30話 王国騎士団団長ガードナーを救う
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明日は雨だ。やまない雨はない。
時の腕輪を用いて、王国第一騎士団が王都を出発する少し前、ウェイン公国に向かう頃に移動した。この後の動きがとても重要で、王都の門が閉じる前には戻ってきて、王女を影から助けたい。時の腕輪があるので、大丈夫だと思う。
あまり男爵に馬を借りるのも気がひけるので、冒険者ギルドに行き馬を借りた。餌をいくらか預かり、レンタル料は1日金貨2枚であった。高いか安いかわからないが、騎士の頃はこれよりいい馬をただで割り当てられていたので損した気分になる。
特別何か依頼を受けていないが、冒険者証があれば大丈夫だろうと安易に考えている。王国第三騎士団に協力すると伝えれば感謝されるかもしれない。いずれにせよ協力するのは、王女直属騎士団が来るまでと思っている。
王都から北へ馬を走らせて、1泊野宿して翌日には王国第三騎士団が駐屯する国境線に到着した。王都から帝国領や北の未開の地は割りと近い。まあ、帝国領といっても端であり、帝都は相当離れているが。一度入れば出れないと恐れられる土地の文化に興味もあるが、今はいいだろう。おそらく貴族の権威が相当強いのかな。
以前、私が北の国境にたどり着いた時、既にガードナーは殉職していたので何とか助けたい。ガードナーがいれば、教会騎士団を牽制出来るかもしれない。もちろんバーバラの父親という理由もあるが…。近付いていくと、軍で見張りをしている兵士にとめられた。
「そこの女、冒険者か?これより先は厳戒態勢につき先に進めないので、引き返す様に。それとも依頼か何かで必要なのか?」
「私はB級冒険者だ。此度の蛮族討伐に協力したい。ガードナー団長かガイ副団長につないでもらえないか?」
冒険者証を見せているが、何となく怪しまれている。ギルド証は偽造できないよ。いいから早くしてくれと思う。目の前の兵士の上司と思われる兵士まで来て話し合っている。さらに野次馬の兵士まで集まりだした。おいおい、勘弁してよ。
「何かあったのか?」
「ガ、ガードナー団長、実はこちらの冒険者が蛮族の討伐協力したいそうです。」
「……いいだろう。報酬は1日金貨30枚でいいか?今は猫の手も借りたいくらいだからな。どうだろうか?」
「わかったわ。3日協力するので、先払いでお金は今もらえるかしら。」
「だっ、団長よろしいのですか?いくらB級冒険者とはいえ、見ず知らずの者に協力を仰いで。」
「…構わない。今から頼む。私と共に来てくれ。」
しばらく2人で歩きながら、駐屯地をまわって説明を受けている。この後討伐に出るのでついて行く事になった。
「なぜ、…お前がここにいるんだ?変装しても私は騙せないぞ。」
「協力したいでは納得できないか?ガードナー。金はいらない。私を側近につけてもいいし、軍を貸してくれてもいいぞ。それから、…」
「敵襲!!」
走ってガードナーの後をついていくと、大きな地鳴りが聞こえて遠くから蛮族の足音が近付いてきた。
「全軍、戦闘配備!」
ガードナーの指揮下で私も動く事となった。砦ではなく高台で北の蛮族が来るのを待っている。私はどのタイミングでガードナーがやられるのか知らないので注意したい。
「ガードナー、私が軍を率いて敵の後方を攻めてやろう。このままでは砦が落とされるぞ。」
「頼めるか。サラ!」
500あればいいので、軍を借りて敵の背後に回り込み攻める事にした。ゆるやかな崖を馬で下り、「私に続け!」と声をかけて一軍を率いた。兵士の中には「誰だあいつは?」と思っている者もいるが、声には出さない。団長が認めた奴だからな。団長命令は絶対だし。
「突っ込め!!」
敵の後方を削りとるつもりだ。身体強化発動、スラッシュを放った。味方を減らさずに最大限の効果をもたらしてやる。とにかくスラッシュで致命傷を与えた。中には受け止めた蛮族がいたので、近づいて五月雨斬りを放ち倒した。
「私に続け!」
高台に戻ってきたが、こちらは数人程度の死者と怪我人ですんだ。代わりに敵は1000近くに減って、一時撤退をし始めた。ガードナーをみると深追いしないようだ。その日の戦闘は終わりになった。
夜になり、駐屯地では王国第三騎士団の兵士が見張りをしている。火があるため、辺りは比較的明るい。私はガードナーに何かあるとしたら今夜ではないかと思っている。割り当てられたテントから出て、ガードナーを探していると丁度3人組が前から来て、一人はガードナーであった。
私は影に隠れて後をつけているが、後ろにいる兵士が剣を抜いてガードナーに斬りかかった。
「スラッシュ!」
私が斬撃を飛ばして、不意打ちを防いだが、敵がこちらを向いたので、仕留めそこなった様だ。ガードナーも音に気付いて剣を抜いていた。少しはやるようだ。王国第三騎士団の鎧を着ているが、構えは帝国のものだ。
「帝国流剣術 天の型 時雨斬り」
初めて見たが、雨粒の様な無数の斬撃が私に向かって落ちてきた。いいだろう。本気を見せてやる。敵の技を見てからになるが、関係ない。
「王国流剣術最終奥義 流星群!」
敵の斬撃をのみ込み、無数の斬撃が敵をとらえて吹き飛ばした。ガードナーを確認すると腕から血を流していたが、どうやら無事のようだ。ポーションを投げて渡しておいた。おそらくこいつらは、帝国の間者だろう。相当レベルも高い。
「こちらは問題ない。助かった。感謝する。」
人が集まり出したので、ガードナーの部下に任せて、テントに戻る事にした。翌日は早く起きて、蛮族の侵攻に備えた。案の定、日が出たと同時に動き出した。私は昨日と同様に高台にいるが、兵士の私を見る目が明らかに違う。昨日の活躍と団長ガードナーを暗殺から救ったからだ。
「あの髪の白くて目つきの鋭い人は誰だ?」と噂が立っている。そろそろ軍から離れようかな。高台から戦闘を眺めているが、敵の方が数が多いのでおされている。中央を突き破ってやれば、敵に大きなダメージを与えられる。
「ガードナー、兵を1000借りられないか?中央を突き破り、左右に展開して敵を削りとる。」
「本当に大丈夫か?副団長のガイも行かせよう。何かあれば俺も出る。中央はかたいぞ。敵の主力がいるだろう。」
ガードナーから借りた兵士を500ずつに分けて、なるべく突破力のある兵士を前にした。先頭は私とガイでいく。
「おまえら、今回の戦争で一番重要な戦闘になる。心してかかれ。」
「いくぞ!私について来い。」
結果だけ見れば中央の突破は上手くいき、敵に大ダメージを与えた。300の兵を失う事になったが、敵は3000けずりとった。私だけ中央の高台に戻る前に離脱して、王都に向かう事にした。遠くから王女直属騎士団がこちらに向かって来るのが見えたからだ。後は任せたぞ、王女直属騎士団!
読んで頂きありがとうございます。
残り数話となりますが、最後までよろしく。
完結ブーストを期待しています。
おやすみです…。




