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超空間通信

 そんな時に俺の指先が赤く光りはじめた。

「!なんだ?人差し指通信!ジャックか!」


 なんという酷いタイミングなんだ?と悪態をつこうかと思ったが、なにかいつもと違う。

 そう、光り方がいつもの規則正しい光り方ではなく、なにかこう飛び跳ねているような人間の動きのような光り方をしている。


 どういうことか理解できないまま、とりあえず光る指先を耳につっこんでみた。

 だが、案の定聞こえたのはジャックの声ではなく、ピーピピピーーというような雑音だけだった。


 指を耳から抜きもう一度見つめなおしてみると、とあることに気が付いた。

 灯りの点き方が、Mr.Jが組み合っているロボットの動きに連動しているのだ。


「そうよ!あのロボットは超空間通信でつながっているのよ!」

 俺が人差し指の灯りを不審そうに見ていたのに博士が気付き、そう叫ぶと、自分の胸ポケットからスマートフォンのような端末を取り出した。


「・・・ということは・・これをこう設定すれば・・」

 小さな天才科学者は、ぶつぶつ言いながら片手で持てるほどの小さな端末の画面を驚異的なスピードで操作し、間もなく

「よし、これでどうかしら?」

と言って、なにかのキーを押した。


 すると、俺の人差し指通信の点滅がロボットの動きに合わせた躍るような間隔から、震えるような短い周期の点滅に変わり、それと同時に獣人のMr.Jと互角に組み合っていた銀色のロボットは、表情のないつるっとした銀色の頭部をゆっくりと博士の方に向けた。


 その頭部で輝いている赤いLEDのような二つの目は、なんの表情もないはずなのに、なぜか悲しげに俺の指と同じような細かい点滅を始めると、かすかに首をひねりそのままの形で全身が固まったように動かなくなった。


 組み合っていた獣人は、拍子抜けしたように組み手をほどくと、ロボットに掴まてれいた部分をもみほぐしながら動きが止まったロボットを見下ろした。

「ふー、、危なかった、なんだ?これは?」


「やったわね、J。ザビ共和国の新兵器よ。いいお土産ができたわ」

 いまいち腑に落ちないような表情をしたMr.Jだったが、とりあえず自分の席に座り直し、壁面にたたきつけられた時に受けた痛む箇所をなでまわした。


 俺はかねてからの疑問だった謎をクリス博士に問いかけた。

「ああ、超空間通信ね。あなたが気絶して足を手術している時に、あなたの体を調べさせてもらったの。あれはすごい技術ね。意外と単純な仕組みなんだけど、距離に全く関係ない通信が可能になるのね。まさか、ザビ共和国も開発しているとは思わなかったわ。でも咄嗟に考えた妨害波がこんなに効くなんて、よかったわね」


 なるほど、それでジャックとの通信に割り込んできたきたわけだ。さすが、天才のなせる業だ。

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