表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/156

第90話 しっかりして!

 ルージュピーク遠征部隊の司令代理の八須賀はちすか大佐は、整備主任の興田おきた大尉と2番機SVの有本ありもと大尉から報告を受ける。青柳も、側で首を縦に振ったり横に振ったりしているのが見える。


「面白い娘ですね」


 2番機CRを務める竜崎りゅうざき葉月はづき中尉が、青柳を見ながら顔をほころばせた。

 第2戦団のエース・パイロットと思えない女性らしい笑顔が、御堂に向けられる。


「まだ一週間なので、まだ青柳少尉のことよく知らないんですよ」


 第3戦団と交戦し、工廠施設を放棄して『朱雀』へ帰艦したら入鹿がいなくなっていた。そして、GV3X(サンダーバード)の新しいSVとして紹介されたのが青柳礼子少尉である。



 通常なら2週間はかかる「機体とパイロットの同調調整」を、1週間で完了させるハードな日程。御堂と青柳で、プライベートな会話をする時間はほとんどない。

 第2戦団のエース機が、B級機体の調整のために模擬戦を行うのも異例である。しかし、竜崎中尉は不満ではないらしい。


「私は有り難いですよ。実験機とは言え13番機仕様の機体と戦える機会は滅多にありませんからね」


 13番機。帝国の盟友であるラインゴルド領の領主に下賜された機体らしい。このGV3X(サンダーバード)は、13番機のパーツ機として一緒にラインゴルドへ送られたが、幸運にもそのままの状態で残されていた。

 ラインゴルドは、兵を貸すことで成り立っている傭兵国家で、その兵は『ラインゴルド傭兵機団』と呼ばれる。その機団長専用機の強さは御堂もよく知っていた。

(あれが13番機だったんだ)

 帝が所有すると言われる22機のA級ジークフリード。その仕様は、重要機密である。

 GS4は、GV3X(サンダーバード)の量産化を目指した機体で、その仕様は13番機の機密に直結していた。

(だから、他勢力はリスクを冒してもGS4を強奪しようとしたのか)

 知らされていなかったと言え……御堂は自分の脳天気さを後悔する。



「こんな機体を任されるんだから、しっかりしないと大変ですよ」


 竜崎中尉の口調は穏やかだが、御堂に向けられた視線は厳しいものだった。


「……はい。申し訳ありません」


 エース・パイロットの全身から滲み出るオーラと言うべきか……その威圧感に、思わず御堂は頭を下げてしまった。


「こんなに急ぐのも、一機でも稼働する重甲機兵を多くしたいんだと思います。大きな戦闘が近いと覚悟しておいて下さいね」


 逆に言えば、同調調整が不完全でも「大きな戦闘」に出なければならない。

(お願いだから、しっかりして!青柳少尉)

 打ち合わせを終えた青柳は、御堂のところへ来て屈託のない笑顔を向ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ