~アトランティスの食文化・エルフのインスタントラーメン~
第十章~アトランティスの食文化・エルフのインスタントラーメン~
【エルフ街・とあるBAR】
「よいしょっ。今日も何か食わせてくれんか?」
営業時間前のカウンターに座る一人の老人。
「あら?ダ・ヴィンチさん。またですか?たまには自分で何か作ったらどうなの?」
「ワシか?ワシが作るの?」
「ええ、人にばかりたかってないでねぇ、自分で作ればいいじゃない。ダークエルフの所で食べて、人族のモデルには家まで軽食運んでもらってるって聞いてるわよ?」
「ワシ、料理出来ないんだもん!」
「だもん!って作ろうって気は?」
「魔法コンロの上も資料やら試作品やらで埋まってて……もごもご
……。」
「埋まってて?それで?」
「……嫌じゃ!作りたくない!」
エルフママがあきれ顔で何かを取り出す。
「そこでね、私、作ってみたの?」
「おや?これはバックウィートの麺かの?」
「そうそう。地上にはインスタントラーメンってのがあるらしいのだけど……小麦ってアトランティスでは異世界産じゃない?お高くなっちゃうのよねぇ。だから森で採れるバックウィートの実を麺にしてみたの。」
「これは水分の調整難しいじゃろ?」
「……そうね、試作を重ねてみたわ。出来上がった麺を揚げて……味を含ませて……試作品がこれよ。食べてみる?」
「カッチンカッチンの麺じゃな?かじるのか?ワシ固いものはちょっと……。」
「ダ・ヴィンチおじいちゃん(笑)お湯をかけるのよ。」
「お湯じゃ……と。コンロ……。嫌じゃ……奥の錬金釜ちょいと借りるぞ。」
【BAR奥・錬金工房】
「よっこらしょ。」
ダ・ヴィンチが錬金釜に素材を入れる。
「そうじゃな。器には安価な魔鉄を薄く伸ばして。びょーんとな。丼の形にして。穴を2つ空けてっと。」
「何を作ってるのさ?おじいちゃん。」
「コレか?まぁ見ておれ。」
1分もかからずに器が出来た。
「火と水の魔石はあるか?なるべく安いの。」
「そうねぇ。ジャパネスク産の火の魔石が今は安いわねぇ。水はアクアリスから定期的に入ってるわよ。はい。これ。」
「よしよし、コレをこの器に嵌め込んでっと。よしよし。うまく動いておるわい。」
……じっと3分待つのじゃよ。
『出来た(わね)(のう)。』
「!!!美味いぞ!!!これは美味いぞ!オークの出汁か?」
「オークは肉も革も素材になるじゃない?冒険者には人気の魔物ね。骨から出汁を取ってみたの。」
「……とすると。」
ダ・ヴィンチが計算を始める。
「バックウィート、オーク出汁、揚げ油、魔鉄、魔石。ふむふむ。
麺だけなら50アト。器込みだと500アトで売れそうじゃの。」
「また!商売にするのかい!!?」
エルフが呆れているが。そんなこと関係ないわい!
「平賀源内を呼んでくれんか?量産化の相談するぞい!」
「はいはい。」
♢♢♢♢♢♢
【数ヶ月後】
アトランティスの民間企業。
ニッシーーンが売り出した「オークラーメン」は、冒険者の間で夜営に必須の携帯食として爆発的にヒットした。
【平賀源内考案キャッチコピー】
「オークラーメンと卵、ダ・ヴィンチ器に入れてってっとてっと♪」




