33話 戦争後の未来…
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ウェイン公国で一晩休んだ後に私は一人でアトラス王国に帰還した。メリッサ達は王国第二騎士団バーツ団長と今後についての話し合いがあるためにもうしばらく残るようだ。もちろんギルトで借りた馬で戻った。戦勝報告は別の兵士が行っているので私はやることはない。多くの兵が死んで悲しいが、とにかく生きて戻れてよかった。
ギルドに馬を返却して宿を借りて休むことにした。戦争であると割り切り、帝国兵を殺したが私の精神は嘘をつかない様でかなり疲弊している。帝国兵であっても親であり、子供がいたかもしれない。勇者を守るために必死に守っていた帝国兵が思い出される。本当に無意味な事をした気もする。翌日は、このままでは軍人としても冒険者としても駄目になりそうな気がして、散歩がてら王都を散策することにした。そういえば昔から散策して気分転換をしていたな。もう駄目なら剣を置いてもいいかも。
宿から出て商業区のメインストリートを歩いて、本屋があれば覗いてみたり、ランチを食べたり、以前私が処刑された所にも行ってみた。ギロチンは用意されてなく、人もいない隠れ家の様な所であった。
「いつまでついて来るつもりですか?」
「…」
振り向けば見覚えのある顔をした白髪になる前の自分がいた。私は眼鏡をしているが、顔はまったく同じである。目を見開いて私の事を見ている。現実を受け入れられないか?
「何か用ですか?用がなければ失礼します。」
サラの横を通り過ぎた。神?にも言われていたが、パラレルワールドの自分にはなるべく会わない方がいい。私もそう思う。すれ違いざまに腕を捕まれた。
「お前は何者だ?なぜ私に…いや勘違いか。お前が私に手柄を譲っているな?目的は何だ?何を考えている?身に覚えのない手柄を譲られる程、落ちぶれたつもりはないが?」
「…」
お前は私だと言いたいが言えない。手柄に関しては今回までである。私はどこかで身を隠すつもりだから。もう剣を持つことに疲れてしまった。
「人違いはやめて下さい。私はあなたの事を知りません。この通り剣も何も持っておりません。観光で歩いていただけです。顔に関しては似ている人はたまにいますよね。私はレミという者です。それでは失礼します。」
手を振りほどき前を向くと、景色に違和感を感じた。長年の経験からか殺意にも敏感になっている。暗く闇を纏った矢が後ろを向いているサラに向かって飛んできた。サラは矢に気付いていない。反射的に前に出て身代わりになっていた。
「グサッ」
鈍い音がして矢が私に刺さった。防具は着ておらず、矢を心臓付近に受けてしまった。地面に膝をついて、前方を見ると変わり果てた姿をした公爵家ザイールがクロスボウを構えていた。
「貴様さえいなければ計画はすべてうまくいっていたんだ。2人仲良くあの世に行きやがれ!」
振り向いたサラがすぐにスラッシュを放ち公爵家ザイールを殺した。その後、私に刺さった矢をサラに抜いてもらったが、どうやら特別製らしく回復ポーションがまったくきかなかった。公爵家秘蔵の魔矢と呼ばれる即死級のものであるらしい。
「なぜ私をかばったんだ。狙いは私だろう。」
目が霞んできた。サラ、あぁ、話がしたい。
「サラ、あなたにこれからたくさんの幸せな事がありますように。あなたを守る為に…私は少しばかり生かされたのです。剣を置いても幸せになれると思いますよ。戦争は終わったのですから。」
サラの頬にあてていた手が地面に落ちた。死体が2つありそれぞれアイテムボックスにしまい、サラは空虚な気持ちを抱きながら王城に戻る事になった。1つは自分に瓜二つの死体、もう一つはクーデターの首謀者である。
数週間後、三国による話し合いの場がアトラス王国にて設けられた。不戦の約定や賠償金の支払いが決められたようだ。さらに北の未開の地への進出も今後三国が兵を出して行っていく事になった。まぁ、私には関係のない話だが…。
私はというと強い引き留めを断り、王女直属騎士団を辞任して、しっかりと万全の準備をしてから冒険者として旅に出ることにした。北の地の先にあると呼ばれるミスリル帝国を目指して…。
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