26.それからそれから?
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「それで結局のところ、どうなったんですか? その二人は」
数週間後。
いつものように、アイちゃんはかなり迷惑そうな表情ながらも聞いてくれる。
うん、とアイちゃんの正面に居座って頬杖をつきながらも答える。
「最終的には、ね。結論は、まあ出なかったんだよ」
「……何ですかそれ。それじゃあ結局あなたは何をしたんですか。て言うか何がしたかったんですか」
確かに。それを言われると何とも。
ただ掻き回しただけにしか、我ながら思われない。
「あーあ……ほんとに、ウチは結局何をしたのかなあ……」
頬を杖から机に移して、ウチはそんなことをぼやいた。
「……珍しいですね。いや初めて見ましたよ。工藤さんもブルーになったりできるんですね」
できるんですねって。
いやまあ、うん。
実際、結構ブルーだ。
アイちゃんはため息をついた。
「まるっきり無駄では、なかったと思いますよ。満点ではないにしても、総合的にはよかったでしょう」
一概に肯定しない辺りは、いかにもアイちゃんらしいけれど。
「アイちゃんも、誰かを慰めたりできるんだね……」
「何ですかそれ。失礼ですね。できますよいくらなんでもそれくらい」
机に頬をくっつけているからウチの顔は横向きで、今アイちゃんがどんな表情なのかは見えなくて、見てみたい気もしたけれど、結局ウチは顔を上げなかった。
ひんやりした机の感触が心地よい。
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