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短編集  作者: 反逆の猫


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残酷な世界


「夢の中は何でも叶う素敵な世界だなんて、誰が決めたんです?」





 ねえねえ、聞いて。

 夢って素敵だよね。


 普段は出来ない事、言えない事。

 それが夢の中なら何だってできるんだから。


 やるのは簡単。


 そこが夢だって気づくだけ。

 空を飛ぶことだって、魔法を使う事だって、イメージさえできれば夢の中では何でもできちゃう。


 けれど、私には夢の中で出来ない事がある。


 あるんだよ。


 そんなにも自由な世界なのに。

 そんなにも可能性に満ちた世界なのに。


 きっと他の人なら簡単にできる。

 眠って、夢を見て、当たり前にできる事なのに、私にはそれができない。


 夢の中でもできない事ってなんだと思う?

 出来ない事……。


 たぶんそれは、したくない事だって普通は考えるんじゃないかな。


 何でもできる世界にいるにも関わらうず、できないと言うのならそれはしたくない事しかないって。


 例えば大切な誰かを気付つける事だったり、たとえばひどい事を言ってしまったり。

 そんな事きっと誰だってしたくなんかないよね。

 わざわざ自由な世界に来てまで嫌な思いはしたくないし、嫌な事はしたくないと思う。


 じゃあ、私の場合は何だって?


 それはとてもとても簡単な事だよ。


 この足で歩いたり、この手で触れたり、色んなところにいて動き回ったりする事。


 おかしいよね。

 どうしてできないのって、思うよね。


 でも、それは当然の事なんだ。

 私にはそれがどういうものなのか分からないから。


 私にとってはやった事が一度もない事は、イメージできないんだよ。


 おかしいよね

 こんなにも、自由な世界なのに。

 私は今、そんな自由な世界にいるのに。

 何一つ望み通りには動けないんだから。


 こんなの、まるで現実みたい。




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