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霊
「あの娘…」
見たことがある。
王室の壁画で。
あの美しい翠の髪、純白のドレス、そして…
金色に光る羽の形をした髪飾り。
「この国の反逆者、アレイファ…。」
アレイファは私たちヤツキィア国を建国した、初代女王。
そして、この国を壊滅にもっていった首謀者。
アレイファが生きた時代は今から3000年ほど前。
今の時代に生きるはずがない。
アレイファは、処刑されたはずだ。
詳しく彼女が何をしたかは教えられていない。
だが、処刑と言われると重い罪を犯したことくらいわかる。
国を壊滅にもっていく。
あの人は何をしたのだろう。
昔のことを教訓とする、その教えこそ教訓であるのに、私は未だ無知のままだ。
私はふと、城内で噂になったことを思い出した。
アレイファをこの城の中で見た…というものだった。
そのあと、小さい革命が起きた。
幸い大事には発展しなかったが、悪い出来事であったのは確かだ。
その時に何度もアレイファを城内で見かけたという。
彼女が災いを持ってきたと言われていた。
彼女を見た。
それは災いが起きる前兆…
「まさか…ね。」
噂よ、噂。
アレイファの霊…魂…
「そんなものに、この国家がゆらがされてたまるものか。」
外を見つめ、つぶやく。
進み続ける馬車。
それと同じように進み続けるこの国。
止まることはない。
歯車は、合わさってしまった。




