逆方向に投げる、マッハで飛びつく!...ってえ!?その速度出せんの!?
「...!」
向かってきたぁぁ!
「タノぉ!早くしてくれぇ!」
「ただいま盛り付け中!」
そんなんどうでもいいわ!
「できたよ!ベーコンとソーセージ!」
「のんきに燻製してんじゃないわよ!」
「三分で煮える鍋があんだろうが!」
あのスーパード天然がぁ!
「!!!!!!!!」
わーお丁寧なドーナツターン。球体は見事に踵を返しタノの方へ向かう。そして球体の中からグラマラスな女の人が出てきた。まあ多分おそらくきっとそうメイビー悪魔だろう。
「いただきまーす!」
と作ってあった500gはあったであろう肉どもを皿ごと口に入れ、器用に皿だけを吐き出し目を輝かせる。
「なにこれなにこれ!おいしー!」
「お、お口に召したようでよかったです。」
「もっとちょうだい!」
「ほかにもっと本格的なものを作りますのでしばらくお待ちを。」
ひとまず助かったか。
「「ところでタノ。」」
「なんだい?」
こいつっ!怒られると思ってないなっ!
「3分で煮える鍋とか食材のストックとかもっと早く作れるものがあんだろうがぁ!」
「なぁに優雅に本格燻製作ってんのよ!」
「!?た、確かに!」
「「確かにじゃなぁぁい!」」
『ゴチン!!』
「いっだぁぁい!」
「アンナも!」
「私もですか?」
「どうせ食いもの隠し持ってるんだから出せばよかったでしょ!」
と、サルラがアンナのポッケに手をねじ込み、大量のタノ印の菓子を引っ張り出す
「こ、これは今日のおやつです!」
「命よりおやつかごらぁぁ!」
『ゴン!(気持ちタノより優しく)』
「ひぃぃん!」
「早く作ってほしいなぁ。(にこにこ)」
「やっべ!手伝うぞ、タノ!」
ロードさんの助力もあり、フルコースレベルの料理が1時間かからずにできた。なお待ち時間にはアンナの隠していた菓子をささげた。今にも泣きそうなアンナだが許さん。
「!(もぐもぐ)!(むしゃむしゃ)!(もきゅもきゅ)」
手当たり次第に料理を口に放り込んでいく、リスかこいつは!そして完食までのタイムは5分ほどだった。
「おいしかったぁ、あ!自己紹介が遅れたね。わたしはベルゼブブ。よろしくねっ!」
「よろしく。あとこんな料理を作れるのは僕ら人間くらいのものだから食べないでくれると助かるよ。」
とタノがやんわり言うとベルゼブブが目を見開いて言う。
「え!?こんなおいしいものを毎日食べてて人間はなんであんなまずい味になるの?それはともかく人間がおいしいものをくれるなら人間には何もしない!むしろ守ってあげる!」
今までで一番単純だなこの悪魔。




