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心渡し  作者: FRIDAY
26/28

26.それからそれから?



 ●



「それで結局のところ、どうなったんですか? その二人は」


 数週間後。

 いつものように、アイちゃんはかなり迷惑そうな表情ながらも聞いてくれる。

 うん、とアイちゃんの正面に居座って頬杖をつきながらも答える。


「最終的には、ね。結論は、まあ出なかったんだよ」

「……何ですかそれ。それじゃあ結局あなたは何をしたんですか。て言うか何がしたかったんですか」


 確かに。それを言われると何とも。

 ただ掻き回しただけにしか、我ながら思われない。


「あーあ……ほんとに、ウチは結局何をしたのかなあ……」


 頬を杖から机に移して、ウチはそんなことをぼやいた。


「……珍しいですね。いや初めて見ましたよ。工藤さんもブルーになったりできるんですね」


 できるんですねって。

 いやまあ、うん。

 実際、結構ブルーだ。

 アイちゃんはため息をついた。


「まるっきり無駄では、なかったと思いますよ。満点ではないにしても、総合的にはよかったでしょう」


 一概に肯定しない辺りは、いかにもアイちゃんらしいけれど。


「アイちゃんも、誰かを慰めたりできるんだね……」

「何ですかそれ。失礼ですね。できますよいくらなんでもそれくらい」


 机に頬をくっつけているからウチの顔は横向きで、今アイちゃんがどんな表情なのかは見えなくて、見てみたい気もしたけれど、結局ウチは顔を上げなかった。

 ひんやりした机の感触が心地よい。



 ●



 

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