~20~
《アラバスタ大峡谷》最深部《紫晶の音響》と名付けられたそのエリアは紫色の水晶が耀く美しい洞窟、洞窟は広くゆうに10m位の高さは有るのではないかというくらい高く幅も同じくらいに広い、奥に進む最中、アルンの家族かはたまた友達か、ハウリングドラゴンの幼竜が洞窟内でじゃれあっているのを見かけ、平和な匂いを感じ心があたたかくなるのを感じながらカノンの目的地であった最深部の更に最深部、マザーハウリングドラゴンの棲む場所へとやって来た面々、アルンはカノンに地面に下ろされた後、マザーの元へとパタパタと飛んでゆくとマザーと首を擦り合わせて再会を喜んでいるようだった、マザーはこちらを見るとゆるりと口を開き。
『行方が知れなくなっていた我が子を連れて来てくれて感謝します人間達よ』
「いえ、私達は何も、その子をココへ連れて来たのは彼女ですから」
カノンの背を叩いてマザーへと紹介する、カノンは緊張しているのか、少し強張った表情をしていた、マザーが再度カノンへの感謝の言葉を述べ、何かお礼をと述べてくれた時、どうしても聞いておかなければならないことがあったタカミヤは、意を決してマザーへと質問した。
「マザーにお聞きしたいのです、最近この山に未知のドラゴンがやって来ませんでしたか?」
『・・・・・・・確かにそちらの白い女騎士殿の言うように、数ヵ月前からこの山に余所者が入り込んでいました、我がブレスをもってしても傷1つ付かない妙な障壁を張る忌々しいものが』
マザーはハウリングドラゴンの女王としての威厳を傷つけられたのか、先程までの温和な声とはうってかわって怖い声を出していた、翻訳魔術が無ければ『ガルルルルルル』としか聞こえないが、怒っているのは理解できる。
「そのモノが今何処に居るか御存じありませんか?」
『ヤツなら昨日の夜、この山を去りましたよ?、あなた達は奴を追っていたのですか?、お止めなさい、あれは竜の姿はしていても中身は全く未知の異形のモノです、そなたたちでも倒せはしないでしょう』
「そうですか、それだけ分かれば充分です、有り難う御座いますマザー」
マザーに礼を言い頭を下げると、ブラック達の後ろへ引っ込む、ブラック達は洞窟内の紫色の水晶を持ち帰っても良いのかどうかをマザーに確認していた、ゲームだったころは採掘不可だったが今は採掘して持ち帰ることが可能なみたいなので、是非採掘して持って帰りたいらしい、マザーはあっさりと許可をくれブラック達は水晶を採掘するためにさっさと走りだして行ってしまう、カノンを促しマザーに一礼して立ち去ろうとしががカノンはアルンと見つめあい。
「みゃぁ~、みゃあ!」
「アルン、お母さんと仲良くね」
マザーに頭を下げると、振り返りゆっくりと歩き出す、アルンの鳴き声が聞こえるが振り返る事無く歩き続けるカノンの顔を見たタカミヤはカノンの頭をポフポフと優しく撫でてやった、必死に堪えながら強がるカノンは涙を眼に溜めながら。
「泣いでな”い”も”ん”、ざびじぐな”い”も”ん”」
「・・・・・」
マザーやアルンの姿が全く見えなくなった所まで歩いてきた途端、カノンの我慢が限界に達した様でダバーっと涙を流しながらタカミヤにすがり付いて泣いていた、数分くらい泣き続けて少しはすっきりしたのか
眼を真っ赤にしながらもようやく泣き止んだ、その頃にはブラック達も水晶を採掘し終わって戻ってきていたので全員で洞窟を後にする。
「そいや、帰りもあの洞窟通るのか・・・」
「いや、帰りはソコの岩影の後ろの所の斜め上に帰り専用の抜け道があるわよ」
「なにそれ、分かりにくい!?」
だが探してみると意外と簡単に抜け道は見つかり木々が生い茂る抜け道を歩いていくこと1時間で、大峡谷エリア入り口のキャンプエリアへと戻ってくる事が出来た、崖上からキャンプエリアへと降りる形になっていたらしく来たときは気付かなかったようだ、ゲームだった頃には一方通行であろうが今ならこの抜け道を通れたのではないかとタカミヤに聞いた所。
「山に入って初日探したわよ?、原理は分からないけど見つからなかったわ」
「ん~、ゲームだった頃はwikiもあったから気にしてなかったが、こうして実際体験してみると意外と何も知らないんだな俺達って」
「そうね、この世界はエルダーテイルそっくりだけど私達はこの世界のほんの少しの事しか知らないのよね」
「難しいな・・・・世界って」
「現実世界でもテロやら肌の色で差別があったりと、何が出来るのか分からない位に複雑に出来てるわよ」
「・・・・・・・・だからかなぁ」
「何が?」
キャンプエリアで夜営の用意をしている仲間達から視線を外して星が出始めた空を見上げたブラックは、自国にいた危険な思想を掲げる集団や旅の最中で聞いた様々な集団の話を切り出した。
「冒険者なんて強さを手に入れちまった性で、世界を自分達の住むに相応しい姿に造り替えよう何てさ」
「・・・・・難しい判定ね、私達が元の世界で使っていた器具を造り出す事も、ブラック達が出会ったその人達との差は無いに等しいと思うわ」
「やっぱそうなっちまうかぁ・・・・・あ~・・・難しすぎて全く分からん俺には無理」
「深く考えなくていいんじゃない?、そう言うのはアキバの腹黒眼鏡君が考えるわよ、私達は私達で護れる人達を護らないと、ブラックは誰を護りたいの?」
「イザベラだよ、俺がゲームに誘ったせいでこんな事故に遭遇してんだし、絶対アイツだけは無事に連れて帰ってやりたい」
「なら、それで良いじゃない、冒険者だ何て言っても人1人に出来ることはたかが知れてるわ」
「あー、そう言われればそっか、それでいいのか」
ブラックはソコで話を切り上げるとキャンプの準備をしていたレディ達の元へ駆け寄りテントの設営を手伝っていた、タカミヤも星を少し見上げ、立ち上がるとカノンの元へ手伝いに歩き出す。
「さてさて、私個人としてはどっちもどっちで大事なモノに溢れてるし、マスターはどっちを選ぶのかしらね」
ボソリと呟くとキャンプの準備を手伝う為に彼女も歩き出す、今を大切にするために・・・・・。
~数日後~
ホームに戻ってきたタカミヤの元に今日も又珍しい客人が訪れた、女性用のスーツに身を包んだ白い神の美しい女性、この街の冒険者連盟会長秘書のシェラザードだ。
「ミヤ居る?」
「おや、シェラさんが1人で来店とは珍しいわね、何かあった?」
「ええ、ちょっと頼みたい事があって」
そう言うとシェラザードは先日この街に出来たブラックハウスの詳細とソコに足しげく通うバカ(オリビエ)の写真付きの調査書を数枚渡してくる。
**************【ブラックハウス】**************
ぶっちゃけ裏風俗、人の多さに引かれ無理矢理タカミヤに引っ付いてきたウィドーの作った店、黒くカードに金色の蜘蛛の巣があしらわれ、巣に絡み付かれたサキュバスのシルエットが描かれた『ブラックパス(会員証)』なる非売品が最近グランセルに出回っている事が発覚、タカミヤが調査させられた時には『金貨150万枚』という大金で闇市でオークションされていた、タカミヤはウィドーに直接問い詰めた所
「私は御飯(性気=マナ)が喰べれる、お客さんは私××して溜まったものを吐き出せる(意味深)んだから一石二鳥じゃないかしら♪」と反省の余地無く、既にブラックハウ
ス顧客数が街の男性総数の※※割に及んでいたので手が出せなかった。
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その店の需要的に仕方がないとタカミヤも諦めていたので気にしない様にしていたが、どうもバカ(オリビエ)がハメを外しすぎたらしく、秘書さんの怒メーターMAXとなったのだろう。
「どうしろと?、店潰したら暴動起きるわよ?」
「お店自体は立地場所の問題等もクリアしているので私も黙認しています、殿方の娯楽としてこういうお店は、まあ、必要でしょうし」
「なら、何で私の所に?」
「私の依頼はコレです」
差し出されら依頼書類を確認したタカミヤは「うわぁ・・・」と思わず叫んでしまう内容だったが請けるしか無さそうだからタカミヤは渋々シェラザードに付いて行く。
~グランセル中央会館地下、錬武場~
既に確保が済んでいたらしくオリビエが目隠し縛られ猿轡で椅子に座らされていた、逃げ出そうとしているのかウゴウゴともがいているが50t鉄球付きの足枷に阻止されていた、シェラがオリビエの目隠しを乱暴に外すとオリビエの視界にタカミヤが映ったことで即末路を悟ったのかよりいっそうもがきはじめるがシェラに踏みつけられ無に終わる。
「ミヤ、DDDSCコースでお願い♪」
「フゴフゴふごー!?」
「ん?、ききたぁい♪」
「フゴフグゴーふ」
「『デッドリー・デストロイ・デンジャラス・スープレックスコンボ』よ♪」
「ふごー!?!?、もがぁ~もがもが~もがぁぁぁぁぁぁ~・・・」
末路を嬉しそうに語って聞かせるシェラに訴えるのは諦めてタカミヤに恩情を求め始めるオリビエ、タカミヤは溜め息1つ付き。
「手加減はするけど、シェラが赦してくれなかったらテイク2あるわよ?」
「ふご~~もががぁ~~」
「さあ、処刑の時間よ!!」
オリビエの涙の恩情訴えも虚しく処刑が開始される、タカミヤはシェラの指定した処刑コンボを実行していく。
先ずはオリビエを『グリズリースラム』で地面に叩き付け、空に放り投げた所で『バスタードスラム』もう一度放り投げ今度は背中側から掴み『ベリィトゥベリィ』を喰らわせ、その勢いで足を奥の地面に着地させオリビエを『コングドロップ』そして再び『コングドロップ』そして『コングドロップ』更に『コングドロップ』も1つオマケに『コングドロップ』泣きの1回『コングドロップ』そして『エレファントスイング』で空に放り投げ、空中でオリビエの足を足で極め超高速回転で地面へと叩き付ける『デッドリークラッシュ』が炸裂する。
ピクリとも動かないオリビエが死亡判定が入り光りエフェクトがおき始めるとシェラザードは気がすんだ様で後片付けをタカミヤに頼んで仕事に戻っていった。
・・・・・・・・・シェラザードが居なくなった後で、オリビエに蘇生魔法を掛け蘇生させると。
「死ぬかと思った、っていうか死んだ、5回くらい死んだ」
「アンタがアホなのよ『ブラックハウス』に通いすぎよ」
「いやはや、♂として一度ハマると止められないんだコレが」
「分からなくは無いけど・・・さすがにシェラさんも怒るわ」
「いやぁ、ミヤっちが予め『セーフティ』を掛けてくれといたお陰で助かったよ」
「まあ、ウィドーを連れて来た責任もあるし、一応」
**********『セーフティ』********************
《施療神官》の特殊魔法
戦闘不能になったあと蘇生可能時間(リスタートまでの時間を増やす)を増やし、経験
点減少(死亡ペナルティの経験マイナス)の数値を減らす、リキャスト《60分》
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オリビエはゲラゲラと笑いながら、気楽な声で言ってのけた。
「いやぁ~、確かに僕が企画した友好モンスターだけどね、人間形態に変身しが彼女があんなにウェロイとは思わなかったんだよね~」
「だからって週に20回も通ってりゃシェラさんに殺されるって事位分かるでしょうに」
「若さって言うのは振り向かない事なんだよ」
「怖くて振り返れないだけじゃない?」
「グサァ!?鋭い」
※ウィドーはサキュバスの能力で人間形態に変身出来る、サキュバス自体はそもそも夢で襲う男性の望んだ姿になれるらしいので、設定として魔法スキルにも搭載されていたらしい。
オリビエの処刑も終わり、タカミヤは錬武場を後にし階段を登り始めた、研究フロア前を通り掛かった所でトマスに呼び止められ、呼ばれるままに案内された場所に向かった先では。
「コレが言ってたアンチウィルス武器?」
「ええ、剣は強度を上げて実用出来る位には仕上がってます、まあ耐久値は使ってみないことにはですが、此方のは改良版のアローですね、ある程度量産しておきましたので遠出もバッチリです」
「銃は?」
「あれは流石に未だですね、あの武器の特性そのままで複製品を作るのは出来ました、あの魔砲銃にその機能を付けるのは未々かかります」
「無理言ってごめんなさいね」
「気にしてません、バグとかウィルスとかに対抗するのは何時だって裏方の仕事ですしね」
「そうね、ヒーローの邪魔をされないように速めに片付けなければね」
「頼みますね」
「ヒーローの舞台を壊さない様に働くのが裏方の役目なんでしょ?、任せなさいな」
タカミヤはトマスから受け取った武器の数々をポケット(マジックバッグ)に仕舞い込み、ジャケットを翻しながら研究フロアを出ていった、伊織やレオン達にホームハウスを任せ遠出するためのアイテムを買い込み、街の門まで歩いてくると見知った顔が大きなバックパックを背負って立っていた。
「あの化け物追い掛けて遠出するんでしょ?、私も行く」
「ったく、ヤッっさんも一言行ってくれりゃあ付いていくっつうの、ヤっさんの国の言葉では何だっけ?ええと」
「水臭いって言うのよ」
「そうそう、それそれ」
「物好きねぇアンタたちも」
カノン、ブラック、イザベラの顔を眺めやれやれと溜め息を付くと。
「先ずは調べから分かったヤツが飛び去った方角、仏サーバーに行くわよ」
「お、海外かぁ、腕が鳴るぜ」
「ええ、頑張りましょう!」
「出~発~!!」
カノンが元気良く上げた合図に相槌をうってそれぞれは次の旅へと歩き出した。




