第666世界~ダークネス~
第666世界~ダークネス~
我はこの世界の魔王である!
世界を蹂躙し、我が手中へと治めし【暗黒の魔王】である。
数十年ほど前。
我が前に1人の者が現れた。
「いやぁーこの世界、魔素が濃いですねー!俺でも少し手こずりますよー!」
その者は「アトランティス」という国の「勇者」と名乗った。
「魔素?」
我は聞いたことがない言葉になぜか胸がざわついた。
「あー魔素ってのがあって、それが魔物になるらしいですよ。」
魔物は我が創りし眷属のはず!!
「この世界は良い素材が取れますねー!」
素材?!素材だと!?
「その話、ゆっくりと聞かせてもらおうではないか。」
我と勇者は応接室にいた。
お茶を飲んでいる……
「クッキー無いです?」
「クッキー?というものは無いが……」
我は眷属のアラクネの女王を呼び出し菓子を振る舞ってやった。
美味いだろう?美味いだろ?
「まぁまぁですね。アトランティスには美味しいクッキーのお店があるんです!今度お土産に持ってきますね♪」
「な、なんと!これより美味い菓子があるというのか!!」
落ち込む我なのであった。
気を取り直し。
「ところで、勇者よ。素材とはなんなのだ?」
「えーと……言える範囲になりますが……魔物が死ぬとき何か落ちません?」
「落ちる?……ァァ……魂の欠片のことだな。」
「それが俺の世界の動力になるんですよ。」
「なんだと!?」
我は腰の剣に手を添える。
我らを!我らの魂を!動力源だと!?動力にするだと!!!
「まぁまぁ、物騒なモノは出さないで下さい。俺は戦うつもりは無いので。」
その瞬間、勇者に光が集まる。
光を纏った勇者。
微動だにしていないが……
………勝てぬ。この者には我でも勝てぬ………
「……わかった。」
「俺は本当に戦うつもりはないので!」
「うむ。なら聞くが。我らが動力源だとするなら、我の魂の欠片も欲するのではないか?」
「あーー!別の世界の魔王がちょろいので、そっちを倒します!貴方は話してて面白いです!また遊びに来てもいいですか?」
……別の世界?……ちょろい魔王?……
この者は何を言ってるのだ?
わからぬ。わからぬ。
が、しかし、1つわかったことがある。
世界は1つでは無い。
我が征服したこの世界はその中の1つであるかもしれないということ。
「うむ。」
「あー考え込んじゃいました?なんかごめんなさい!余計なことを話したみたいで。」
そう言い残し勇者は「アトランティス」へ帰っていった。
「アトランティスか……どのような国なのであろうな。」
我はまだ見ぬアトランティスに思いを馳せるのであった。




