特別短話 選ばれなかった者たち
俺の、奥底にある記憶。
「璃!海斗!待ってよ~!」
「奏太郎!早くしないと学校遅刻するよ?」
「奏太郎はノロマなんだから置いてこ」
ジー
あっ、場面が変わった
「ピンポンパンポン!緊急事!クライトが学校内に侵入!今すぐ外に避難しろ!この学校は生徒が全員避難したら、放火する!」
ジーッ
「海斗!行くな!」
「え?うぁぁぁ!」
プツン…
俺の記憶はここまでで終わってしまった。
俺の姿は変わり果ててしまった。
体は黒いスライムみたいだし、言葉はアしか喋れない。
俺の名前は…海斗なのに!
「アアアァ」
毎朝、地獄のような場所で訓練をさせられている。
「君たちさ、もっと動けないの?」
「アァァ」
「ちょっと、アスク!やめてあげなよ!この子たちは、私の下部だよ?」
心は前の記憶がうっすら残っているのに体は思い通りに動いてくれない。
奴らがマスター神とか呼んでるやつの完全な奴隷になっている。
…それに、だんだんと、今残っている記憶も消えていってる気がする。
「ねぇ、アスク?この子なんか生きが良さそうだよ!クライト実験するにはピッタリ☆」
「本当だ、よし。今日は君の番だ。」
終わった。クライト実験に運ばれたら、もう意識が…
「タスケテ、ソ、ウタロウ」
あれ?ソウタロウって…誰だ?
―――――――――
「…この個体は!?ミナミ、負の感情に適合する個体をもう1体発見したよ。」
「本当!?あー!私、とっても嬉しい!」
俺、の名前は…海t
ブチッ
「ワタシハ、マリス・クライト、デス。ワタシニシメイヲ。」
プツン
この話はクライトに殺された後、
クロのように狐神になるための条件を満たしておらず、そのままクライトになってしまった人間の末路を書いたものです。
今回は代表として0章第1話に登場した海斗君視点を書いてみましたが…
クライトになってしまうとこうなる運命を辿るしかないのでしょうか?
クロがクライトに殺された日がこの日ではなかったら…
彼と同じ運命を辿っていたかもしれません。




