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破軍のヘルメシヤ  作者: 三重野 創


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正座と日本人

「筋トレでもそうだけどさ、どうも上半身に重きを置かれてる感じなんだよな」

 はちきれんばかりの大胸筋、割れた腹筋は見栄えがいい。脚は後回しにされがちだ。


「でもミドルはウェイトやらないじゃない」

 自重派はウエイトを自重している。


「そう。やるとしたらシュリンプスクワットだな」

 後ろ足を何かの台に置いて、片足でスクワットをする。


「ぼくも何かの本で読んだんだけど、日本人が小柄でもスポーツで活躍できたのは正座が関係あるんじゃないかって研究があるんだ」

 いまはイス文化が根付いている。和室の大広間に座布団を敷いて大人数で会食などもめっきり減ってしまった。


「それは間違いないね。正座って長時間やると痺れるし血流は阻害されるんだけど、身体能力的にはものすごい効果があるんだよ」

 キョーコの道場では正座に始まり、正座に終わる。


「そうだろうな。現代人は足首と股関節が硬くなったなんてよく言われるけど、正座してるだけで下半身のストレッチが出来るんだぜ」

 O脚改善にもメキメキと効果がある。


「姿勢の悪い子が多いもんね」

 背筋が伸びると消化機能も活発になる。正座をすると頭に血流が行くので、脳のパフォーマンスアップにも期待できる。礼儀作法というのは口やかましい迷信ではなく、ちゃんと意味がある。


「スポーツに良い結果をもたらすのも頷けるかな。低い体勢が出来るのは、何かと有利なんだ」

 高さだけに目が行きがちである。


 冒頭から、正座を始めている一同。


「さっ、戻ろうぜ」

 腹を空かせたミドルが立ち上がる。


「あんた、フラフラじゃないの!」







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