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『俺だけドロップ率∞のバグスキル持ちだった ~底辺探索者のダンジョン配信が、いつの間にか世界最強チャンネルになっていた~』  作者: やまご


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第15話 奪うか、奪われるか

「……離さないって言ったわよね?」


リヴァイアサン討伐後。


静まり返ったダンジョンの中で。


アリアの声だけがやけに近かった。


指。


絡んだまま。


しっかりと。


逃がさないように。


「いや、逃げてないですよ」


俺が苦笑すると。


ぎゅっ。


さらに強く握られる。


「ならいい」


短い返答。


だが。


明らかにさっきより強い。


コメントアーカイブ


「握力強化」

「独占欲MAX」


そのとき。


「へぇ」


横から声。


リゼ。


壁に軽く寄りかかりながら。


面白そうに見ている。


「ほんとに離さないんだ」


ニヤニヤしている。


完全に楽しんでいる顔。


アリアは視線も向けない。


「関係ないでしょ」


リゼは一歩近づく。


「関係あるよ?」


そして。


俺の反対側に回る。


距離。


近い。


かなり近い。


「だってさ」


顔を覗き込まれる。


「選ぶのはこの人でしょ?」


その瞬間。


ぐいっ。


アリアが俺を引く。


ドン。


また密着。


背中に当たる感触。


完全に囲い込み。


コメント欄。


「ガード」

「完全に捕獲」


アリアが低く言う。


「必要ない」


「もう決まってる」


リゼは笑う。


「ほんとに?」


そして。


さらに一歩。


今度は。


真正面から。


俺に近づく。


近い。


異常に近い。


「ねえ」


小さく囁く。


「ちょっとだけ」


「こっち来てみない?」


その声。


柔らかい。


甘い。


完全に誘惑。


コメント欄。


「小悪魔」

「強い」


一瞬。


意識が持っていかれそうになる。


だが次の瞬間。


ぐいっ。


アリアの手。


俺の顎を持ち上げる。


強制的に視線を戻される。


「見ないで」


低い声。


かなり近い。


「今」


「誰見てるの?」


完全に詰められている。


コメント欄。


「圧」

「女王モード」


俺は苦笑する。


「いや、普通に二人とも見えてますけど」


アリアは一瞬だけ黙る。


そして。


ふっと息を吐く。


「……そう」


だが。


離れない。


むしろ。


少しだけ体を寄せる。


そのとき。


リゼが笑う。


「ねえ」


「そんな囲い込みしてるとさ」


「逆に逃げたくならない?」


挑発。


完全に。


アリアの眉がわずかに動く。


だが。


次の瞬間。


意外な行動。


アリアは。


すっと。


力を抜いた。


「……え?」


手が緩む。


距離が少し空く。


コメント欄。


「解放?」

「珍しい」


アリアは俺を見る。


まっすぐに。


「……好きにしていい」


小さな声。


今までと違う。


少しだけ。


不安が混ざってる。


「選びなさい」


コメント欄。


「きた」

「ガチ選択」


リゼが笑う。


「いいねそれ」


腕を組む。


「じゃあ聞くよ」


「どっち?」


静寂。


俺は一瞬考える。


そして。


一歩。


踏み出す。


向かう先は――


アリア。


「一緒に来たのはアリアさんですし」


「途中で変える気はないですよ」


その瞬間。


アリアが固まる。


ほんの一瞬。


そして。


顔を逸らす。


「……当然でしょ」


だが。


耳。


赤い。


コメント欄。


「確定」

「勝ち」


リゼは肩をすくめる。


「ま、だよね」


だが。


すぐに笑う。


「でもさ」


指を立てる。


「まだ終わってないよ?」


その瞬間。


ダンジョンが揺れる。


ドゴォン!!


空気が震える。


奥から現れる。



深層ボス:デス・キマイラ



三つの頭。


獅子、蛇、山羊。


圧倒的な存在感。


コメント欄。


「やばい」

「Sランク上位」


リゼが笑う。


「じゃあ」


「勝負ね」


そのまま飛び出す。


速い。


異常な速度。


アリアも動く。


「行くわよ」


今度は。


自然に。


俺の手を取る。


さっきより優しい力。


「離れないで」


今度ははっきりと。


コメント欄。


「言った」

「確定ヒロイン」


戦闘開始。


キマイラが咆哮。


炎。


毒。


衝撃波。


三方向攻撃。


リゼが切り裂く。


ザンッ!!


アリアが迎撃。


俺が追撃。


連携。


だが。


徐々に。


距離が詰まる。


戦闘の中で。


自然に。


体が近づく。


ぶつかる。


触れる。


「ちょっ……近い」


「集中」


アリアの声。


だが。


そのまま。


肩が触れたまま。


戦い続ける。


ドキドキが止まらない。


そして。


ラスト。


俺が踏み込む。


「終わりだ!」


ザンッ!!


討伐。



ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン

ポン



コメント欄。


「16個」

「過去最高」


その中。


黒金の光。


俺は拾う。


鑑定。



ユニークスキル

「確率崩壊」


レア度

EX



コメント欄。


「終わった」

「世界崩壊」


静寂。


その中で。


アリアが。


ゆっくり。


俺の手を握り直す。


さっきより。


少しだけ。


優しく。


「……ね」


小さく。


「離れないって言ったでしょ」


今度は。


強くではなく。


確かめるように。


コメント欄。


「完全にデレ」


リゼはそれを見て。


ニヤッと笑う。


「いいね」


「でもさ」


振り返る。


「次は奪うから」


そのまま去る。


空気が静まる。


アリアは少しだけ黙る。


そして。


ボソッと。


「……絶対、渡さない」


聞こえるか聞こえないかの声。


だが。


確かに。


その言葉には。


さっきまでとは違う。


強い感情があった。



第15話 完


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