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新兵器エアマスター

 その間、コンテナの横に張り出した銀色の長球体は、青色の輝きを増している。

 よく見ると、コンテナと荷台の間に少し隙間ができている。かなり重いはずのコンテナが浮かび始めている。


「今から特殊な2種類の光線があのトレーラーを照らす」

 そう言いながらMr.Jは手元のスイッチを押した。

 右側の方から赤色の光がトレーラーを照らした。


「すると、その2種類の光が交差する部分の気体がゲル状に変化する」

「ゲル状?」

「そうだ、つまり光りが照ったトレーラの周りの空気が、ゲル状に固まり、飛行を阻止することができる」


 Mr,Jはもう一つのスイッチを押した。

 今度は左側から青色の光が照射された。

 Mr.Jはコンテナが赤と青の光りに照らされたのを確認すると、俺の方に小さな備品を投げてよこした。

 耳につけるタイプの小型通信機だ。

「そして、俺たちがその隙にアレに乗り移り博士を救出する・・というわけ・・だ・・」


 2色の光が照射されたトレーラーは、赤と青の混じった紫色に染まっている。四隅に張り出した球体は相変わらず青く輝いているが、コンテナと荷台の隙間は広がっていない。

 よく見ると紫色に照らされたトレーラーとコンテナの部分が何か蜘蛛の糸のようなモヤっとしたもので覆われているような感じがする。

 Mr.Jが言ったように、コンテナの飛行を押さえつけているのだ。

 結構地味で、素人の俺にはあまり面白みが感じられないが、両国の最先端技術が競い合っているのだろう。見る人が見ればものすごく興味深い対決なのかもしれない。


 Mr.Jは言い終わらないうちに、いつの間にか空いた運転席のサンルーフからすべるように外に身を乗り出した。

 さすが獣人。動きが異様になめらかで力強い。

 唖然として見上げた俺に、Mr.Jは人差し指で手招きをし(一緒に来い)と合図を送ってくる。

 なるほど、俺の出番とはそういうことか。

 獣人と一緒にトレーラーに乗り移り、博士を救出する荒業ができるのは、博士から新しい脚をもらった俺ぐらいのものだ。

 妙に納得した俺は、渡された無線機を耳に装着するとMr.Jに続きサンルーフから車の屋根によじ登った。


 100km/h超えのスピードで走っている車外は、かなりの風圧があるが、ちょうど巨大なトレーラーの陰にすっぽり隠れていて、思った程動きづらくはない。

 赤と青の光りに照らされたコンテナは、近くで見るとかなりでかい。横に扉があるタイプだ。

 博士を救出するには、コンテナに入り込んで戦闘する前に、まずトレーラーを止めることが先決だろう。


 Mr.J達も同じ事を考えているようだ。

 耳に取り付けた無線機からMr.kの声が聞こえてきた。

「エアマスターがコンテナの動きを止めている間に、トレーラーの運転席を占拠しろ」

「了解」

 Mr.Jの声も聞こえる。

 強風の中でもきれいに聞こえるとは地味だがさすが技術立国の製品だ。


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