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独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~  作者: さとう
第十五章 海の国ザナドゥ~二度目のバカンス~
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夏本番!! 鮮血の赤椿

コミカライズ決定!!

 スキューバダイビングの翌日。

 イェランは「じゃ、楽しかった。今日から仕事だからアレキサンドライト商会の所有する建物で寝泊まりするよ」と言って出て行った。

 スキューバダイビングはいい思い出になったようだ。サスケと交代で何度か潜り、カニとか貝とかいっぱい採って網焼きしたら絶品だったぜ。

 そして今、俺はサスケとバレンたちを見送る。


「じゃあ、これから拠点を探してきます。帰りは遅くなると思いますので」

「わかった。別荘じゃなくて拠点なんだな」


 俺が言うと、ウングが腕組みして言う。


「……アオたちが、夏場にここで依頼を受ける理由がわかったからな」

「うんうん。バカンスもあるだろうけど、ザナドゥの冒険者ってビミョーに練度低いんだよね。難易度の高い討伐依頼も貯まるのわかるわ」

「というわけで、来年からはボクたちも協力して、ザナドゥの依頼を受けることにしました。その方が効率的ですし、依頼も早く片付いて遊べますからね」


 リーンドゥ、バレンもいいこと言うぜ。

 というわけで、バレンたちは別荘兼夏の拠点を手に入れるべく不動産ギルドへ。

 バレンたちを見送り、背中が小さくなるころ。


「あれ、オッサン……あいつら」

「ん? おお」


 バレンたちが立ち止まり、見覚えのある四人組と喋ってる。

 そして、何かを話して別れ、俺たちの方へ。

 言わずもがな、ロッソたち『鮮血の赤椿スカーレット・カメリア』の四人組だ。


「おっさん、遊びに来たっ!!」

「……依頼終わった。遊び放題」

「うふふ。アレキサンドライト商会の新商品、日焼け止めクリームも用意しましたわ」

「お昼はバーベキューね。シュバンとマイルズが新鮮な海鮮を買いに行ったわ。もちろんお肉も」

「おー、いらっしゃい。ははは、お前たちが元気そうで安心したよ」


 ロッソたちが合流した。

 家に入り、リビングで果実水でも……と思ったら、ロッソが言う。


「ね、おっさん!! おっさん空飛んでたよね!! アタシも飛びたいっ!!」

「……私も」


 ロッソ、アオがいきなり詰め寄ってきた。

 そしてサスケも言う。


「ま、そう言うと思ったぜ。オッサン、ボートの用意してくるぜ」

「お前、ほんと有能でいい男だな……」


 サスケはボートの用意をしに外へ。

 

「おじさま、お茶は不要ですわ。二階で水着に着替えてきますわね」

「ブランシュ、私にも日焼け止めクリーム貸して。あんたの背中に塗ってあげる」

「ええ、お願いしますわね」


 ブランシュとヴェルデは二階へ。

 ロッソ、アオも二階へ着替えに言った。


『うなあ』

『にゃぁぁ』

「……若いってすげえなあ」


 俺はザナドゥに到着してからずっと涼しいリビングでくつろいでいる、大福ときなこを撫でるのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


 さて、俺も速攻で着替えて……まあすでにハーフパンツの水着だったからシャツを脱いだだけだが……外へ出た。

 サスケがすでにボートを桟橋へ移動させ……ああ、桟橋な。プライベートビーチの端の方に、ボートの乗り降りできるよう大工に依頼して作った桟橋だ。

 桟橋では、サスケが荷物のチェックをしている。


「オッサン、冷蔵庫に飲み物と軽食も入れておいたぜ。ハーネスとパラシュートのチェックも終わった。一応、ダイビング用のセットも用意したけど」

「お前、マジで有能の化身だな……ありがとうな」


 俺がすべきことはなかった。

 サスケもハーフパンツの水着に、アロハシャツの前を開け、麦わら帽子を被っている。

 すると、別荘から……来た来た、水着美少女たちだ。

 

「おっさーん!!」


 ロッソ。新しい水着のようだ。深紅のビキニが似合ってる……気のせいじゃなければ、初めて見たときより胸がデカくなってる気がする。


「……おじさん。サスケ」


 アオは、ワンピースタイプの水着だ。青を基調とした、可愛らしい水着である。


「ふふ。大きな船ですわね」


 ヴェルデは白いビキニにパレオを巻き、麦わら帽子を被っている。

 貴族令嬢の水着ってこんな感じなんだろうな。


「ゲントク。あとからシュバンとマイルズが来るわ。別荘の備品を使ってバーベキューの支度するように言ったけど……いいわよね?」

「ああ。あるモンは何でも使っていいぞ」


 ヴェルデは、フリルの付いたタンクトップビキニだ。エメラルドグリーンが実によく似合っている。

 サスケも、四人を見て「ピュウ」と口笛を吹いた。

 さて、目の保養も済んだし全員に言う。


「され、まずは……こいつを引いてくれ」

「「「「……?」」」」


 俺は、四人の前に四本の枝を差しだす。

 四人は疑問を感じつつ枝を引いた。


「なにこれ、枝?」

「……おじさん、なにこれ?」

「あら? 先っぽに赤い塗料が付いてますわ」

「私のも付いてるけど、なにこれ?」


 俺は、ブランシュとヴェルデに言う。


「当たりはブランシュとヴェルデか。よし、じゃあ最初にパラセーリングやるのは、ブランシュとヴェルデだな」

「「え」」

「まあ」

「え、これクジだったの?」


 そう、クジである。

 なんか順番でモメる気がしたので、最初に何も言わずクジを引いてもらったのだ。


「おっさんんん!! そういうの先に言ってよおおおお!!」

「……おじさん」

「悪いな。船の上で喧嘩とかしてほしくないし。安心しろ、みんな平等にやるからさ」

「「むー」」

「うふふ。ごめんなさいね、ロッソにアオ」

「なんか悪いわね。ふふーん」

「よし、みんな船に乗り込め。サスケ、操縦任せていいか?」

「おう、こいつの操縦ならもう慣れたぜ」


 ボートに乗り込み、さっそく沖へ出発した。


 ◇◇◇◇◇◇


 沖に出ると、多くの船外機付きボートが走っていた。

 速度を競っているのもあれば、スラロームしたり、コース形式で走っているのもいる。

 それに今気づいた……ビーチの方には、野球場の観客席みたいなのが建設されていた。

 ロッソが言う。


「そういや、もうすぐ『ザナドゥ・マリンスポーツ大会』だね。参加はできないけど、めちゃくちゃ面白そうなんだよねー」

「そうなのか。よく見ると……いろんな形状のボートがあるな」


 モーターボートみたいなのもあれば、細長い蛇みたいなボートもあるし、球体のもある。


「……船外機の規格を超えなければ、ボディに関しては指定がないみたい。個人戦、団体戦とチームもあるみたいだよ」

「へぇ~」

「町で聞いた話では、ボディはザナドゥの商会で製造しているようですわ。そのチームが勝てば商会の名が上がる……みたいなことも聞きましたわ」


 要は、商会がスポンサーってことか。

 魔石は七ツ星までが上限で、個人戦、団体戦と速度を競うボートレースから、複雑なコースを走ってタイムを競うタイムアタックレース、さらに個人ボートに乗ってチームで対戦する水上リレーや障害物競争などがある。

 さらに、水中スクーターを使っての水中レースとか、水中でやる球技みたいなのもあるようだ。


「オッサン、そろそろ準備した方がいいかもな!!」

「あ、悪い。じゃあブランシュとヴェルデ、さっそく準備するぞ!!」

「ええ、楽しみですわ」

「空を飛ぶのは慣れてるけど……こういうのは緊張するわね」

「うー、いいなあ」

「……はやくね」


 さて、パラシュートが海面に落ちない程度に速度を落とし、タンデム用ハーネスを用意する。

 形状はブランコみたいなもんだ。パラシュートに固定してあるので安心。


「これに座るようにしてくれ」

「こうですの?」

「ああ、ヴェルデも」

「ええ。よい、しょっと……」

「んで、ベルトで固定……う」


 胸の上でベルトを固定するんだが……目の前にブランシュの巨乳が飛び込んできた。白い胸の谷間がめちゃくちゃ見えている。

 顔を逸らすと、ブランシュがニコニコしていた。


「ふふ、おじさま?」

「えと……す、すまん」


 俺は胸に触れないようベルトをしめる。

 ヴェルデの方もヤバかった。


「……触らないでね。まあ、事故なら許すけど」

「さ、触らん!!」


 絶対に触れないようベルトを固定。

 俺は咳払いをして言う。


「よし。二人とも、この吊革につかまってくれ。それからゆっくりと上空へ送るからな。あと、絶対に上空で暴れないこと」

「わかりましたわ」

「ええ、楽しみ」

「では、空の旅を楽しんでくれ!!」


 サスケに指示を出すと、ボートの速度が上がる。

 そして、コードを巻いてあるドラムに魔力を送ると、ゆっくりと回転。


「きゃっ!? と、飛びましたわ!!」

「おお~、なんか新鮮な気分かも!!」


 ブランシュ、ヴェルデがどんどん上空へ。


「わーお!! 気持ちよさそう~!!」

「……楽しそう」


 ロッソ、アオも、上空へと飛んでいくヴェルデたちを羨ましそうに見ていた。

 かなり上空に行ったな……米粒みたいに小さく見える。


「サスケ、そのまま十五分速度を維持」

「了解。ザナドゥの街並みがよく見えるコースを回るぜ」

「おう。お前、マジで有能の化身すぎるな」


 ボートが走ると、パラシュートも引っ張られ上空を泳ぐ。


「いいないいなあああああ!! 早く飛びたいよー!!」

「……気持ちよさそう」


 ロッソ、アオもワクワクが止まらないようだ。

 それから、ザナドゥがよく見えるコースを十五分走行し、俺はドラムに魔力を送ってコードを巻き戻す。そして、ブランシュたちがボートに生還した。


「お疲れ、どうだった?」


 俺はベルトを外しながら質問すると、ブランシュは。


「夢のような時間でしたわ……空から見るザナドゥ、素晴らしかったですわ!!」

「私、空飛んだりできるけど……なんだか、これって自分で飛ぶのと違って楽しいわ!!」


 二人とも大興奮。

 すると、我慢できないのかロッソが俺の背中に飛びついてきた。


「ブランシュ交換、はやくはやく!!」

「ふふ、はいはい」

「おっさん、はやく付けて付けて!!」

「……こっちも」

「うお、アオいつの間に」


 いつの間にか、アオはヴェルデと交代してハーネスにいた。

 そして、ロッソのベルトを締めようとするんだが、動くせいか胸に触れそうになってしまう。


「おっさん、はやくー!!」

「動くなって。胸触っちまうだろ」

「別にいいよ。ほれ」


 ぐにゅっと掌に胸が当たった!! や、やわらけえ……じゃなくて!!

 俺は高速で二人のベルトを付けてやる……アオ、普通サイズでよかったぜ。言ったら殺されるかもしれんから言わんけど。


「じゃあ、空の旅を楽しんできてくれ」

「「おー!!」」


 ロッソ、アオも大興奮で上空へ。

 どうやら今日一日、ロッソたちに付き合うことになりそうだ。

コミカライズ決定しました!!

マンガボックスさんで、6/30にコミックシーモア独占配信です。

↓に情報あります。リンクから飛べます!

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独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~(1)
レーベル:マンガボックス
著者:比内ハツ
原著:さとう
発売日:2025年 6月 30日
定価 726円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
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― 新着の感想 ―
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