表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/156

第65話 施設攻防戦、朝

 早朝、日の出前。

 重甲機兵の主動力であるZCF(ズィーフ)機構は、戦闘可能な臨界状態になるまで1時間程度が必要である。入鹿は3機のB級機体を、日の出と共に稼動できるよう整備スタッフに暖機運転の指示を出す。


 御堂が目覚めた時には、完全に日が昇っていた。当然その時、部屋に入鹿の姿はない。御堂が入鹿を見つけたのは、工廠施設のロビーへ降りてからだ。


「玲、おはよう!」


 御堂の声に、チラリと視線を動かす入鹿。しかし、口を噤んだまま直ぐに顔を背けてしまった。

(マジ? 昨夜のコト、根に持ってるわけ?)

 ホットココアを捨てられた時でも、声をかければ返事はしてくれたはずだが、今回は声をかけても無視してくる。

(何でだろ? ホットココアの時は『嫌われた』って不安になったけど……)

 今回のは、入鹿に対して「意外に可愛い」と思えてしまった。



 近衛軍重甲機兵の実戦部隊の最小単位は、3機1分隊で構成される。その分隊の指揮権は、基本的には複座型機体のSユニット操縦者(スーパーバイザー)に委ねられる。

 この分隊ではGV3X(サンダーバード)のSユニットを務める入鹿が、3機のB級ジークフリードの指揮を持つことになる。

 仮配属の非正規兵であり階級・准尉の入鹿が、階級・中尉の正規兵を指揮する。特殊な事例のようだが、規律に厳しい第2戦団では受け入れられていた。



 軍用携帯食レーションでの朝食の後。重甲機兵の部隊は、昨日と同様に空中移送機エアブースターの発着路で見張りの任務につく。入鹿がいないのも、昨日と同様だった。


「玲は何やってんだろ?」


「最悪、この施設を放棄する場合に備えてるんだよ。その時は、施設を爆破して使えなくする。だから、施設の要所に爆弾を設置してるんだ」


 B級GV4型式(ジークフリード)[098]機の新藤中尉が、補足の説明をする。山本中尉のB級GV4型式(ジークフリード)[079]機は、発着路の端部で哨戒中だ。


「でも、施設の中には整備兵や工兵の部隊もいますよ?」


「だから、脱出と退却の経路や段取りを綿密に打ち合わせてるんだよ」


(そう言う仕事は、玲はホントに得意そう)


「ところで、入鹿准尉とは上手くいってないのかね?」


 朝食の間も、入鹿は御堂を無視していた。露骨な態度だったので、誰でも気付いたはずだ。


「いやあ、玲を満足させられなかったんですよ。でも、今夜は絶対です!」


 明るく笑う御堂には、妙な余裕がある。二人の関係はよく分からないが、新藤中尉は安心して良さそうな気がした。



 ウィィィィ・・・・。

 甲高い警報が鳴り響き、上空には信号弾の目映い発光!


「やっと敵さんのお出ましか」


 新藤中尉は、098機に駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ