第27話 選ばれた距離と、言葉にした答え
「最後、やろうか」
翌日。
SSランクダンジョン深層。
静かな空間に響く声。
リゼ。
その目は――
完全に覚悟を決めていた。
コメント欄(配信)。
「来た」
「ラスト」
「決着」
俺は小さく息を吐く。
「……やっぱり来ましたね」
リゼは笑う。
「当然でしょ」
一歩、近づく。
「これで終わらせる」
その言葉に。
アリアが前に出る。
自然に。
俺の前へ。
「……いいわよ」
静かに。
だが強い声。
「受けて立つ」
コメント欄。
「女王」
「本命」
リゼは俺を見る。
「ねえ」
「最後に聞く」
距離。
近い。
だが無理に詰めない。
「ほんとにそれでいいの?」
「私じゃなくて」
まっすぐ。
逃げ場のない質問。
コメント欄。
「最終確認」
俺は答える。
「はい」
迷いなし。
「アリアさんがいいです」
静寂。
その瞬間。
リゼが目を閉じる。
そして。
ふっと笑う。
「……そっか」
だが。
すぐに顔を上げる。
「でも」
「最後はちゃんと勝負」
その瞬間。
空間が歪む。
ゴゴゴ……
現れる。
⸻
SSSランクボス:虚界龍オブリビオン
⸻
圧。
今までとは次元が違う。
コメント欄。
「ラスボス」
「やばい」
リゼが笑う。
「これで決めよ」
アリアが言う。
「ええ」
そして。
俺の手を取る。
自然に。
指が絡む。
「離れないで」
小さく。
だが。
確かに。
コメント欄。
「確定」
戦闘開始。
オブリビオンが咆哮。
空間が歪む。
攻撃が消える。
存在が揺らぐ。
だが――
三人が動く。
リゼが突っ込む。
アリアが迎撃。
俺が追撃。
連携。
極限。
だが。
今は違う。
距離を奪い合わない。
それぞれが。
役割を理解している。
コメント欄。
「完成してる」
「強すぎ」
そして。
ラスト。
俺が踏み込む。
「終わりだ!!」
ザンッ!!
討伐。
⸻
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
⸻
コメント欄。
「21個」
「世界記録」
その中。
眩い光。
鑑定。
⸻
ユニークスキル
「運命確定」
レア度
∞
⸻
コメント欄。
「終わった」
「神話」
静寂。
その中で。
リゼが笑う。
「……負けた」
あっさりと。
だが。
清々しい。
「今回はね」
一歩下がる。
「でも」
指を立てる。
「諦めてないから」
いつもの顔。
だが。
その目は優しい。
「大事にしなよ」
俺を見る。
そして。
アリアを見る。
「この人」
そのまま。
背を向ける。
「じゃあね」
去っていく。
コメント欄。
「綺麗」
「最高」
静寂。
残されたのは――
俺とアリア。
コメント欄。
「来る」
「来るぞ」
アリアはしばらく黙る。
そして。
ゆっくりと。
俺の手を握る。
今までで一番。
強く。
だが。
優しく。
「……ね」
小さく。
「もう逃げないでしょ?」
俺は笑う。
「逃げませんよ」
即答。
その瞬間。
アリアが少しだけ笑う。
そして。
ぐいっ。
引き寄せる。
ドン。
密着。
今までと同じ距離。
でも。
意味が違う。
「……じゃあ」
一瞬。
言葉を止める。
そして。
はっきりと。
「私といなさい」
コメント欄。
「」
「」
「告白」
俺は答える。
「最初からそのつもりですよ」
その瞬間。
アリアの表情が崩れる。
ほんの少し。
柔らかく。
そして。
ボソッと。
「……ならいい」
そのまま。
肩を預けてくる。
完全に。
寄り添う。
コメント欄。
「確定」
「エンド」
アリアが小さく言う。
「……これで」
「終わりじゃないわよ」
「え?」
「むしろ」
少しだけ笑う。
「ここからでしょ」
コメント欄。
「続く」
俺も笑う。
「ですね」
そのまま。
二人で並ぶ。
距離は。
もう。
完全に決まっていた。




