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最終話「彼女と僕だけの演奏会」

 下駄箱で外靴から上靴に履き替える。履きなれた上靴からは比較的冷たい床の温度を感じる。

 誰ともすれ違うこともなく、タン、タン、とゆっくり階段をあがる。一階と二階の間の踊り場を通り過ぎた辺りから、軽やかなメロディーが耳に届いた。一番上の段を超えたときに上がっている息を整えながら、靴箱の前で上靴を脱いですでに開けられているドアをくぐる。



――少しだけ、変わったことがある。



 ホワイトボードと黒板の間を通って、自分の机にリュックサックを置く。振り向いて、ピアノの上に置いてある楽譜に目を向けた。


「おはよう」

「おはよう、今日ね……」


 僕と彼女の秘密の演奏会に、会話パートが増えたこと。

 無表情の彼女に、少しずつ表情がついてきたこと。


「今日はポップスの気分かな」


 彼女から指名がされるようになったこと。

 あの暑い日の出来事。僕の家に彼女がやってきて、激しくピアノを弾いて、笑いながら色んな愚痴や色んな思い出話に花を咲かせた日。彼女と僕の距離は一気に縮まり、彼女は少しずつ変わっていった。

 暖かな日の光が差し込む早朝。部活開始の一時間前に開演する二人だけの演奏会は、なんと僕の家にて開かれることも多くなった。

 二人の時間はとても幸福感に包まれるもので、一緒に時間を共有するって、言葉を交わすってこんなに大切で、楽しいことなのだと感じた。


 僕と彼女の関係はきっとこのまま、しばらくは平行線をたどることになるだろうと思う。

 けれど僕は思うのだ。いつか、彼女と僕の線が交わればいいなあ、と。


 僕と彼女に優しくふれて旅を続ける風は、肌に馴染んだものであった。


 復帰一作目。腕鳴らしにと書き始めた今作はいかがでしたでしょうか。

 異常なほどに書き込まれている地の文にうんざりしたでしょうか。今までとは少し違った感じだったかもなあ、という感想もありますが、実際書いている本人にはわかりません(笑)

 今作に出ててくるピアノ曲は実際にあります。何か気になるものがありましたら、Youtubeなどで検索してみてください。革命のエチュードも、なかなか速いですね……腕がもげそうです。

 次作は書き終わったら投稿しようと考えております。ゴールデンウィークらへんで投稿したいですなあ。

 ではでは。ありがとうございました!

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